WPA2(Wi-Fi Protected Access 2)とは?WPA・WEPとの違いや暗号化方式を解説
Wi-Fi Protected Access 2(WPA2)は、Wi-Fi無線ネットワークで広く利用されているネットワークセキュリティ技術です。より古く安全性の低いWEPの代替として設計されたWPA技術のアップグレード版にあたります。2006年以降に認証されたすべてのWi-Fi機器で採用されており、データ暗号化についてはIEEE 802.11i技術標準に基づいています。
WPA2を最も強力な暗号化オプションで有効にすると、ネットワークの通信範囲内にいる第三者がトラフィックを目にする可能性はありますが、通信内容は最新の暗号化標準によってスクランブル(暗号化)されるため、読み取られることはありません。
なお、WPA3の認証は2018年に開始されました。WPA3は2004年のWPA2以来となる初めての大幅なWi-Fiセキュリティ強化であり、192ビット相当のセキュリティ層を備え、事前共有キー(PSK)交換をSAE(Simultaneous Authentication of Equals:対等者間同時認証)交換へ置き換える新しい規格です。
WPA2とWPA・WEPの違い
WPA2、WPA、WEPといった似た名称の略語を見ると、どれを選んでもネットワーク保護には同じように思えるかもしれませんが、実際には大きな違いがあります。
最もセキュリティが低いのはWEPです。WEPは有線接続並みのセキュリティを提供することを目的としていましたが、電波でメッセージを送信するため容易に解読されてしまいます。原因は、すべてのデータパケットに同一の暗号化キーが使われる点にあります。盗聴者が十分な量のデータを収集・解析すれば、自動化ツールを使って数分でキーを割り出せてしまいます。WEPの使用は避けるべきです。
WPAはWEPを改良した規格で、TKIPという暗号化方式により暗号化キーをスクランブルし、データ転送中にキーが改ざんされていないかを検証します。一方、WPA2との最大の違いは、WPA2がAES(Advanced Encryption Standard)と呼ばれるより強力な暗号化方式の使用を必須としている点にあり、これによってネットワーク全体のセキュリティが大きく向上します。
WPA2のセキュリティキーにはいくつかの種類があります。WPA2 Pre-Shared Key(PSK)は64桁の16進数キーを使用する方式で、家庭用ネットワークで広く採用されています。多くの家庭用ルーターでは「WPA2-PSK」と「WPA2パーソナル」モードが互換的に表記されていますが、これらは同じ技術を指しています。
無線暗号化におけるAESとTKIPの違い
WPA2でホームネットワークを構築する際、通常は「AES(Advanced Encryption Standard)」と「TKIP(Temporal Key Integrity Protocol)」という2つの暗号化方式のどちらかを選択します。
多くの家庭用ルーターでは、管理者が以下の組み合わせから選べるようになっています。
- WPA + TKIP(WPA-TKIP):WPA2に対応していない古いルーター向けのデフォルト設定です。
- WPA + AES(WPA-AES):AESはWPA2標準の策定完了前に登場しましたが、当時はこのモードに対応したクライアントがほとんど存在しませんでした。
- WPA2 + AES(WPA2-AES):新しいルーターのデフォルト設定であり、すべてのクライアントがAESに対応しているネットワークでの推奨オプションです。
- WPA2 + AES/TKIP(WPA2-AES/TKIP):AES非対応のクライアントが1台でも混在する場合は、ルーター側で両方のモードを有効にする必要があります。WPA2対応クライアントはすべてAESに対応していますが、WPA対応クライアントの大半はAES非対応です。
WPA2の制限事項と注意点
ほとんどのルーターはWPA2に加えて、「Wi-Fi Protected Setup(WPS)」という別機能にも対応しています。WPSは家庭用ネットワークのセキュリティ設定を簡素化することを目的とした機能ですが、実装上の欠陥により有用性が損なわれています。
WPA2のみを有効にしてWPSを無効にしていれば、攻撃者はクライアントが使用するWPA2 PSKを総当たりで特定するしかなく、非常に時間のかかる作業となります。ところが両方の機能が有効になっていると、攻撃者はWPSのPINコードさえ入手すればWPA2キーを暴露できてしまい、はるかに簡単に侵入を許すことになります。このため、セキュリティ専門家はWPSを無効のまま運用することを推奨しています。
また、WPAとWPA2を同時にルーター上で有効にすると、両者が干渉してクライアントの接続不良を引き起こす場合があります。
さらに、WPA2は暗号化・復号処理の負荷増加により、ネットワーク接続のパフォーマンスを多少低下させる可能性があります。ただしその影響は通常ごくわずかであり、WPAやWEP、あるいは暗号化なしで運用した場合のセキュリティリスクと比べれば、無視できるレベルといえます。
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