【解説】Windows 10 2021年8月セキュリティ更新プログラムの新機能と変更点
セキュリティアップデートは面倒に感じられることもありますが、多くの問題を解決してくれます。Windowsの2021年8月の「パッチチューズデー」がリリースされ、対象となるすべてのOSでダウンロード可能になりました。Windowsでは毎月第2火曜日に更新プログラムを提供しており、今月はセキュリティ修正が中心となっています。
今回のアップデートでは、これまでの管理構造が大幅に見直され、ようやくプリントスプーラーサービスの脆弱性が対処されました。しかし、それだけではありません。できるだけ早くパッチを適用することをおすすめします。
更新ファイルとパッチが重要な理由
アップデートが重要である理由はいくつかあります。開発者やプログラマーが新しい機能やアプリケーションをプログラムやOSに追加する際、意図せず新たな脆弱性を作り出してしまうことがあります。こうした脆弱性は、悪意のある第三者やハッカーに悪用されるリスクに常にさらされています。
一般の方には些細なことに思えるかもしれませんが、システムソフトウェアのアップデートや更新ファイルは、オンライン上のIDや個人情報を守るために不可欠なものです。PCやスマートフォンがウイルスに感染すると、友人や家族、同僚に感染を広げてしまう可能性もあります。
さらに、アップデートには新機能の追加やバグ修正という役割もあります。これはすべて、ユーザーがソフトウェアを快適に、スムーズに使えるようにするためです。アプリのクラッシュを防いでくれるかもしれません。次にアップデートの通知が表示されたら、数分かけてダウンロードとインストールを行う価値は十分にあるでしょう。
Windows 2021年8月アップデートの内容
今回は、MicrosoftがPCのセキュリティを脅かす可能性のある要素の修正に重点を置いたアップデートとなっています。
Windowsプリントスプーラーの脆弱性
このリスクは2020年6月から存在しており、その解決が今回のアップデートの主要な部分となっています。プリントスプーラーは、コンピューターとプリンターを接続し、ドキュメントや画像の印刷を可能にするアプリケーションです。この脆弱性により、攻撃者はシステムにアクセスできれば、パスワードがなくてもリモートでシステムを制御できる可能性がありました。
この脆弱性はWindows 7 SP1以降のすべてのWindows OSに影響を与えるため、重要視されました。また、プリントスプーラー機能は企業で広く利用されており、これなしで業務を行うのは非現実的です。そのため、ユーザーは侵害のリスクにさらされたままになっていました。最優先された本当の理由は、ハッカーに悪用された場合の被害の深刻さにあります。ハッカーは企業のデータベースにアクセスし、データの閲覧や削除ができてしまう恐れがあったのです。
この脆弱性はCVE-2021-34527として追跡されており、「PrintNightmare脆弱性」と呼ばれています。詳細を知りたい方は、WindowsでPrintNightmareを修正する方法に関する記事もぜひご覧ください。
21H1バージョンへの変更と追加
今回のアップデートでは、21H1の多くのバグが修正され、合計44個の脆弱性が解消されました。21H1はWindows 10の最新バージョンであるため、最も多くの技術的改善と全体的なパフォーマンス向上が行われています。
プリンタードライバーのインストールと更新には管理者権限が必要になりました(もちろん、これはPrintNightmareのバグに対処するために追加されたものです)。プリンタードライバーをインストールしようとすると、管理者の確認画面が表示されるようになります。
ゲームランチャーは、ユーザーの許可なくアプリケーションを起動できなくなりました。ゲーム関連のマイナーアップデートもあり、コントローラーのトリガーを押した際のノイズのキャンセル、ゲームモードの問題への対処、新しい電力消費プランの実装などが行われました。これにより、ゲーム中のフレームレートとPCの全体的なパフォーマンスが向上しています。
また、サービススタックも改善され、Windowsのアップデートをより堅牢に、スムーズにインストールできるようになりました。サービススタック更新プログラム(SSU)により、最新の累積更新プログラム、月例ロールアップ、セキュリティ更新プログラムを確実にインストールできるようになります。
1607バージョンの改善と変更
1607は、2016年頃にリリースされたやや古いOSです。しかし、企業や金融市場での利用は依然として広く、Windowsはこのバージョン向けのアップデートを提供し続けています。
他のOSに合わせて、デバイスからAdobe Flash Playerが削除されました。さらに、ユーザー名とパスワードの検証が大幅に改善されました。これにより、起動、シャットダウン、再起動などの基本的な操作の際に、Windowsが不正アクセスを受けにくくなっています。
これまでと同様に、侵入のリスクを最小限に抑えるため、プリンタードライバーのインストールや更新の前に管理者権限を求めることが必須になりました。また、AppLockerを使用してファイルを操作する際にWindowsがクラッシュしたり動作が遅くなったりする問題にも対応しています。Microsoft Edgeで意図せずズームしてしまうなど、その他の細かい不具合もいくつか修正されました。
Windows Update Medic Service
PrintNightmareのバグの次に大きなセキュリティリスクとなったのが、Windows Update Medic Service(WUMS)です。WUMSはMicrosoftが導入したソフトウェアで、バックグラウンドで継続的に実行されます。主な機能は、小規模なアップデートのダウンロードとインストールです。
WUMSはWindows OSの正常な動作に不可欠です。特に、小規模なアップデートには個別の更新ファイルを使用する必要がないためです。また、Windows Updateのコンポーネントを修復し、新しい命令がスムーズに実行されるようにしたり、補助データを追加したりするためにも使用されます。
攻撃者はこの弱点を発見し、悪用することに成功しました。影響を受けたWindowsユーザーの数は不明ですが、常にバックグラウンドで実行されているため、いつでもハッキングされる可能性があり、ユーザーの情報にとって重大な脅威となります。Microsoftによると、この脆弱性は検出され、すでに修正済みとのことです。
新しいアップデート、新しい問題
アップデートは多くの問題を解決しますが、その結果として新たな問題が生じることも避けられません。例えば、Alt-Tabキーでアプリケーションを切り替える際に動作が遅く、問題が発生しやすいという報告が多く寄せられています。その結果、Windowsがデスクトップに戻ってしまうことがあります。
幸い、解決策があります。この問題は、新しいアップデートで導入された「ニュースと関心事項」に関連しています。以下の簡単な手順で無効にできます。
- タスクバーの任意の場所を右クリックする
- ニュースと関心事項メニューにカーソルを合わせる
- オフにするを選択する
すべてのバグが同じというわけではない
2021年8月のパッチは、多くの潜在的な不正アクセスの経路をふさぎ、システム全体がより速く連携して動作するように整えました。Microsoftは合計44個の脆弱性を解消しており、そのうち13個はリモートコード実行、8個は情報漏えい、2個はDoS(サービス拒否)、4個はなりすましの脆弱性でした。
つまり、小さなバグであれ、重大なサイバーセキュリティの脅威であれ、Windowsはソフトウェアとアプリケーションに存在する潜在的なセキュリティホールのほとんどに対応したのです。
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