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PowerToys「FancyZones」でWindows 11の優秀なウィンドウ管理機能をWindows 10でも実現する方法

Windows 11の目玉機能として大きく宣伝されているのが、強化されたウィンドウのスナップ(配置)とタイリング機能です。確かにこれは従来の便利な機能の大幅な進化ですが、PowerToysの「FancyZones」が提供する柔軟性と比べると、その差は歴然です。

つまり、Microsoftの新しいOS(しかも動作要件がかなり厳しくなった)にアップグレードしなくても、Windows 10のままでより高機能なウィンドウ管理を楽しめるということです。この記事では、PowerToysのFancyZonesを使ってウィンドウを整理し、デスクトップをすっきり整える方法を詳しく解説します。

WindowsへのPowerToysのインストール方法

PowerToysは、Microsoft自身が開発したWindows向け公式ユーティリティ集ですが、OSには標準搭載されておらず、Microsoftのサイトでも配布されていません。代わりに、GitHubが公式の配布元となっています。

まずGitHubのページにアクセスし、最新バージョンのドキュメントを読んで、既知の不具合や注意点がないか確認しておきましょう。執筆時点ではバージョン0.49が最新で、インストーラーファイル名は「PowerToysSetup-0.49.0-x64.exe」でした。

ページの手順に従ってPowerToysをダウンロードし、他のソフトウェアと同じようにPCにインストールしてください。多数のユーティリティが含まれていますが、すべて1つの実行ファイルにまとめられています。ただし、このガイドではFancyZonesのみを使用します。

インストールが完了したらPowerToysを起動します。タスクトレイにアイコンが表示されるので、そこから操作できます。なお、Windowsのトレイには表示できるアイコン数に制限があるため、隠れているアイコンを展開して探す必要があるかもしれません。

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まずはこのアイコンを右クリックし、表示されたメニューからSettings(設定)を選択しましょう。ここから設定作業が始まります。

FancyZonesの基本設定とカスタマイズ

FancyZonesは初期設定のままでも使えますが、少し時間をかけて自分好みにカスタマイズすると、さらに快適になります。

まず、FancyZonesが有効になっていることを確認しましょう。左側のリストからFancyZonesを選択し、Enable FancyZonesがオンになっていることをチェックします。

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同じ画面を下にスクロールすると「Zones」セクションがあります。Hold Shift key to activate zones while dragging(ドラッグ中にShiftキーを押している間だけゾーンを有効化する)が有効になっていることを確認してください。これにより、後ほど定義するゾーンへのスナップは、Shiftキーを押している間のみ機能するようになり、誤操作を防げます。

複数のモニターを使っている場合は、Show zones on all monitors while dragging a windowを有効にすると、どの画面上でもゾーンへのスナップが可能になります。

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また、解像度・アスペクト比・DPIスケーリングが同一で隣接して設置されたモニターを使用しているなら、Allow zones to span across monitorsも検討してみてください。このオプションを有効にすると、複数のモニター全体が1つの巨大なデスクトップとして扱われ、画面をまたぐゾーンも定義できるようになります。

Window behaviorセクションでは、ほとんどのオプションを有効にしておくのがおすすめです。これにより、ウィンドウを閉じて開き直したり、画面解像度を変更したり、レイアウトを切り替えたりしても、ウィンドウが意図せず移動するのを防げます。

「ほとんど」と言ったのは、以下の2つを除いての話です。

  • Move newly created windows to the current active monitor (Experimental):新規作成ウィンドウをアクティブモニターへ移動させる実験的機能で、不安定になることがあります。
  • Make dragged window transparent:ドラッグ中のウィンドウを半透明にする機能で、好みの問題です。
PowerToys「FancyZones」でWindows 11の優秀なウィンドウ管理機能をWindows 10でも実現する方法

FancyZonesでのレイアウトとモニターの設定方法

FancyZonesには、あらかじめ複数のゾーンレイアウトが用意されています。マルチモニター環境なら、モニターごとに異なるレイアウトを割り当てることも可能です。

モニターでゾーンへのスナップを有効にするには、FancyZonesの設定ページの上部にあるLaunch layout editor(レイアウトエディターを起動)をクリックします。新しいウィンドウが開き、上部に各モニターのサムネイル番号、その下に利用可能なゾーンレイアウトのプレビューが表示されます。

通常、メインモニターがあらかじめ選択されているはずです。そのため、スナップを有効にするには、好みのゾーンレイアウトを選ぶだけです。逆にスナップを無効化したい場合は、「No layout」テンプレートを選ぶか、前の画面に戻ってFancyZones自体をオフにしてください。

モニターが複数ある場合は、同様にそれぞれのモニターに対してレイアウトを設定します。モニターごとに別々のレイアウトを選択できることも忘れないでください。

PowerToys「FancyZones」でWindows 11の優秀なウィンドウ管理機能をWindows 10でも実現する方法

FancyZonesはマルチモニター環境だけでなく、大型モニターでも活躍します。ただし、ウルトラワイドモニターを最大限に活かしたい場合は、仮想モニターアプリの方が適しているケースもあります。

PowerToysで独自のゾーンを作成する方法

Windows 11はスナップレイアウトを目立つ位置に配置しており、その使い方もすでに紹介してきました。しかし、FancyZonesはそれ以上のコントロールを提供します。なんと、自分だけのオリジナルのゾーンレイアウトを作成できるのです。カスタムレイアウトを使えば、誰かが「最適」と決めた配置ではなく、自分が望む場所にウィンドウをスナップさせられます。

さらに嬉しいのは、カスタムレイアウトは何個でも作成でき、キー入力ひとつで切り替えられることです。

最初のカスタムレイアウトを作成するには、ウィンドウ右下のCreate new layout(新規レイアウト作成)ボタンをクリックします。

表示される新しいウィンドウでレイアウトに名前を付け、Grid(グリッド)またはCanvas(キャンバス)のどちらかの方式を選びます。

  • Grid:すべてのゾーンが横方向または縦方向に整列する、秩序重視の方式です。
  • Canvas:ゾーン同士の重なりが許容される自由な形式ですが、やや整理しにくくなる可能性もあります。
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編集中に役立つショートカット一覧のウィンドウが表示されますが、操作自体は非常に直感的です。

  • 既存のゾーン内をクリックすると、そのゾーンを横方向に2分割できます。Shiftキーを押しながらクリックすれば、縦方向に分割されます。
  • ゾーンのサイズを変更するには、境界線の上に表示されるアイコンをクリック&ドラッグします。
  • 2つのゾーンを結合するには、片方からもう片方へドラッグし、ポップアップするMergeボタンをクリックします。
  • Tabキーでゾーンや仕切りを順に選択し、Deleteキーで選択中の仕切りを削除できます。

カスタムレイアウトに満足したら、Save & applyをクリックして、FancyZonesのカスタムリストに保存します。

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レイアウトリストに戻ったら、サムネイル右上の小さな鉛筆アイコンをクリックすると、さらに細かい調整が可能です。表示されるウィンドウから次のような設定が行えます。

  • レイアウト名の変更。
  • 1〜10の数字を割り当ててショートカットキーを設定。
  • プレビューサムネイル上の鉛筆アイコンをクリックして、ゾーンを再編集。
  • ゾーン間の余白の調整。数値を大きくすると、ゾーンにスナップしたウィンドウ同士の間隔が広がります。数値を下げれば窮屈になり、ゼロにするとウィンドウ同士がぴったりくっつきます。
  • 各ゾーンのHighlight distance(ハイライト距離)の変更で、スナップの反応範囲を調整。数値を低くすると、ウィンドウをほぼゾーンの中央まで正確にドラッグしないとスナップしません。逆に数値を上げると、より早い段階でゾーンが「アクティブ」になります。ただし、数値を上げすぎてゾーンが比較的小さい場合、狙いたいゾーンを指定しにくくなる点には注意が必要です。Saveをクリックして設定を保存します。
PowerToys「FancyZones」でWindows 11の優秀なウィンドウ管理機能をWindows 10でも実現する方法

PowerToysを使ったウィンドウのスナップ方法

FancyZonesが有効で、モニターにゾーンレイアウトが適用されている状態にしましょう。そのうえで、ウィンドウのドラッグを開始する前後にキーボードのShiftキーを押します。利用可能なゾーンのプレビューが表示されるので、その上にウィンドウを移動させて「ドロップ」すれば、ウィンドウは自動的にリサイズされ、ゾーンにぴたりと収まります。

先ほど、各FancyZonesレイアウトに数字のショートカットを割り当てられることを覚えていますか?Ctrl + Win + Altを押しながらその数字キーを押すことで、対応するゾーンレイアウトに切り替えられます。マルチモニター環境の場合は、先にレイアウトを適用したいモニター上のデスクトップ領域をクリックしておきましょう。

レイアウトに沿って開いているウィンドウを自動的に再配置する機能こそありませんが、FancyZonesはウィンドウを閉じる前にあった位置へ復元しようと試みます。

Windows 11にアップグレードしないまま、その恩恵を受ける

PowerToysのFancyZonesがWindows 11のタイリング・スナップ機能と比べて唯一劣る点は、インタラクティブ性です。最大化ボタンにカーソルを合わせたときにレイアウトのプレビューが表示される、という演出はないのです。

しかし、その細かな点を除けば、その他すべてにおいてFancyZonesは優位に立ちます。より多くのオプション、より高いカスタマイズ性、より大きな汎用性——しかも、それらはすべてMicrosoft自身が提供する無料のオープンソースツールによって実現されています。Windows 11へアップグレードする理由は、また1つ減ったというわけです。


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