インターネット
 Computer >> コンピューター >  >> ネットワーキング >> インターネット

Blockstackでデータ主権を取り戻そう――お気に入りアプリのプライベートな分散型バージョン

Blockstackでデータ主権を取り戻そう――お気に入りアプリのプライベートな分散型バージョン

自分のデータが今どこにあるのか、把握していますか?誰がそのデータを読めるのか、どのアプリが利用しているのか――。Googleドキュメント、Evernote、Slack、Dropbox、WeTransferといった従来型のWebアプリを使っている限り、確信を持って答えるのは難しいでしょう。ところが、これらのアプリのBlockstack版を使えば話は別です。データはあなたが望む場所に置かれ、あなた以外の誰に対しても暗号化され、アプリ側には一時的なアクセス権しか与えられません。

Blockstackとは何か?

Blockstackは、開発者がアプリへ分散化技術やブロックチェーン技術を容易に組み込めるようにすると同時に、ユーザーがデータの完全な所有権を持てるようにする分散型ネットワークです。注目すべきは、このブロックチェーンプラットフォーム上に、中央集権型アプリの高機能な代替品がすでに数多く存在しているという点です。もちろん完璧ではなく、一部の高度な機能や外部サービスとの連携には欠けがありますが、オンラインのドキュメント、写真、メモ、チャット、ファイルストレージ、アンケート、さらにはWebホスティングまで、Blockstackアプリへ比較的少ない手間で移行できます。

Blockstackでデータ主権を取り戻そう――お気に入りアプリのプライベートな分散型バージョン

ユーザーの視点で見ると、Blockstackの本体はいわばID(アイデンティティ)マネージャーです。「Facebookでログイン」「Googleでログイン」と同じ要領で、Blockstack向けに構築されたアプリにはBlockstack IDでサインインできます。決定的な違いは、これらのアプリがユーザー情報を自社サーバーに保存せず、ログイン中以外は一切アクセスできないことです。データの保存先は自由に選べます。専用サーバーでも、分散型ファイルストレージシステムでも、自分のパソコンでも構いません。

Blockstackでデータ主権を取り戻そう――お気に入りアプリのプライベートな分散型バージョン

たとえば、Blockstack上のメモアプリを使うと、具体的にはどのように動作するのでしょうか。

  1. Blockstack IDでサインインします。
  2. すべてのデータとアプリ設定は、ストレージとして指定したサーバーに保存され、サーバー管理者にもアプリ開発者にも読めない形で暗号化されます。
  3. メモを作成すると、その内容も同じサーバーに保存されます。入力したテキストはすべてWebブラウザ内でローカル処理・暗号化されたうえでサーバーへ直接送信されるため、開発者が内容を目にすることはありません。
  4. アプリからログアウトすると、アプリはデータへのアクセス権を失います。
  5. 次回ログイン時には、前回作成したデータが自動的に見つかり、必要な情報を「記憶」した状態で復元されます。メモはブラウザによってローカルで復号されるため、そのまま読み書きできます。
Blockstackでデータ主権を取り戻そう――お気に入りアプリのプライベートな分散型バージョン

この仕組みには多くのメリットがあります。ユーザーにとっては、データがプライベートかつ安全で、持ち運び可能になること。開発者にとっては、ユーザー認証やデータ保護、サーバー容量の管理から解放され、ブロックチェーンと直接やり取りしなくてもその恩恵を受けられることです。ハッキング、情報漏洩、プライバシー侵害、巨大企業による独占など、今日の技術業界が抱える主要な課題の多くは、機密データが常時暗号化され、ユーザーが好きな場所へ持ち出せるという前提のもとで、大幅に解消されます。

一方で、留意すべき弱点もあります。最大のものは、ブロックチェーン関連のサービスに共通するリスク、すなわち認証情報を紛失すると壊滅的だという点です。Blockstackおよび関連するDAppsは秘密鍵なしにはアカウントを復号できないため、鍵やシードフレーズを失うと事実上締め出されます。ファイルを自分のPCでホストしていたとしても、鍵がなければ意味不明な文字列の羅列にすぎません。

次に挙げられるのはストレージの問題です。十分な技術力があれば独自のGaiaストレージを任意の場所に構築できますが、そうでなければデフォルトのBlockstackストレージを利用することになります。これはかなり中央集権的です(ただし、暗号化は完全に行われます)。

最後に、機能面での制約です。Blockstackプラットフォームには十分実用レベルのアプリが多数存在しますが、その多くは中央集権型の対応製品と比べるとやや非力です。基本機能の再現度は高いものの、外部アプリとの連携、モバイルアプリ対応、高度な機能の面では見劣りします。動作が不安定なケースもあるため、トラブルシューティングの知識か、ベータ版に付き合う忍耐が必要でしょう。

こうした欠点を踏まえても、Blockstackは現代のアプリ開発において最も興味深く、かつ実際に使えるプロジェクトの一つであり、一度触れてみる価値は十分にあります。オンライン生活のすべてを移行する必要はありません。プラットフォーム上にはすでに多数のアプリが揃っているので、少なくとも一つは気に入るものが見つかるはずです。

チェックしておきたいBlockstackアプリ

Arcane Office / Apps

Blockstackでデータ主権を取り戻そう――お気に入りアプリのプライベートな分散型バージョン

Arcane Officeは、Arcane Docs、Sheets、Photos、Maps、Books、電卓などを含むオフィススイートです。G-SuiteやMicrosoft Officeのほぼ本格的な代替といえます。Arcane Docsの変更履歴やコメント機能など、一部の便利な機能は欠けていますが、無料でプライベート性が高く、現在も活発に開発が続けられています。

Graphite

よりGoogleドキュメントに近い体験を求めるなら、Graphiteがおすすめです。クリーンで高速なBlockstackベースのワープロで、優れた共同編集機能が標準搭載されています。

NoteRiot

NoteRiotはシンプルなメモアプリですが、「機能不足」という意味でのシンプルさではなく、エレガントで実用的な設計によるシンプルさが魅力です。とはいえ、モバイルアプリが登場すればさらに使い勝手が向上するでしょう。

Recall

思い出の写真をGoogleに預けっぱなしにするのが気になる人におすすめなのがRecallです。無料・オープンソース・暗号化対応で、操作も簡単。写真の自動補正こそありませんが、余計なことをされることもありません。

Envelop

クラウドストレージに放置したままのファイルがいくつありますか?そのうち機密性の高いデータを含むものは?Envelopなら、ファイルの保存先を自分で選択し、確実に暗号化した状態で管理できます。ブラウザ拡張機能とモバイルアプリも用意されており、クロスプラットフォーム間の共有もスムーズです。

Trove

Blockstackでデータ主権を取り戻そう――お気に入りアプリのプライベートな分散型バージョン

ブックマークが悪意ある第三者の手に渡ることは、そこまで気にしていないかもしれません。それでも、プライバシー保護の観点を抜きにしても、Troveは優秀なブックマークマネージャーです。筆者も単純に使い心地が良いため、デフォルトアプリとして愛用し始めました。

Mumble

SlackやDiscordの代替を探しているなら、Mumbleを試してみてください。両プラットフォームほどの装飾や豊富な連携機能はありませんが、基本的なチャットやチーム管理には十分に役立ちます。

Runkod

Web開発者向けの印象がありますが、この分散型ホスティングソリューションは、現在Blockstack上で最も注目に値するプロジェクトの一つです。従来のホスティング業者と異なり、Runkodは無料・オープンソースで、Blockstack上に構築されているため、Webサイトのアセットを好きな場所に置けます。

まだ全面移行は急がなくてOK

確かに、Blockstackは魅力的で、眺めているだけでも楽しいクールなアプリがたくさんあります。ただし、歴史がまだ浅く、開発中のアプリの多くは現時点で開発者にとって十分な収益を生んでいないため、大規模チームがフルタイムで開発しているわけではない点には注意が必要です。多くのアプリは快適に動作しますが、一部には「まだベータ版かな」と感じる瞬間があるかもしれません。それでも、分散型アプリに少しでも興味があるなら、Blockstackほど始めやすい入り口はないでしょう。

関連記事:

  • ブロックチェーンがゲームの遊び方を変える
  • 分散型・ブロックチェーンベースのおすすめSNSサイト8選
  • 今まさに実用化されているブロックチェーン技術の興味深い活用例5選

  1. Windows 10 PCでアプリを管理・最適化する方法

    パソコン上で動作するソフトウェアは、大きく分けて「OS(オペレーティングシステム)」と「アプリケーション」の2種類があります。多くのユーザーのPCには、効率性の高いOSとしてMicrosoft Windowsが搭載されていますが、必要なアプリがすべて標準で組み込まれているわけではありません。そのため、目的に応じてサードパーティ製アプリをインストールすることになります。 本記事では、PCにインストール済みのアプリを管理する方法を解説します。アプリ管理には、不要になったアプリのアンインストールや、スタートアップメニューからの除外などが含まれます。これらを実現するために活用したいのが、最適化ツール「

  2. 主要ブラウザでサードパーティCookieを無効にしてプライバシーを守る方法

    国際電気通信連合(ITU)が2015年に行った調査によると、インターネットに接続している人は約32億人と推定されており、これは世界人口の40%に相当します。 1995年当時はわずか1%だったインターネット人口は、2005年に最初の10億人、2010年に20億人、そして2014年に30億人を突破しました。こうした中、大手企業もオンラインでの活動を拡大しており、そこで活用されているのがCookieです。Cookieとは、ユーザーが訪問したウェブサイトに関するデータを収集する小さなプログラムで、多くの場合、企業自身の利益やビジネスの成長のために使われています。 Windows OSで長時間ネットサー