シャドウウェブとは?ダークウェブのさらに奥に潜む“闇”の正体と真偽を解説
私たちの日常生活におけるインターネットの利用といえば、SNS、文章作成、ネットバンキング、オンラインショッピングといったごく一般的なものがほとんどでしょう。しかし、GoogleやBingで検索し、ChromeやEdgeで閲覧できる範囲だけがインターネットのすべてではありません。その表面下には、普段私たちが目にしないくつもの「層」が存在しており、そのひとつとして囁かれているのが、謎めいた「シャドウウェブ(Shadow Web)」です。
では、シャドウウェブとは一体何なのでしょうか?
シャドウウェブとは何か?
インターネットの階層構造を説明するとき、よく「海」にたとえられます。
海面にあたるのが「サーフェスウェブ(表層ウェブ)」です。ここは、ショッピングや請求書の支払い、YouTubeの視聴など、大多数の人が日常的に使う領域です。その下には「ディープウェブ(深層ウェブ)」が広がり、さらにその下に「ダークウェブ(暗層ウェブ)」があります。ダークウェブは、基本的にディープウェブの一部とされています。
そしてシャドウウェブは、そのダークウェブのさらに先にあるとされる領域です。
シャドウウェブが実際に何なのかについては、さまざまな報告や主張が飛び交っています。有料の壁(ペイウォール)で守られており、ダークウェブ経由でのみアクセスできるという説もあれば(ダークウェブ自体、通常のブラウザではなくTorブラウザが必要です)、シャドウウェブはその上のどの層よりも怪しく、不気味な場所だという噂もあります。
では、シャドウウェブでは何が見つかるのでしょうか? 決してきれいな話ではありません。「アクセスしたことがある」と主張する人々によれば、そこでは見るに耐えない不快なコンテンツが見つかるといいます。ウェブの層が深くなるほど、内容も暗く危険になっていくようです。
とはいえ、どれほど恐ろしく聞こえても、シャドウウェブの存在は実際には証明されていません。ダークウェブを知っている人は一般人口のごく一部にすぎず、仮にシャドウウェブが存在するなら、それにアクセスしたことのある人はさらに少ないはずです。中には「シャドウウェブは単なる噂にすぎず、ダークウェブこそがインターネットの最深部だ」と断言する人さえいます。
また別の説では、シャドウウェブとはダークウェブ内に存在する詐欺サイトにすぎないとも言われています。暗号通貨と引き換えに、さまざまな「部屋」や「レッドルーム」(違法行為が行われるとされる怪しいオンライン空間)へのアクセスを約束するサイトです。さらには、200ドルの料金を支払えばシャドウウェブへのアクセスを提供するという「シャドウウェブ・ポータル」なるものまで存在するとされます。どう考えても胡散臭い話ですね。
要するに現時点では、シャドウウェブが何なのか、そもそも実在するのかどうかさえ、確かなことは分かっていないのです。
マリアナズウェブとは何か?
ダークウェブはインターネットの深さの始まりにすぎず、その先にもいくつもの層が続いていると主張する人もいます。その中でも、インターネットの最も深い既知の層とされるのが「マリアナズウェブ(Mariana's Web)」です。名前は地球の最深部・マリアナ海溝に由来します。シャドウウェブとマリアナズウェブは同じものだという説もあります。
では、マリアナズウェブとは何なのでしょうか? 単にネット上の荒らしがでっち上げた神話だとする人がいる一方で、実在すると主張する人々は、そこにはインターネットの他の場所では決して見つからないコンテンツやサイトが存在すると言います。より陰謀論的な解釈では、バチカンの秘密などを含む政府の極秘文書が隠されている場所だという話まであります。もちろん、これらも証明されていません。
ディープウェブやダークウェブの愛好家たちによれば、マリアナズウェブは事実上アクセス不可能であり、だからこそ非常に捉えどころがないのだそうです。その理由は、マリアナズウェブへのアクセスには複雑なアルゴリズムが必要で、その処理には量子コンピュータが求められるとされているためです。
いわゆるマリアナズウェブをめぐっては数多くの噂が飛び交っており、中には「自我に目覚めた高度なAIシステムが運営している」という思わず笑ってしまうようなものまであります。まるでSF映画の世界ですね。しかし現時点では、マリアナズウェブの存在はあくまで議論のテーマにすぎず、正直なところ、人々の好奇心をかき立てるためのもう一つのダークウェブの怪物(ブギーマン)にすぎないのです。
これらの深層はどのくらい安全なのか?
インターネットのより深い層に足を踏み入れ、どんなコンテンツがあるのか確かめてみたいと思う人もいるかもしれません。しかし、ダークウェブやシャドウウェブはどの程度危険なのでしょうか? 答えは、どの層にアクセスしようとしているかによって大きく変わります。
サーフェスウェブのすぐ下にあるディープウェブの大部分は、完全に安全です。そこにあるのは、銀行のポータルサイトや学術誌など、検索エンジンにインデックスされていないページにすぎません。
しかし、ダークウェブにアクセスする段階になると、閲覧しようとするコンテンツには十分な注意が必要です。何も考えずにリンクをクリックすれば、ハッカーに機密情報へアクセスされるのは容易なことだからです。
実際、フィッシングやスパイウェアなどによって誰かの機密データが盗まれた場合、そのデータをダークウェブで買い手に売るのが常套手段となっています。買い手はあなたの情報を好き勝手に使えるわけで、考えるだけでゾッとしますね。
ただし忘れてはならないのは、ダークウェブそのものは違法ではないという点です。違法行為が行われている場所ではあるものの、知識を持ってリスクを理解した上でアクセスすれば、安全に利用することは可能です。また、ダークウェブへのアクセスには強力な暗号化技術の使用が必要ですが、国や地域によってはその使用自体が違法となる場合もある点には注意しましょう。
シャドウウェブやマリアナズウェブに関しては、そもそも存在自体が議論されている段階のため、安全性を語ることすらできません。ダークウェブに足を踏み入れる前には、常に警戒心を持ち、十分な情報に基づいた判断をすることをおすすめします。表のウェブでも詐欺に遭う人は後を絶たないのですから、ましてや地下の怪しいフォーラムではなおさらです。
インターネットがどこまで深いのか、本当に誰にも分からない
私たち誰もが推測したり調査したりすることはできますが、インターネットが想像を絶するほど巨大である以上、実際に何層の構造を持っているのかを特定するのは困難です。ダークウェブの熱心な愛好家でさえ、その深さを正確には把握していません。それは、恐ろしくもあり、同時に魅力的でもあるのです。
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