VPNとDNS比較:安全な動画ストリーミングに最適なのはどっち?
近年、世界中のジオブロック(地域制限)されたコンテンツに、どこからでもアクセスできるようにするサービスが急増しています。
当初はVPNが主流でしたが、NetflixやBBC iPlayerなどのサービスによるVPN規制が強化されるにつれ、代わりにスマートDNSプロバイダーを利用するユーザーが増えています。こうしたサービスへのアクセスを強く望む人にとって、どちらにもメリットとデメリットが存在します。
もちろん、DNSサーバーの変更やVPNの利用は、ジオブロック回避以外にも多くの利点をもたらします。しかし、そのような利点を重視しないユーザーも多いのが実情です。
そこで本記事では、「ブロックされたコンテンツへのアクセス」を目的として利用する人の視点から、2つのソリューションに焦点を当てて解説します。それぞれとは何か、どのように機能するのか、そして最も重要なポイントであるオンラインセキュリティへの影響はどうなのか。詳しく見ていきましょう。
VPNとは?
VPN(Virtual Private Network/仮想プライベートネットワーク)を使うと、安全なプライベートネットワークにリモートで接続できます。企業では、社外にいる従業員がデータベースや業務上重要なアプリへアクセスできるようにするために広く活用されています。
VPN(ExpressVPNなど、おすすめVPNランキングに挙げられるプロバイダー)に接続すると、すべてのインターネットトラフィックが新しいネットワークへ向けられ、実質的にそのネットワーク経由でブラウジングを行うことになります。
ジオブロックの回避だけでなく、VPNはオンラインのセキュリティとプライバシーを大幅に向上させます。世界中のあらゆる企業がユーザーのデータや閲覧履歴を収集しようとしているように思える現代において、誰もがVPNを使うべきだと言えるでしょう。
DNSとは?
DNSは「Domain Name System(ドメインネームシステム)」の略で、インターネットの電話帳のような存在です。DNSサーバーは、ウェブドメイン(例:google.com)とサイトの基盤となるIPアドレスを紐付ける役割を担っています。
そのため、ISP(インターネットサービスプロバイダー)のデフォルトDNSから別のDNSプロバイダーへ変更すると、より高速なブラウジング、ペアレンタルコントロール、強化されたセキュリティ技術など、さまざまなメリットが得られます。
通常のDNSと異なり、スマートDNSはユーザーを、制限されたコンテンツの解除を目的として特別に設計されたプロキシサーバーへ誘導します。
VPNはどのように制限コンテンツへのアクセスを実現するのか?
VPNに接続すると、コンピュータはVPNネットワークの物理的な所在地にいるかのように動作します。さらに重要なのは、ウェブサイト側には特定の場所のIPアドレスが表示され、自動的にあなたがその場所にいるものと判断される点です。
たとえば、イギリスに住んでいてアメリカのVPNサーバーに接続すれば、ウェブサイトにはアメリカ版のページが表示されます。
VPNの問題点とは?
ここ数年、ストリーミングサービスを展開するウェブサイトが、VPNユーザーのブロックを開始しました。
その仕組みは驚くほどシンプルです。各社はVPNプロバイダーが使用するIPアドレスのリストを作成し、そこから発信されるトラフィックをすべて遮断します。
もちろん、一部のIPアドレスは常に網の目をすり抜けてしまうため、コンテンツプロバイダーとVPN企業の間では、いたちごっこが続くことになります。
DNSサーバーはどのように制限コンテンツへのアクセスを実現するのか?
ジオブロックされたコンテンツへのアクセス手段としてのVPNの信頼性が低下するにつれ、ユーザーはスマートDNSプロバイダーへと移行しています。
原理はVPNと同じです。自分のコンピュータも訪問先のウェブサイトも、実際の場所とは別の場所にいると思い込まされます。ただし、ユーザーにとっての結果は同じでも、その背後にある仕組みは大きく異なります。
スマートDNSはユーザーの位置情報を受け取り、IPクエリを解決する前に新しい場所へ書き換えます。これは、すべてのトラフィックを専用のプロキシサーバー経由でルーティングすることで実現されます。このサーバーは、アクセスしたいウェブサイトが所在する国に設置されています。
VPNのセキュリティ面での影響
VPNは、覗き見から身を守るための最強の武器です。
VPNを使う最大のメリットは、トラフィックが暗号化されることです。ハッカーにもISPにも、あなたがオンラインで何をしているかは分かりません。トラフィックは安全なトンネルを通ってVPNネットワークへ送られ、公共インターネットに入るまで誰にも見られることはありません。また、HTTPSサイトのみを閲覧していれば、ブラウジングは常に暗号化されていることも覚えておきましょう。
VPNプロバイダーを選ぶ際は、VPNプロトコルにも注意を払う必要があります。ほとんどのプロバイダーはSSL/TLS、PPTP、IPSec、L2TPを提供していますが、特にセキュリティの観点からは、それらがすべて同等というわけではありません。たとえば、PPTPには既知の脆弱性があり、多くの問題はその認証プロセスに起因します。経験則として、SSL系プロトコルを使用すべきです。
最もセキュリティ意識の高いVPNは、匿名化されたトラフィックログさえ記録しません。理論的には、ログがあればVPNプロバイダーはIPアドレスとタイムスタンプを特定の顧客と照合できます。ユーザーが違法コンテンツにアクセスしたり、著作権侵害の動画をダウンロードしたりしたことで、裁判所の召喚状を受け取る事態になれば、企業は保有する情報をあっさり明け渡してしまう可能性もあるのです。
スマートDNSのセキュリティ面での影響
スマートDNSサーバーはセキュリティ対策ではありません。確かに、一部の大手DNSプロバイダーはDNS-over-HTTPSやDNSSECといった技術を導入していますが、位置情報の偽装だけに特化したサービスにそうした機能は搭載されていません。
最も重要なのは、DNSサーバーがデータを暗号化しないという点です。これによりVPNと比べて通信速度が大幅に速くなります(コードカッターの間で人気がある大きな理由です)が、企業、ウェブサイト、ISP、政府、あるいはあなたを監視しようとする第三者からトラフィックを隠すことはできません。結局のところ、すべてのトラフィックはあなたのIPアドレスに紐づけて記録され、適切なツールを持つ者なら誰でも閲覧できてしまうのです。
さらに、中間者攻撃(MITM攻撃)のリスクにもさらされます。MITM攻撃とは、互いに直接通信していると信じている二者間のトラフィックを、攻撃者が傍受・改ざんする攻撃手法です。
DNSサーバーは、ハッカーがMITM攻撃を仕掛けるための主要な経路の一つです。悪徳なスマートDNSプロバイダーが破格の安値でサービスを提供し、全顧客に対してDNSハイジャックを実行することは非常に簡単です。利益追求のためにどこまで堕落しうるかは、今や悪名高い「Hola VPN事件」を見れば一目瞭然でしょう。
スマートDNSプロバイダーに契約する前に、数時間かけて同社のプライバシーポリシーを慎重に確認しましょう。プロバイダーが何を記録しているのか、あなたについて何を把握しているのか、そしてユーザーデータで利益を得ているのかどうかが明らかになるはずです。
まとめ
Orange Is The New Black(オレンジ・イズ・ニュー・ブラック)の最新シーズンをどうしても観たいなら、VPNは避けるべきです。信頼性が低く、コンテンツのアンロックを目的とするならもはや適していません。代わりにスマートDNSサービスを使いましょう。
一方で、ユーザーはVPNサービスも併用すべきです。プライバシーとセキュリティを重視するなら、オンラインで身を守るのにこれ以上の方法はありません。忘れないでください。スマートDNSプロバイダーはセキュリティを高めてくれません。むしろ足を引っ張ることさえあるのです。
あなたはジオブロックされたコンテンツにアクセスするためにVPNとスマートDNSのどちらを使っていますか?なぜその方法を選んだのですか?ぜひコメント欄であなたの考えや意見をお聞かせください。
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