ショッピングとプライバシー:Amazonはあなたについて何を知っている?
企業がユーザーの個人情報を収集していることは、もはや周知の事実です。行動や習慣を把握するためのデータ収集は「スパイ行為」と呼ばれることもあり、深刻なプライバシー侵害だと指摘する声もあります。しかし、多くの人が実際に懸念しているのは、ごく一部の特定企業だけです。
GoogleはGmailや検索サービスだけでなく、Google HomeやAndroid端末(Googleアシスタント、位置情報サービスなど)を通じて、さまざまな情報を把握しています。MicrosoftはWindows 10における積極的なデータ収集方針によって、その評判を損なってきました。そしてFacebookは、私たち自身が遠慮なくあらゆる情報を共有してしまうため、最も多くのデータを握っているといえます。
では、Amazonについてはどうでしょうか? 地球最大級のインターネット企業であるAmazonを見逃すわけにはいきません。「Amazonはあまりに高潔だからプライバシーを侵害しない」と思っていたら、それは大間違いです。ここでは、Amazonがあなたについて知っていることと、その情報源を詳しく解説します。
Amazonはあなたについて何を知っている?
上のスクリーンショットは筆者のAmazonホームページです。Amazonのおすすめエンジンが、筆者の好みをどう判断しているかがわかります。これらの商品提案や広告はすべて、2010年から続く筆者とAmazonとの個人履歴に基づいています。
Amazonはどこから情報を集めている?
ユーザープロフィール ― 言うまでもありませんが、アカウントプロフィールに入力した情報はすべてAmazonに保存されます。氏名や配送先住所などの個人情報、クレジットカード番号などの支払い方法も含まれます。
閲覧履歴 ― サイトを閲覧して商品を探す間、AmazonはIPアドレス、使用ブラウザ、OS、タイムゾーン、訪問したページ、各ページの滞在時間、クリックした(あるいはしなかった)ボタンなど、あらゆる詳細を記録しています。
検索キーワード ― 商品を検索すると、何を・いつ検索したか、その結果どの商品を閲覧したかまで記録されます。
ほしい物リスト ― ほしい物リストを作成して商品を追加すると、それも記録され、興味関心プロファイルの精度が高められます。ベビーレジストリなど、最近追加された各種レジストリ機能についても同様です。
注文履歴 ― これが最大のポイントです。Amazonはあなたが購入したすべての商品を追跡しています。過去に購入した商品ページを再度開けば、いつ買ったかまで教えてくれます。この情報も興味関心プロファイルの精緻化に活用されます。
レビューと評価 ― 商品を評価・レビューするたびに、その内容がプロファイルの改善に使われます。当然の仕組みですね。商品が好きでも嫌いでも、Amazonはそこからあなたがどんな買い物客なのかを理解できるのです。
キャンペーンやアンケート ― Amazonのコンテストやアンケート調査に参加すると、回答内容が保存され、買い物客としてのあなたに関連付けられます。
モバイルアプリ ― Amazonやその子会社が開発したモバイルアプリを使用している場合、可能な限り位置情報データがAmazonへ送信される点に注意が必要です。
ストリーミングサービス ― Amazon Primeの大きな特典のひとつが、Prime Videoによる高品質な映画・ドラマの視聴と、Prime Musicによる音楽ストリーミングです。もちろん、Amazonは視聴履歴を追跡し、消費者としてのあなたの好みを分析しています。
独自サービス ― このリストに近年加わったのが、無人レジ式の食料品店「Amazon Go」です。
Amazonのガジェットはどうなのか?
2016年12月、米アーカンソー州の殺人事件の捜査当局は、現場にあったAmazon Echoの音声データの提出を求めました。事件に至る経緯の手がかりになる可能性があると考えたからです。しかし、Amazonはこれを拒否しました。
いずれにせよ、この一件は重要な疑問を投げかけます。Echoは音声コマンドに反応する音声認識デバイスであり、音声に応答するには「常時リスニング」状態である必要があります。これは避けようがありません。では、聞き取った音声のうち、どれほどが録音されているのでしょうか?
Amazonによると、Echoは常に直近60秒分の音声のみを保持しており、ウェイクワードを検出すると、その録音済み音声と続く音声コマンドがクラウドへアップロードされるといいます。録音の目的は、Echoの性能向上のためだそうです。
なお、Echoを動かす音声アシスタント「Alexa」は、Fire TVやFire TV Stickにも搭載されています。
したがって、Amazonが常時リスニングデバイスを通じて文字通り「盗聴」していると断定するのは公平とは言えません。Amazonの買い物客に対する他のトラッキングと同様、こうした録音の目的はサービスと製品の改善であり、より良い顧客体験の提供につながっています。
とはいえ、Amazonはあなたがどんなデバイスを、どこで、どのように使っているか、使用中にどんな問題に遭遇したかといった大量のデータを収集しています。Kindleなどのデバイスを使う際には、この点を頭に入れておきましょう。
Amazonのデータ収集を最小限に抑える方法
Amazonのプライバシーへの姿勢がどうしても気に入らないなら、AliExpressなど別のオンラインショップを利用するのが確実です。Amazonに一切のデータを渡さない方法は、それしかありません。
ただし、Amazonでもプライバシー設定を調整し、収集される個人情報の量を制限することは可能です。ただし、一部のサービスはそのデータに依存しているため、設定を変更すると利用できなくなる場合がある点には注意してください。
たとえばワンクリック購入機能は、保存された配送先住所と支払い方法に依存しています。これらをプロフィールから削除すると、ワンクリック購入は使えなくなります。
保存された配送先住所を削除する方法
- 「アドレス帳」の管理画面を開きます。
- 削除したい住所の「削除」をクリックします。
- 確認画面で「はい」を選択します。
- 残りの住所についても同様に繰り返します。
保存された支払い方法を削除する方法
- 「お支払い方法の管理」画面を開きます。
- 削除したい支払い方法の「削除」をクリックします。
- 確認画面で「はい」を選択します。
- 残りの支払い方法についても同様に繰り返します。
商品の閲覧履歴を無効化する方法
- 「閲覧履歴」ページを開きます。
- 右側にある「履歴を管理」をクリックします。
- 「すべての商品を削除」を選択して履歴を一括消去します。
- 次に「閲覧履歴のオン/オフ」を切り替えて、この機能を無効にします。
または、各商品の下にある「削除」をクリックすれば、履歴から個別に除外することもできます。
ほしい物リストを削除する方法
- 「リストの管理」設定画面を開きます。
- 右上の「リスト設定」をクリックします。
- 「削除」列のチェックボックスをすべてオンにします。
- 「送信」をクリックします。
あるいは、各リストを開いて商品を個別に削除し、Amazonが持つ特定の情報だけを取り消すことも可能です。ただし、本格的にプライバシーを守りたいなら、リスト全体を消去するのがおすすめです。
自分が書いたレビューを削除する方法
- 「投稿したレビュー」ページを開きます。
- レビュー評価の下にある「レビューを削除」をクリックします。
- 削除したいレビューすべてについて同じ操作を繰り返します。
パーソナライズ広告を無効化する方法
- Amazonの「広告設定(Advertising Preferences)」ページを開きます。
- 「このインターネットブラウザーではAmazonからのパーソナライズされた広告を表示しない」を選択します。
- 「送信」をクリックします。
- Amazonで買い物に使うすべてのブラウザーで同じ操作を繰り返します。
位置情報トラッキングを無効化する方法
Androidの場合
- 端末の設定を開きます。
- 「個人」カテゴリ内の「位置情報」をタップします。
- スイッチを「オン」から「オフ」に切り替えて、位置情報サービスを無効化します。
Android 6.0 Marshmallow以降では、アプリごとに位置情報の権限をオフにできます。アプリ設定ページの位置情報セクションから、位置情報を知られたくないアプリのスイッチを切り替えてください。
iOSの場合
- 端末の設定を開きます。
- 「プライバシー」をタップします。
- 「位置情報サービス」をタップします。
- アプリごとにスイッチを「オン」から「オフ」に切り替えます。
Amazon Echoの録音データを削除する方法
- 「コンテンツと端末の管理」設定画面を開きます。
- 上部の「デバイス」をクリックします。
- 自分のAmazon Echoを選択します。
- 「音声録音の管理」をクリックします。
- 注意書きを確認し、「削除」をクリックしてすべて消去します。
または、モバイル端末のAlexaアプリから「履歴」設定を開き、一括削除ではなく録音データを1件ずつ削除することも可能です。
インターネット上で完全なプライバシーを保つことは不可能です。特にAmazonのようにデータドリブンなサイトを利用する場合はなおさらです。しかし、上記の設定を見直しておけば、ハッカーによるデータ流出や、Amazonが第三者へデータを販売するといった事態が万一発生した場合のリスクを最小限に抑えられます。
あなたはAmazonをどの程度信頼していますか? オンラインショッピングの利便性のためなら、多少のプライバシーを犠牲にしても構わないと思いますか? ぜひコメント欄で意見を聞かせてください!
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