Raspberry Pi 4をUSBから起動する方法|microSDからSSDブートへの移行ガイド
通常、Raspberry PiはOSが入ったmicroSDカードから起動します。しかし、microSDカードに頼らず、外部SSDドライブから直接Raspberry Pi 4を起動させることができます。この記事では、microSDカードを卒業して、USB接続のSSDからRaspberry Pi 4をブートする方法を詳しく解説します。
なぜmicroSDストレージから卒業すべきなのか
小規模なプロジェクトやシンプルなIoTアプリケーションであれば、microSDカードでも十分に機能します。しかし、Raspberry Pi 4を本格的なコンピュータとして使う場合、microSDカードは最適な選択とは言えません。SSDとmicroSDカードの速度差はもちろんのこと、ファイルシステムへの頻繁な書き込みが必要な用途では、microSDカードがシステム全体のボトルネックになってしまいます。
SDカードもSSDもNANDフラッシュメモリを使用している点は共通していますが、その性質は大きく異なります。microSDカードのNANDフラッシュセルには書き換え可能な回数に上限があり、ファイルシステムへの頻繁な書き込みによって、ストレージが急速に劣化してしまうのです。
一方、最新のSSDは高性能なオンボードプロセッサを搭載し、「ウェアレベリング」と呼ばれる自動均等化処理を行います。これにより、NANDフラッシュモジュールの摩耗が偏ることを防ぎます。さらに、SSDはフラッシュモジュールの数が多いため、書き込みを広範囲に分散できるのも強みです。この結果、頻繁なディスク書き込みによる劣化に対して、microSDカードよりもはるかに高い耐久性を発揮します。
SSDからの起動は簡単ではない
Raspberry Pi 4にはSATAやM.2のコネクタが搭載されていないため、2.5インチSSDやM.2 SSDを接続する手段はUSB 3.0ポートしかありません。また、Pi 4をUSBから起動するにはファームウェアの更新も必要です。デバイスのEEPROMを書き換える作業はリスクを伴うため、処理中に電源が突然切れないよう注意してください。
さらに厄介なことに、すべてのUSB 3.0 to SATA/M.2変換アダプタがPi 4と相性良く動作するわけではありません。Raspberry Pi財団は、あらゆるUSB-SATA SSDエンクロージャでUSBブートが安定して動作するよう取り組んでいますが、この機能が公式のRaspberry Pi OSに完全統合される時期は未定です。それまでの間、SSDからの安定した起動を実現するには、相性の良い外付けUSBエンクロージャを見つけることが鍵となります。
仮にSSDとUSBエンクロージャの組み合わせがうまくいかなくても、Samsung Fitのような高速かつコンパクトなUSB 3.0メモリスティックからの起動であれば、低速なmicroSDカードより確実に快適です。
準備:必要なものを揃える
新しい2.5インチSSDエンクロージャを購入する前に、UASP(USB Attached SCSI Protocol)に対応しているか必ず確認しましょう。この新しいプロトコルは、より高速なSCSIコマンドセットを採用し、Native Command Queuing(NCQ)による並列通信を活かすことで、転送速度を大幅に向上させます。
この作業に必要なものは以下の通りです。
- Raspberry Pi 4本体
- Raspberry Pi OSがインストール済みのmicroSDカード
- USB 3.0エンクロージャ付きSSD(2.5インチUSBドライブケースも必要)
- ファームウェアおよびシステム更新のためのインターネット接続環境
Raspberry Pi 4をUSBから起動する手順
1. microSDカードからPiを起動します。
2. デスクトップが表示されたら、ターミナルを開いて以下のコマンドを入力し、ディストリビューションを最新の状態に更新します。
sudo apt update sudo apt full-upgrade
3. OSの更新が完了したら、最新の安定版ファームウェアを受け取れるようシステムを準備します。そのために、特定のシステム設定ファイルを編集します。
sudo nano /etc/default/rpi-eeprom-update
4. FIRMWARE_RELEASE_STATUSパラメータのデフォルト値は「critical」になっています。最新ファームウェアをインストールするには、これを「stable」に変更します。Ctrl + Oキーで変更を保存し、Ctrl + Xキーでエディタを終了します。
5. 次のコマンドでファームウェアを更新し、新しいブートローダーを有効にします。
sudo rpi-eeprom-update -d -a
6. 更新が正常に完了したら、Raspberry Pi 4を再起動します。
7. ターミナルで以下のコマンドを入力し、更新が成功したかどうかを確認します。
vcgencmd bootloader_version
最新のファームウェア情報が表示されます。USBブート機能が正しく動作するには、2020年6月15日以降のリリースである必要があります。執筆時点での最新安定版ブートローダーは2020年7月16日版でした。
8. 次に、新しいブートデバイスとして使用するSSDへ、microSDカードの内容をクローンします。この作業は、Raspberry Pi OSのGUIにある「アクセサリ」セクション内の「SD Card Copier(SDカードコピー)」アプリを使うのが最も簡単です。
9. Raspberry Pi 4をシャットダウンし、microSDカードを取り外して、USBブートドライブを接続します。
10. 再度Pi 4の電源を入れ、OSがUSBドライブから起動するまでじっくり待ちます。下の画面が表示されれば成功です。USBポート経由で接続した高速ストレージから、Raspberry Pi 4の起動に成功しました!
まとめ
Raspberry Pi 4は、その潜在能力を引き出せば非常に強力なデバイスになります。ストレージをSSDに切り替えるだけで、簡単にパフォーマンスを大幅に向上させられます。WebサーバーやMinecraftサーバーの運用など、より負荷の高い処理にも余裕で対応できるようになるでしょう。microSDカードの寿命を気にするストレスからも解放され、快適なラズパイライフを楽しんでください。
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