Androidスマホのroot化は今でも必要?メリット・デメリットを徹底解説
それほど昔ではない頃、多くのAndroid愛好家が新しいスマホを手にしたら真っ先に行っていたのがroot化でした。それは必須の作業だったのです。
バッテリー持ちを改善するにはrootが必要でした。キャリアが勝手に入れる不要なプリインストールアプリ(ブロートウェア)を削除するにもrootが必要で、メーカー製の使いにくいユーザーインターフェースを入れ替えるにもrootが必要だったのです。
しかし、ここ数年のAndroidの大幅な進化と、メーカー純正ROMの洗練により、今でもroot化する必要はあるのでしょうか?
Androidスマホをroot化すべき理由
パフォーマンス向上からセキュリティアップデートまで、Androidのroot化やカスタマイズに価値がある理由は数多くあります。
カスタムROMとOSアップデート
カスタムROMをインストールできることは、今なおAndroidカスタマイズ最大の魅力です。技術的にはroot化は必須ではなく、ブートローダーのアンロックとカスタムリカバリーさえあれば十分ですが、両者はセットで行われることが多いものです。root化していればFlashFireやROM Managerといった書き込みアプリを使えますし、カスタムROM自体が最初からroot権限付きで提供されることも少なくありません。
かつて、熱心なユーザーにとってカスタムROMは、Android OSの不足部分を補い、メーカーの見苦しく肥大化したインターフェースを置き換えるために不可欠なものでした。しかし現在のAndroidは非常に完成度が高く、ほとんどの純正ROMも以前よりずっと快適になっています。
とはいえ、最新版のAndroidを使う手段としては、カスタムROMが依然として最良であり、多くの場合唯一の方法です。スマホメーカーのアップデート対応は遅れることで有名で、改善する気配もありません。Nougat登場から6ヶ月経っても、稼働中のデバイスは5%未満。5台に1台は2013年末のKitKatを使い続けているのです。
さらに悪いことに、こうしたサポート終了デバイスの多くは最新のセキュリティアップデートも受け取れず、攻撃に対して無防備な状態に置かれます。CyanogenModの後継であるLineageOSをはじめとする優れたROMには、ビルドにセキュリティアップデートが含まれている点も見逃せません。
ブロートウェア(不要アプリ)の削除
ユーザーがどれだけ不満を漏らそうとも、メーカーやキャリアは端末に余計なアプリをインストールし続けています。このいわゆる「ブロートウェア」は通常アンインストールできませんが、Androidには現在「無効化」機能があり、これを使えばアプリランチャーから非表示にし、起動も防げます。
ただし、すべてのアプリに無効化オプションがあるわけではありませんし、完全に削除したい場合もあるでしょう。そんなときは、root化した端末にTitanium Backupをインストールすれば解決できます。
そして、脱ブロートの究極のステップといえば、Googleそのものとの決別です。Googleアプリを削除し、Google Play Servicesから切り離すのは大掛かりな作業ですが、自分のデータを誰が閲覧するのかをコントロールしたいなら、検討する価値のある選択肢です。
端末のコントロールを完全に握る
端末を自由にコントロールできることが、root化最大のメリットの一つです。特定のアプリに権限を与えないようにしたり、バックグラウンドで勝手に動いてバッテリーを消耗させたり通信量を食いつぶしたりするアプリの動作を阻止したりできます。
アプリ権限のきめ細かな制御はNougatで標準搭載されました。古いデバイスなら、Xposed Framework上で動作するXPrivacyのようなアプリが必須です。あらゆるアプリの権限を恒久的にも一時的にも許可・拒否できる、非常に強力なツールです。
また、バックグラウンドでのアプリ動作を抑止するにはGreenifyが便利です。タスクキラーよりも優れており、バッテリー持ち、データ消費、全体的なパフォーマンスに顕著な改善をもたらします。
root化すると、数多くのroot専用アプリへの扉が開きます。小規模でニッチなツールもありますが、Android OSにまだ存在しない重要な機能を補完するものもあります。例えば端末全体のバックアップという単純な作業でさえ、依然としてrootアプリが最適な選択なのです。
Xposed Frameworkによる高度なカスタマイズ
Xposed FrameworkはAndroidカスタマイズのための最高のツールです。OSに組み込む小さなモジュールを通じて、通常はアクセスできない設定を変更できるようになります。
Xposedモジュールを使えば、インターフェースの調整、ボタンの割り当て変更、個別アプリの改造など、実現できることは無限大です。おすすめのXposedモジュールをまとめたガイドもあるので、ぜひ参考にしてみてください。
なお執筆時点では、XposedはMarshmallowまでのAndroidバージョンにのみ対応しています。
できるからやる、という楽しみ
最後に正直に認めるべきは、私たちの多くが「できるから」という理由だけでroot化しているという事実です。追加のコントロールが好きなのかもしれませんし、カスタムカーネルを導入してハードウェアの限界に挑みたいのかもしれません。単に何か違うことを試したいだけの人もいるでしょう。もしあなたがそういうタイプで、新しいスマホを開封したら真っ先にブートローダーをアンロックする人なら、次に説明する懸念点はあまり関係ないかもしれません。
Androidスマホをroot化すべきでない理由
好むと好まざるとにかかわらず、root化にはリスクが伴います。root化によって、通常セキュリティ上の理由でブロックされているシステム領域へのアクセスが可能になるため、出来の悪いアプリがスマホを文鎮化(ブリック)させてしまう可能性があります。悪意のあるアプリなら、さらに深刻な被害をもたらしかねません。
カスタムROMやrootアプリ、Xposedモジュールがどれほど優れていても、root化した端末で使う前に、それらが信頼できるものであるかを必ず確認しましょう。
root化は年々難しくなっている
おそらくリスクへの対策として、多くのメーカーやキャリアが端末のロックダウンを強化しています。
米国のキャリアでは、ブートローダーをアンロックできない状態で端末を出荷する傾向があります。Galaxy S7がその典型例です。root化自体は可能でしたが、カスタムROMは利用できませんでした。Galaxy S8でも同じ状況になりそうで、LG G6も同じ方向へ進んでいます。
アプリが動かなくなる問題
同様に、アプリの互換性を失うリスクもあります。AndroidにはSafetyNetという仕組みがあり、デバイスがroot化されているか、ブートローダーがアンロックされているかを判定します。開発者はSafetyNetを利用して、安全でないと判断したデバイスではアプリを動作させないようにできるのです。
多くの銀行アプリや金融系アプリはroot化されたスマホでは動作せず、ポケモンGOやスーパーマリオランも同様です。ブートローダーがアンロックされているとAndroid Payも利用できません。とはいえ、回避策は存在します。Magiskを使えばroot化しながら、SafetyNetから隠蔽することも可能です。
しかし、root化やカスタマイズが難しくなるにつれ、回避策を探す手間が増え、作業全体は複雑化していきます。不便さがメリットを上回る瞬間が訪れるかもしれませんし、文鎮化のリスクも高まります。
保証に関する問題
root化は保証にどのような影響を与えるのでしょうか?結論から言えば、関係のない故障であれば保証に影響しないはずです。USBポートが緩んだ場合、カスタムROMを使っているからといって修理申請を拒否される筋合いではありません。
一方で、ソフトウェア起因の問題は保証対象外です。特定のMODの導入や使用を試みた際にスマホを文鎮化してしまったら、自分で復旧させるしかありません。さらに、MODがハードウェアトラブルを引き起こすケースもあります。カメラを起動するたびに再起動するようになったら、原因はカスタムカーネルかもしれません。
いずれにしても、保証申請の前に純正状態へ戻しておくのが賢明です。ただし、機種によってはブートローダーのアンロック履歴が永久に記録される点には注意が必要です。
root化しなくても、もうAndroidは十分優秀
ここまでメリットとデメリットを見てきましたが、どちらの立場にも説得力のある理由があります。
しかし、root化しない最大の理由は、ひとことで言えば「root化しなくてもAndroidが十分良くなった」ことでしょう。かつてのAndroidは未熟な部分が多く、root化は必需品のように感じられていました。
ところが、この3年ほどでOSはあらゆる面で磨き上げられてきました。Material Designを基盤として再設計されたUIが、2014年のLollipopでAndroidに美しい新たな姿を与えました。2015年のMarshmallowではDozeと呼ばれる電源管理システムが登場し、バッテリー持ちが大幅に改善。2016年のNougatではアプリ権限の細かな制御が可能になり、Android Oではバックグラウンドで動作するアプリへの厳格な制御が導入されます。
root化する最大の理由の多くは、体系的に解決されつつあります。ただし一つだけ例外があります——それはAndroidの遅すぎるアップデート体制です。
root化せずにこれらの新機能を享受するには、Nougat、O以降のアップデートを確実に受け取れるスマホを選ぶ必要があります。そして残念ながら、この問題に対してGoogleが解決策を示せる兆候はまだ見えていません。
あなたは今でもスマホをroot化してカスタムROMを使っていますか?新しいデバイスを買うとき、ブートローダーがアンロック可能かどうかは重視しますか?ぜひコメント欄であなたの考えを聞かせてください。
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