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【要注意】Microsoft Edge内蔵VPN「Secure Network」の知られざる欠点

高価なプライバシー保護ツールを無料で使えるのは嬉しいものですが、Microsoft Edgeの無料VPNは宣伝文句ほどのものではありません。有効にすれば安心して保護されている気がしますが、厳密には本物のVPNではなく、保護されていると思った瞬間に実はオフだったということもあり得ます。

Microsoft Edge VPNについて知っておくべきこと

Microsoftは、Edgeブラウザに直接組み込まれた「Edge Secure Network」VPNをひっそりと導入しました。追加のインストールや複雑な設定は一切不要です。一見すると理想的に聞こえますよね?Microsoftによれば、この機能は「VPN技術」を利用して機密情報を第三者の覗き見から守るとのこと。おそらく、Microsoft 365からVPN機能が廃止されたことへの埋め合わせではないかと推測されます。

ここまでは理想的です。VPNが本来果たすべき役割はまさにこれです。トラフィックを暗号化されたトンネル経由で再ルーティングすることで、通信途中の傍受を防ぎます。さらに、閲覧履歴の匿名性を高める効果もあります。

このVPNの仕組みを実現するために、MicrosoftはCloudflareと提携しています。有効にすると、デバイスの識別情報とデータをマスクしながら、最寄りのCloudflareサーバー経由でトラフィックを再ルーティングします。

この機能はデフォルトでは無効になっています。有効化するには、Edgeを開いて右上の三点メニューをクリックし、「設定」を選択します。次に「プライバシー、検索、サービス」→「セキュリティ」へ進み、画面下部の「Microsoft Edge Secure Network を使用する」をオンにします。

【要注意】Microsoft Edge内蔵VPN「Secure Network」の知られざる欠点

しかし、実は本物のVPNではない

MicrosoftはこれをVPNとして謳っていますが、実際には本物のVPNではありません。少なくとも、私たちが一般的に思い浮かべるVPNの姿とは異なります。Cloudflare自身も、これは典型的なVPNではないと認めています。

完全な保護を提供するのではなく、プライバシー保護はEdgeブラウザ内だけに限定されます。Cloudflareは、同社のPrivacy Proxy Platformの中核技術であるHTTP CONNECTを採用しています。

この方式の特徴は、ユーザーのおおよその地理的な場所にあるサーバーを経由するプロキシでトラフィックをマスクする点です。また、Microsoftアカウントでのサインインが必須となっています。Cloudflareは、プライベート接続を確立する前に、Microsoftアカウントに基づいてユーザーを認証します。

プライバシー研究者のSooraj Sathyanarayanan氏は、この仕組みが「二当事者間の信頼モデル」を生み出すと指摘しています。建前上、Microsoftは完全なアカウント識別情報をCloudflareと共有せず、Cloudflareもユーザーのトラフィック内容を見ることができないことになっています。

Edge Secure Networkが本物のVPNと呼べないことは、実はそれほど驚きではありません。そもそも「ブラウザVPN」として位置づけられており、ブラウザ内でしか機能しないからです。

しかし、内蔵VPNを搭載した数あるブラウザの中でも、EdgeのVPNは特に大きな欠点を抱えていると言わざるを得ません。

Edge VPNの主な欠点

多くのVPNとは異なり、Microsoft Edge VPN経由でお気に入りのドラマや映画をストリーミング視聴することはできません。主要な動画配信サービスの大半では、VPNが起動しない仕組みになっています。

さらに、無料のMicrosoftアカウントで利用できるトラフィックは月5GBまで。頻繁に使用すればあっという間に上限に達し、月末まで保護されない状態が続いてしまいます。

もう一つの問題は、接続先の場所を選べないことです。速度を優先する設計のため、トラフィックは自動的に地理的に最も近いデータセンターへ送られます。つまり、Edgeは依然としてユーザーのおおよその位置情報を把握できるのです。VPNを使っているのに「近くのレストラン」を検索して地元の結果が表示されるのは本末転倒です。

私が特に気になるのは、デフォルト設定が「最適化(Optimized)」モードになっている点です。このモードでは、公衆Wi-Fiや安全でないネットワークを検出した場合にのみVPNが自動的に有効になります。サイトのセキュリティ証明書が無効な場合にも起動します。

デフォルト設定のまま使い続けると、接続の安全性の判断をMicrosoftに丸投げすることになります。もし公衆Wi-Fiでネットバンキングや各種支払いをしていても、Microsoftがその接続を正しく危険と判定しなければどうなるでしょう?その場合、あなたのデータはVPNによる追加保護なしで送信されてしまうのです。

この設定は変更可能です。Edgeを開いて「設定」→「プライバシー、検索、サービス」→「セキュリティ」へ進みます。Microsoft Edge Secure Networkが有効になっていれば、「サイトを選択」「最適化」「すべてのサイト」の3つのオプションが表示されます。

【要注意】Microsoft Edge内蔵VPN「Secure Network」の知られざる欠点

「サイトを選択」または「すべてのサイト」の利用をお勧めします。「サイトを選択」を選んだ場合は、「Secure Networkのサイト設定」から対象サイトを個別に指定できます。

ただし、「すべてのサイト」を選ぶと無料データ容量を急速に消費する点には注意が必要です。帯域幅を節約するためには、必要に応じて手動でオン/オフを切り替えるのが賢明です。有効にするとアドレスバーの右側にシールドアイコンが表示されるので、ワンクリックで簡単に切り替えられます。

Microsoft Edge VPNは使う価値があるのか?

Microsoft Edge Secure Network VPNは、Edgeの使用中に確かに追加の保護レイヤーを提供してくれます。完全無料である一方、Microsoftアカウントとの紐付けが必須なため、「匿名のはずのアクティビティ」に個人の身元が結び付くリスクは否定できません。

他の多くの無料ブラウザVPNはアカウント登録なしで利用できます。また、ご存じの通り、ほとんどの無料ブラウザVPNは保護範囲をブラウザトラフィックに限定しています。有料のブラウザVPNなら、より伝統的なVPNレベルの保護が提供されるのが一般的です。

公衆Wi-Fiに接続する際には活用する価値がありますが、機密性の高いデータを送信する際には、必ずVPNが本当に有効になっているかを確認してください。ただし、無料VPNの安全性には元々疑問が多いのも事実です。個人的には、システム全体をカバーする従来型のVPNや、VPNの代替手段を選ぶことをお勧めします。自分の保護状況に自信がない場合は、VPNリークテストを実施して、実際のIPアドレスが漏洩していないかチェックしてみましょう。

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