Ventoyの使い方:1本のUSBメモリでマルチブートUSBを作成する方法
1台のPCで複数のOSを使っている場合、トラブル発生時に備えて、各OS用のバックアップ起動ディスクを用意しておくのが理想です。
しかし、ISOイメージの異なるUSBメモリを何本も持ち歩くのは非効率的です。特に、それぞれのドライブに空き容量がたくさん残っている場合はなおさらです。すべての起動ファイルを1本の大容量USBメモリにまとめられれば、格段に便利になります。
そこで本記事では、1本のUSBメモリに複数の起動ファイルを作成・保存する方法をご紹介します。
マルチブートUSBとは?

PCに問題が発生して復元が必要になったとき、起動ドライブがあれば復旧作業をすぐに始められます。しかし、ほとんどのUSB起動ドライブは1つのOSしか収容できません。
1つのOSしか使わない一般的なユーザーなら問題ありません。しかし、WindowsとLinuxのように1台のPCで複数のOSを運用していたり、OSの異なる複数のデバイスを持っていたりする場合は、システムごとに別々のUSBメモリが必要になってしまいます。
そんなとき、マルチブートユーティリティを活用すれば、必要なすべての起動ドライブをたった1本のUSBメモリにまとめられるのです。
VentoyでマルチブートUSBを作成する方法
マルチブートUSBメモリを作成できるツールのひとつが「Ventoy」です。このオープンソースツールは、Ventoyの公式サイトまたはGitHubページから無料でダウンロードできます。併せて、起動ファイルを保存するためのUSBメモリも用意してください。
必要なUSBの容量は収容したいOSの数によって異なりますが、2つ程度なら32GBで十分でしょう。3つ以上インストールしたい場合は、64GBや128GBのモデルを選ぶと安心です。
アプリのダウンロードとUSBメモリの準備が整ったら、さっそくマルチブートUSBドライブの作成を始めましょう。
Ventoyのインストール手順

Ventoyのインストールは非常にシンプルです。以下の手順に従ってください。
- ダウンロードしたファイルを開いて解凍します。
- 32ビット、または32ビット互換のx86プロセッサを使用している場合は、解凍したフォルダ内にあるVentoy2Disk.exeを実行します。
- 64ビットx86プロセッサ、32ビットARMプロセッサ、または64ビットARMプロセッサを使用している場合は、altexeフォルダを開き、環境に合ったインストールファイルをメインフォルダにコピーしてから実行してください。
- Ventoy2Diskウィンドウのデバイスのドロップダウンメニューから、マルチブートUSBを作成する正しいリムーバブルドライブを選択します。重要: 選択したドライブの中身は消去されてフォーマットされるため、空であることを必ず確認してください。
- Option(オプション)メニューを開き、Secure Boot Support(セキュアブートサポート)にチェックが入っていることを確認します。Ventoy In Packageのバージョン番号の左側に鍵アイコンが表示されていれば、セキュアブートサポートが有効です。この操作により起動ドライブにデジタル署名が付与され、セキュリティ強化された最新のシステムでも、起動ドライブが正当なものとして認識されます。
- USBドライブをフォーマットする準備ができたら、Install(インストール)をクリックします。
- 警告ウィンドウが表示され、続行するかどうか尋ねられるのでYesを選択します。
- 続けて、ドライブを再フォーマットするかどうか確認する別の警告ウィンドウが表示されるので、Yesをクリックします。
- フォーマットが完了すると、インストール成功を知らせるInfoウィンドウが表示されます。OKをクリックして閉じましょう。
インストールが完了すると、USBドライブはISO、WIM、IMG、VHD(X)、EFIなどの起動ファイルを受け入れられる状態になります。Ventoy2Diskウィンドウ上で、Ventoy In Deviceのバージョン番号がVentoy In Packageと一致していれば成功です。
起動ファイルをコピーする

Ventoyのインストールが済んだら、次は起動ファイルをドライブに追加しましょう。
- エクスプローラーを開き、起動イメージを保存しているフォルダへ移動します。
- USBドライブにバックアップしたいイメージファイルを選択し、コピーします。
- エクスプローラーでPC(This PC)を開き、Ventoyをインストールしたドライブを開きます。通常はそのままの名前ですが、お好みで名前を変更しても構いません。
- ドライブ内にイメージファイルを貼り付けます。
この簡単な手順だけで、1本のドライブから複数のISOファイルを起動できるようになります。2つや3つ、4つといった上限はなく、USBメモリの容量に入りきる限り、好きな数だけイメージファイルを保存できます。
Ventoyをアップデートする方法
開発元から新しいバージョンがリリースされたら、マルチブートUSBもアップデート可能です。以下の手順で行いましょう。
- 公式サイトまたはGitHubページから最新版のアプリをダウンロードしてインストールします。
- マルチブートUSBドライブをPCに接続します。
- Ventoy2Disk.exeアプリを開きます。
- メインウィンドウでUpdate(アップデート)を選択します。
- 旧バージョンからアップデートするかどうか確認するInfoウィンドウが表示されるので、Yesをクリックします。
- アップデートが実行されます。完了したらOKをクリックします。
この操作では、起動ドライブ内のVentoyファイルが更新されるだけで、USBメモリのデータ消去や再フォーマットは行われません。そのため、以前保存したISOファイルをコピーし直す必要はありません。
VentoyマルチブートUSBを初めて起動するには

PCにセキュアブート機能がない場合は、USB起動ドライブを接続して電源を入れ、ブートメニューから起動したいOSを選択するだけでOKです。
一方、セキュアブート搭載のPCの場合は、あらかじめ起動ドライブを登録する必要があります。以下の手順に従ってください。
- PCのBIOS設定画面を開き、USBから起動するように設定します。
- Perform MOK Managementという画面が表示されたら、Enroll key from diskを選択します。
- 次のメニューでVTOYEFIまたはEFIを選択します。
- さらにメニューが表示されるので、ENROLL_THIS_KEY_IN_MOKMANAGER.cerを選びます。
- Continueを選択します。
- 確認画面でYesを選択します。
- MOK Managementのメインメニューに戻ったら、Rebootを選択して再起動します。
PCが再起動したら、ブートメニューを開いてマルチブートドライブを選択しましょう。Ventoyの起動メニューが表示され、実行したい起動ドライブを選べるようになります。
たった1本で完結する最強の起動ドライブ
複数のOSを搭載したPCや、OSの異なるさまざまなデバイスを扱うパワーユーザーにとって、Ventoyは1本のUSBメモリだけでバックアップ起動ドライブを作成できる頼れる無料ツールです。
OSごとに個別のUSBメモリを用意する必要がなくなるため、システムの管理がぐっと楽になります。さらに、すべてのOS用に複数のUSBメモリを買い揃える必要はなく、1本だけで済むのでコスト削減にもつながります。ぜひ活用してみてください。
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