Windows 10を再インストールせずにマザーボードを交換する方法|ライセンス認証の対処法も解説
PCを使っていると、ハードウェアのアップグレードをしたくなる場面があります。最も一般的なのは、HDDからSSDへの換装や、新しいグラフィックボード(GPU)への交換ですが、中にはマザーボード——すべてのパーツが相互に通信するための中枢となる基板——を交換したいケースもあるでしょう。
マザーボードの交換自体はそれほど難しい作業ではありません。しかし、交換後にWindows 10を正しくライセンス認証させ、新しいマザーボードとスムーズに動作させるのは別問題です。この記事では、Windows 10を再インストールせずにマザーボードを交換する方法を詳しく解説します。

Windows 10環境でマザーボードは交換できる?
マザーボード交換時に問題が発生する原因は、Microsoftのライセンス体系にあります。正確には、大規模なアップグレードを行う際のWindows 10ライセンスの仕組みに対する誤解が引き金になることが多いのです。
Windows 10のライセンスには、主に以下の3種類があります。
- OEMライセンス:購入したハードウェアにプリインストールされているライセンス。デバイスのマザーボードに紐付けられています
- リテール(市販)ライセンス:オンラインなどで単体購入するライセンス。異なるPC間でライセンスを移行できます
- ボリュームライセンス:企業、大学、政府機関などの大規模組織向けにMicrosoftが一括発行するライセンス。1つのライセンスキーで複数台のインストールを認証できます

各ライセンスは、最初にインストールされたハードウェア、具体的にはマザーボードに紐付けられます。マザーボード間で移行できるのはリテールライセンスのみです。OEMまたはボリュームライセンスのWindows 10マシンでマザーボードを交換すると、新しい構成ではライセンス認証できない可能性が高くなります。
ただし、OEMやボリュームライセンスでも、マザーボードを含む新しいハードウェア上で認証に成功した例は数多く報告されています。詳細については、「Windows 10ライセンスを新しいPCに移行する方法」もあわせてご確認ください。
自分のWindows 10ライセンスの種類を確認する方法
マザーボードの交換に取りかかる前に、まずシステムにインストールされているWindows 10ライセンスの種類を確認しておきましょう。
スタートメニューの検索バーに「コマンドプロンプト」と入力し、一致した結果を開きます。次に、以下のコマンドを入力してください。
slmgr -dli
しばらく待つと「Windows Script Host」のウィンドウが表示されます。「説明」の欄にWindows 10のライセンス種類が記載されており、リテール、OEM、ボリュームのいずれであるかが明確に示されます。

リテールライセンスをお持ちであれば、Windows 10のインストールを新しいマザーボードへ簡単に移行できます。
再インストールせずにマザーボードを交換する手順
マザーボードを交換する際、Windows 10がインストールされたHDDやSSDはそのまま使い続けられます。新しいマザーボードを取り付けてストレージを接続すれば、問題がなければWindows 10が自動的に再構成され、そのままOSを使用し続けられるはずです。
しかし現実には、必ずそう上手くいくとは限りません。多くの場合、ネックとなるのはWindows 10のライセンス認証です。新しいマザーボードでクリーンインストールを避けるための最善策は、交換作業の前にWindowsライセンスとMicrosoftアカウントを紐付けておくことです。
Windowsキー + Iを押して設定を開き、「更新とセキュリティ > ライセンス認証」へ進みます。「Microsoftアカウントを追加」の項目にある「アカウントを追加」を選択し、Microsoftアカウントにサインインしましょう。サインインが完了すると、MicrosoftによってWindows 10ライセンスとアカウントが紐付けられます。

アカウントを紐付けておけば、新しいマザーボードを取り付けた後も、プロダクトキーを入力することなくWindows 10にサインインできます。ただし、この方法で移行できるのはリテールライセンスのみである点に注意が必要です。とはいえ、OEMやボリュームライセンスでも認証に成功した例は多数あるため、試してみる価値は十分にあります。
Windows 10のライセンス認証トラブルシューティングツールを使う
Windows 10には、マザーボード交換後の問題を解決するために使えるライセンス認証のトラブルシューティングツールが標準搭載されています。このツールは、最近新しいハードウェアが取り付けられたことを自動的に検出します。

新しいマザーボードを取り付けたら、Windowsキー + Iを押して「更新とセキュリティ > ライセンス認証」を開きます。ここで「Windowsはライセンス認証されていません」というメッセージが表示される場合があります。その場合は、ページの下部にある「トラブルシューティング」を選択してください。

続いて「このデバイスのハードウェアを最近変更しました」を選択します。その後、Microsoftアカウントにサインインし、使用中のデバイスを選択しましょう。Microsoftの認証プロセスが実行され、しばらくすると新しいマザーボードの構成でWindows 10がライセンス認証されるはずです。
Windows 7 / Windows 8.1のプロダクトキーで認証する
Windows 10の発表時、Microsoftは既存のWindows 7およびWindows 8/8.1ライセンス保有者に無料アップグレードを提供すると明言していました。このアップグレードプロセスにより、旧バージョンのライセンスは新しいOS用のデジタルライセンスへと変換されました。
このデジタル化の結果、多くのユーザーは新しいOS用の具体的なプロダクトキーを持たず、設定画面に「デジタルライセンス」と表示されているだけの状態になっています。

新しいマザーボードを取り付けた後にWindows 10が認証されず、かつてWindows 7や8/8.1からWindows 10へアップグレードした経験がある場合は、古いプロダクトキーを使って新しいハードウェア構成での認証を試みることができます。
Windowsキー + Iを押して「更新とセキュリティ > ライセンス認証」を開き、「プロダクトキーの更新」の下にある「プロダクトキーの変更」を選択します。Windows 7またはWindows 8/8.1のライセンスに関連付けられたプロダクトキーを入力して「次へ」をクリックすれば、Windows 10が認証されるでしょう。
古いプロダクトキーが見つからない場合は、キーを探すためのいくつかの方法をチェックしてみてください。
Windows 10の再インストールは必須ではない!
事前にいくつかの準備を行っておけば、マザーボードをアップグレードした後もWindows 10を再インストールする必要はありません。難しいのは、交換完了後にWindows 10と新しいマザーボードを上手く共存させる部分です。
Windows 10のリテールライセンス保有者であれば、基本的に問題はありません。リテールライセンスは複数回のインストールを想定して設計された製品だからです。
OEMおよびボリュームライセンスの保有者も、再インストールなしでマザーボードの交換に挑戦できます。成功するケースは確かにありますが、常に成功するわけではありません。Windows 10の登場時期を思い出してみてください。Windows 7やWindows 8/8.1からWindows 10へアップグレードしたのであれば、旧OSのプロダクトキーを使った認証を試す価値があります。
クリーンインストールを選択する場合は、Windows 10のインストールUSBメモリの作成方法をあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
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