広告主からあなたのデータを守る方法|個人情報収集の仕組みと6つの対策
自分のデータが数多くの企業の手に渡ることになぜ問題があるのか、不思議に思ったことはありませんか。有名人でない限り、多くの企業が自分についてさまざまな情報を知っていることがなぜ良くないのか、実感が湧かないという人がほとんどでしょう。
しかし、インターネット上に存在する私たちの個人データの量は、実に恐ろしいものです。しかも、そのデータはネットの中にとどまらず、現実の生活にも影響を及ぼします。では、これはどのような仕組みで機能し、企業はどのようにしてあなたの情報を手に入れるのでしょうか。
広告主はどのようにあなたのデータを取得するのか?
広告主が個人のデータを入手する経路は、オンライン・オフライン問わず数多く存在します。
オンライン
最も一般的なのは、WebサイトのCookie(クッキー)、アカウント作成、会員登録、シングルサインオン(SSO)などを通じたデータ取得です。その他にも、メールマガジンの登録、ウェビナーへの申し込み、プレゼントキャンペーンや無料特典など、いわゆる「リードマグネット」を利用した手法もあります。
こうしてオンラインで収集されるデータは多岐にわたります。氏名、連絡先、住所、クレジットカード情報、さらには各種メタデータまで含まれます。これらを組み合わせることで、社会経済的な地位、信用情報、ライフスタイル、購買習慣などが分析され、一人ひとりの詳細なプロファイルが作られていくのです。
オフライン

かつてはオフライン環境であれば、データ収集を簡単にオプトアウトできました。しかし現在はそう単純ではありません。ウェアラブルデバイスやスマートホーム技術の普及により、重要な機能と引き換えにデータ提供を求められるケースが急増しています。
スマートフォン以外にも、スマートスピーカー、スマートカメラ、スマート体重計、フィットネスウォッチ、VRヘッドセット、ポケットプリンターなど、日常的にデータを収集するデバイスが数多く存在します。
これらのハードウェアから得られるデータは、オンラインのプロフィール情報と組み合わさることで、「消費者としてのあなた」「一人の人間としてのあなた」をより鮮明に描き出すために活用されています。
なぜデータ収集に関心を持つべきなのか
残念ながら、広告主に提供された細かなデータが、必ずしも買い物体験の向上に使われるとは限りません。サービスへのアクセス制限、動的価格設定(同じ商品でも人によって価格が変わる仕組み)、さらには心が弱っているときに疑わしいコンテンツを表示されるなど、悪影響を及ぼす可能性もあります。
現時点では、ほとんどのオンライン広告は無害です。多くの企業は、何を・どこで・いつ商品やサービスを売り込むべきかを知るためにデータを収集しています。自宅に置きたいと思える関連商品の広告を見るのが好きなら、それほど悪い話ではありません。
しかしながら、警戒すべき危険信号は確実に増えています。時間とともに、細粒度の個人データはより悪質な目的に使われるようになってきました。
実際、個人データが「武器化」され、保険料の算定、信用スコアへの影響、社会的ランキングシステムの構築、なりすまし(アイデンティティ窃盗)、嫌がらせ、さらには政治的な過激化などに利用された事例が増加しています。
広告主が持つあなたのデータ量を減らす方法

データがどのような方法で収集されるかにかかわらず、「どれくらいなら許容できるのか」に対する完璧な答えはありません。とはいえ、広告主がどんなデータを収集しているのかを気にかけるのは当然のことです。結局のところ、望む体験のためにはどれくらいのデータを共有してもよいのか、特に無料サービスを利用する際には、自分自身で判断する必要があります。
そのうえで理解しておきたいのは、ネット上に一切データを残さないことはほぼ不可能だという点です。幸い、個人として紐づけられるデータの量を減らすことは可能です。ここからは、広告主に渡るデータを減らすための具体的なヒントを紹介します。
ブラウザ拡張機能を避ける
多くのブラウザは、広告主によるトラッキングを防ぐためのさまざまな仕組みを開発しています。しかし、その制限を回避するような拡張機能をインストールしていれば、せっかくの努力が無駄になってしまいます。さらに、開発者によって継続的にアップデートされていない拡張機能は、デバイスをさまざまなセキュリティリスクにさらすことになります。
メーリングリストを管理する
尋ねられたら誰にでもメールアドレスを教えるのではなく、二度と連絡を受け取りたくない企業には、使い捨て(テンポラリー)メールサービスを活用しましょう。
どうしても必要でなければ、架空のメールアドレスを使うのも一つの手です。さらに良いのは、Gmailのエイリアス機能などの小技を使って、誰があなたのデータを販売しているのかを特定することです。登録時に+CompanyName(+企業名)を付けたアドレスを使ってみましょう。
たとえば、メールアドレスがtest@gmail.comなら、test+CompanyName@gmail.comとして登録します。メールは通常どおり受信でき、どの企業があなたの情報を流用したのかを把握できるようになります。
識別リクエストを拒否する
WebサイトのCookieを拒否する習慣をつけましょう。訪問先のサイトがCookieを必須としている場合は、できる限り代替となるサイトを探すようにしてください。「サイトの体験に必要だ」と主張する企業は多いものの、実際にはそうでないケースがほとんどです。あわせて、モバイル端末のIDFA(Identifier for Advertisers/広告識別子)も無効化しておきましょう。



iPhoneユーザーの場合は、設定 > プライバシー > Apple広告と進み、パーソナライズド広告をオフに切り替えます。



Androidの場合は、設定 > プライバシー > 広告と進み、広告のパーソナライズをオプトアウトをオンにします。
データを分散させる
既存アカウントの整理に加えて、個人のデータをさらに分散させることも検討しましょう。用途ごとに新しいメールアドレスを作成する、セキュリティ性の高いメッセージングアプリを使う、アカウントからこまめにログアウトする、匿名性の高い決済手段を利用する——こうした工夫が有効です。
データブローカーからオプトアウトする
データブローカーとは、オンラインの個人データ取引における「元締め」のような存在です。インターネットの暗部で、彼らはあなたの情報を黙々と売買していますが、当の本人には何も知らされません。各データベースから自分でオプトアウトする方法はいくつもありますが、非常に分かりにくく、時間もかかります。
そこで便利なのが、DeleteMeやRemovalyといったサービスです。年額料金を支払うことで、業界大手のデータブローカーのほとんどからあなたのデータを削除し続けてくれます。
アプリにお金を払う
あまり聞きたくない話かもしれませんが、広告主にデータを渡さず、広告そのものを避ける最も効果的な方法の一つは、シンプルにアプリにお金を払うことです。
ほとんどのテック企業は営利企業であり、慈善団体や非営利団体ではありません。お金を払うつもりがないのであれば、広告との接触やデータの提供という形で「支払う」ことを覚悟しなければなりません。
一方、すでにサブスクリプション料金を払っているのであれば、企業が追加で導入してくる収益化策に対して「ノー」と言う力を持っているはずです。
あなたのデータを欲しがるのは広告主だけではない

多くの企業は「データは処理前に匿名化されている」「グループ化されている」と主張しますが、実際のプライバシー保護の水準はサービス提供者ごとに大きく異なります。
政府の規制は常に技術の一歩後ろを追いかけているため、すべての企業がデータセキュリティに十分な投資をする義務や動機を持っているわけではありません。企業側がどれほど努力しても、セキュリティ侵害(データ漏洩)のリスクを完全に排除できる保証はないのです。
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