飛行機にモバイルバッテリーは持ち込める?容量の上限と確認方法を解説

スマホの充電切れに備えてモバイルバッテリーがあると便利です。特に、初めて訪れる都市や海外に到着する直前には心強い味方になります。しかし、飛行機にモバイルバッテリーや予備バッテリーを持っていく予定があるなら、事前にスペックを確認しておきましょう。すべてのバッテリーが機内に持ち込めるわけではありません。大容量のモバイルバッテリーや複数の小型バッテリーの持ち込みは、航空機にとってリスクになり得ます。特に、火災が発生しても対処が難しい貨物室に積まれた場合はなおさらです。
Wh(ワット時)やmAh(ミリアンペア時)といった単位についてすでにご存じの方は、記事後半のフローチャートまでスキップしていただいて構いません。
「モバイルバッテリーは飛行機に持ち込めるのか?」という疑問への答えは「はい」です。ただし、いくつかの条件があります。
重要なのは「どこに入れるか」

ルールはシンプルです。モバイルバッテリー、ノートPCのバッテリー、スマホのバッテリーなど、充電式リチウムイオンバッテリーを使用するものは、すべて機内持ち込み手荷物に入れる必要があります。少し不思議に感じるかもしれませんが、発火の恐れがあるものは、監視できる場所に置くほうが安全だからです。客室内でスマホが発火すれば驚きますが、誰も気づけず消火も遅れやすい貨物室で火災が起きた場合を考えれば、はるかにましです。
容量は小さめが基本

バッテリーを機内持ち込みにするのは簡単ですが、「小さな村を丸ごと賄えるほどの」大容量バッテリーを持ち込んでも、保安検査を通過できないかもしれません。ほとんどのモバイルバッテリーは100Wh(ワット時)の制限以内に収まっていますが、念のため確認しておくと安心です。
お使いのモバイルバッテリーを見ると、WhではなくmAhで容量が表記されていることに気づくかもしれません。多くの製品にはWhも併記されていますが、記載がない場合は次の手順で変換できます。
- mAhの数値を確認する(1〜30,000程度であることが多い)
- 電圧を確認する(通常は3.6Vまたは3.7V)
- mAhの数値を1000で割り、Ah(アンペア時)に変換する
- Ahに電圧を掛けるとWhになる
計算式全体は以下の通りです。

たとえば、3.6V定格の20,000mAhモバイルバッテリーの場合は、(20,000 ÷ 1000)× 3.6 = 72Whとなります。
モバイルバッテリーにはさまざまな容量・電圧の製品がありますが、一般的な3.6Vの製品なら約28,000mAhを超えない限り、100Whの制限には達しません。「3.6V」または「3.7V」の表記があり、かつ28,000mAh未満であれば、そのバッテリーは飛行機に持ち込み可能と考えてよいでしょう。
大容量バッテリーでも諦めないで

とはいえ、より大きなモバイルバッテリーをお持ちでも、持ち込める可能性は十分あります。100.1Wh〜160Whのバッテリーは、航空会社の承認を得れば機内に持ち込めます。こうしたバッテリーでの搭乗に関する確立された手順はないため、予約時のオプションとして表示されることは少ないでしょうが、航空会社に電話で問い合わせれば必要な回答が得られます。
参考までに、160Whは3.6V換算でおよそ44,000mAhに相当します。
160Whを超えるバッテリーは危険物貨物の規定に従う必要があるため、トラブルの原因になりかねません。幸い、この制限を超えるモバイルバッテリーを見つけるのはかなり難しく、もし持っていればご自身でも分かるはずです。
フローチャートでサクッと確認
手軽に確認したい方のために、フローチャートをご用意しました。

実際、どのくらい危険なのか?

うっかり規定サイズを超えるバッテリーを機内に持ち込んだり、預け荷物に入れてしまったりしても、即座に大惨事につながるわけではありません。しかし、災害が起こる可能性がゼロではないのも事実です。「飛行機 バッテリー 発火」などで検索すると多くの事例が見つかりますが、いずれも火災は速やかに鎮火されています。
バッテリーが原因と確定している唯一の事故は、2010年にドバイ国際空港で墜落したUPSの貨物機です。リチウム電池の貨物から発生した火災が原因でした。この事故は、乗客によるリチウム電池持ち込み制限が設けられた大きな理由の一つであり、UPSは現在、この種の貨物を特殊なグラスファイバー製容器で輸送しています。
さらに、2014年のMH370便失踪の原因がリチウムイオンバッテリーの貨物だったという(裏付けのない)仮説さえ存在します。一般の乗客が過度に心配する必要はありませんが、自分の乗る飛行機が安全に目的地へ到着できるよう、一人ひとりがルールを守ることが大切です。
最終チェックリスト

飛行中のトラブルを避けるために覚えておくべきことは、以下の2点だけです。
- バッテリー類は必ず機内持ち込みにする
- 100Wh(目安:27,000〜28,000mAh)を超えるバッテリーは、航空会社に事前確認なしで持ち込まない
この2つのポイントを押さえておけば、地上数キロメートルの空を飛ぶ高速の金属の筒の中で、安心して快適なフライトを楽しめるはずです。
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