【要注意】電車内で猛威を振るう「ブルージャッキング」――AirDrop設定の見直しで身を守ろう
朝のバスで会社へ向かう途中、コーヒーを片手に一息ついているとしましょう。いつもなら夜間のニュースをチェックしたり、昨夜のスポーツの結果を確認したりする時間です。
ところが突然、スマートフォンに知らない人の性的な画像が送りつけられたら……。
この現象はブルージャッキング(bluejacking)として知られており、再び猛威を振るい始めています。あなたが利用する公共交通機関でも十分に起こり得る話なのです。
ブルージャッキングは新しい現象ではない
ブルージャッキングは決して最近生まれた現象ではありません。BBCは早くも2003年の時点で、ロンドンをはじめとする主要都市での事例を報じていました。その後、ハフィントンポストの記者がロンドン地下鉄の移動中に100枚を超えるわいせつ画像を受け取ったことで、ブルージャッキングは再び世間の注目を集めることになりました。これは、米国メディアが「ニューヨーク地下鉄でスマートフォンを使った嫌がらせ被害に遭う女性が増えている」と報じたわずか24時間後の出来事でした。
では、なぜブルージャッキングによるわいせつ画像が突然急増したのでしょうか?
AppleのAirDropが悪用された
ロンドン地下鉄やニューヨーク地下鉄での事例では、AppleのBluetooth/Wi-Fiファイル共有機能「AirDrop」が悪用されました。理由はいくつかありますが、特に重要なポイントがあります。
AirDropで画像ファイルを送信すると、その内容が何であれプレビューが表示されるのです。当然、下心のある人々はこれに目をつけ、わいせつ画像を送りつける手軽な手段だと気づきました。受信側が送信リクエストを拒否しても、その過程で不快な画像を目にしてしまう仕組みになっているのです。
場合によっては、被害者自身がAirDropがオンになっていることに気づいていないこともあります。Gail Wattさんはハフィントンポストに対し、ロンドン地下鉄で2回にわたって被害に遭ったものの警察には通報しなかったと語っています。本人が「露出行為と同じだ」と表現するほどの出来事だったにもかかわらず、です。
米国では、ニューヨーク在住のBritta CarlsonさんがMTA(ニューヨーク市交通局)の車内で「iPhone 1がノートを共有したいと思っています」という謎のメッセージを受け取りました。彼女はそれを承認し(この判断については後述します)、瞬く間に他人の性器の「巨大な接写写真」を見せられることになりました。
AirDropとは何か?
AirDropは、BluetoothまたはWi-Fiを利用して、写真・動画・その他のファイルをAppleデバイス間で直接やり取りできる技術です。いわば、標準的なBluetoothの強化版とも言える後継機能で、Apple製品限定で利用できます。利用するには、相手と約9メートル(30フィート)以内の距離にいる必要があります。
デバイス同士はまずBluetoothでお互いを検出し、その後Wi-Fi接続でデータを送信します。より正確には、デバイス間にアドホックなワイヤレス接続を確立するため、通常のWi-Fiネットワークに接続していなくてもAirDropは動作します。
つまり、通勤バスの中でiPhoneのBluetoothをオンにしているだけで、こうした被害に遭う可能性があるということです。
「連絡先のみ」設定を活用しよう
AirDropはデフォルトでオフになっています。一度もオンにしたことがないのであれば、誰かに勝手に画像を送りつけられる心配はありません。
しかし、便利な機能だからこそオンにしている人も多いはず。その場合は、誰からファイルを受け入れるかを管理できます。AirDropには次の3つの設定があります。
- オフ: 誰もAirDrop経由でファイルを送信できません。
- 連絡先のみ: 連絡先リストに登録されている人のみがファイルを送信できます。
- 全員: 近くにいる誰もがファイルを送信できます。
現在の設定を確認するには、iPhoneのホーム画面で画面下端から上にスワイプしてコントロールセンターを開きましょう。そこに現在のAirDropの状態が表示されます。
もちろん、最も確実なのは常にAirDropをオフにしておくことです。使用したい場面があるなら、少なくとも「連絡先のみ」を選択しておきましょう。
ブルージャッキングは当初、悪質なものではなかった
スマートフォンとBluetoothの普及初期には、近くの人へのブルージャッキングは必ずしも悪意ある行為ではありませんでした。初期のブルージャッカーが送れたのは、簡単なテキストメッセージや連絡先カード程度と、ごく限られたコンテンツだけだったのです。
現象が広まるにつれて、スマートフォンのセキュリティ意識も高まりました。長い間、多くの人は特定のデバイスを接続するとき以外はBluetoothをオフにして外出していました。現在も基本は同じですが、ワイヤレスヘッドホンやワイヤレスイヤホンを使う人が大幅に増えたため、ブルージャッカーにとっての「標的」はむしろ増えています。
そして何より、画像プレビューが表示される仕組みの登場により、AirDrop経由のブルージャッキングは悪用者にとって格好の標的となったのです。
どう防ぐ? 遭ってしまったら?
ブルージャッキングを完全に回避する最善策は、一切の公共交通機関を使わないこと。……なんて、もちろん冗談です。
実際の対策は以下の通りです。
第一に、前述の通りAirDropを「連絡先のみ」に設定します。第二に、Bluetoothのデバイス名を「非表示」に変更しましょう。こうすれば、誰かが周囲をスキャンして潜在的な標的を探しても、あなたのデバイスは検出されません。
第三に、被害に遭ったら必ず通報してください。多くの被害者は、時間がない、面倒だといった理由でわいせつなブルージャッキングを通報していません。しかし、同意なくわいせつ画像を送りつける行為は違法です。警察が個別に調査してくれる期待は薄いかもしれません(すべてのデジタル犯罪を追跡するのが難しいことは私たちも理解しています)。それでも、被害件数が数字として記録され、「実際の被害者が存在する重大な犯罪」であるという社会的認識が広がることが極めて重要なのです。
まずはオフにしよう
「気にしすぎだよ」と言うのは簡単です。私は予期せぬわいせつ画像を受け取ったことは一度もありません。妻はかつて受け取ったことがあり、今では笑い話にしていますが、当時は混乱し、とても不快な経験だったそうです。
公共交通機関は日常生活に欠かせませんが、残念ながらリスクも伴います。そうあるべきではないのは明らかですが、移動中はデバイスの設定をしっかりロックしておくのが賢明です。AirDropとBluetoothも例外ではありません。
あなたはブルージャッキングの被害に遭ったことはありますか? 通報しましたか? それとも軽く流しましたか? ぜひコメント欄であなたの考えや経験を教えてください!
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