Intel Optaneとは?仕組みや特徴、NVMe SSDとの違いを徹底解説

Intelといえば、ここ10年以上にわたってPC市場を牽引してきたCPUメーカーとして広く知られています。しかし、Intelの製品はプロセッサーだけではありません。SATA接続のSSDやNVMe PCIe SSDといった定番のストレージに加えて、「Optane(オプティン)」という比較的新しい技術も手がけています。本記事では、Optaneとは何なのか、そしてどのような仕組みで動作するのかを詳しく解説します。

Intel Optaneとは何か?
Optaneは、一般的なSSDに使われるNANDフラッシュメモリーや、システムメモリーに使われるDRAMチップではなく、「3D XPoint」と呼ばれる独自技術をベースとしたストレージです。当初は低速なHDD(機械式ストレージ)の高速キャッシュとして使われることを目的としていましたが、大容量化が進んだことで、現在ではストレージ本体としても十分に実用的になっています。
Optaneは当初、16GB・32GB・64GBという小容量のM.2(80mm)フォームファクターで登場しましたが、その後のアップデートにより、最大1.5TBのドライブまでラインナップが拡充されています。
また、以前はIntelの新しいプラットフォームでしか利用できませんでしたが、現在ではAMD CPUを含むさまざまなプラットフォームで利用可能です。たとえばThreadripperを搭載したワークステーションのストレージとしても、非常に優れた選択肢となります。
Intel Optaneの仕組み
3D XPointチップを採用するOptaneは、一般的なNVMe SSDとシステムメモリー(RAM)の中間的な性能バランスを実現しています。ご存じの通り、システムメモリーはSSDよりもはるかに高速で応答性が高く、HDDとは比べものにならないほど速い存在です。しかし、システムメモリーは揮発性メモリーであるため、電源が切れると保存されていたデータはすべて失われてしまいます。この高い応答性の代償が「揮発性」であり、そこで重要な役割を担うのがストレージというわけです。
Optaneの3D XPointチップは、まさにRAMとNVMe SSDの中間に位置付けられます。平均的なSSDよりはるかに高い応答性を持ちながらRAMほどではなく、同時に不揮発性であるため、SSDと同じようにデータを保持できます。大量のデータを一括して読み書きするようなシーケンシャル処理ではNVMe SSDが有利ですが、ランダムアクセスを伴う処理においてはOptaneが圧倒的に強いのです。

見落とされがちな指標「IOPS」とは
その理由を理解する鍵となるのが、「IOPS(Input/Output Operations per Second:1秒あたりの入出力操作数)」という、あまり耳にすることのない性能指標です。IOPSはストレージデバイスのランダムアクセス性能を測るもので、日常的なデスクトップ用途におけるシステムの応答性をより正確に反映する指標と言えます。
実例で比較:Samsung 970 Evo vs Optane
具体的な例を見てみましょう。PCIe 3.0世代のNVMe SSDの代表格とも言えるのが、Samsungの「970 Evo」シリーズです。1TBモデルは最大シーケンシャル読み込み約3,400MB/s、シーケンシャル書き込み約2,500MB/sというスペックを誇ります(容量によって多少前後します)。一方、同等クラスのOptaneドライブのシーケンシャル性能は、読み込み約2,600MB/s、書き込み約2,200MB/sにとどまります。

ところが、IOPSで比較すると状況は一変します。970 Evoのランダム書き込みは最大500,000 IOPS、ランダム読み取りは450,000 IOPS(キュー深度32時。キュー深度とはボリュームに対する未処理操作の数で、値が小さいほどIOPSも低下します)。しかしキュー深度1では、それぞれ15,000 IOPSと50,000 IOPS程度まで大きく落ち込みます。
対するOptaneは、キュー深度16の状態でランダム書き込み575,000 IOPS、ランダム読み取り550,000 IOPSを記録します。しかもこれは、従来この種の性能が低めだった小容量ドライブでも同様です。これほど低いキュー深度で970 Evoを上回るOptaneの性能は、まさに驚異的と言えるでしょう。
高性能の代償は「価格」
もちろん、この圧倒的な性能には相応のコストが伴います。Samsungの970 Evo 1TBは販売店にもよりますが約130ドルで購入できるのに対し、同等クラスのOptane「905p」960GBモデルは約1,262ドルから。もう少し手頃な380GB版でも、110mm M.2フォームファクターで約505ドルします。しかもこのサイズは、直近3年以内に製造されたマザーボードでなければ物理的に搭載できない可能性が高い点にも注意が必要です。
Optaneはどんな人におすすめ?
総じて言えば、予算に余裕があるなら、OSをOptaneにインストールする価値は十分にあります。ランダム読み書き性能は本当に驚異的で、システム全体の応答性を劇的に向上させます。一方、予算的に難しい場合は、970 Evoのような高品質なNVMe SSDを選べば、コストパフォーマンスの面で非常に満足度の高い選択となるでしょう。
なお、Intelは2022年にOptane事業の縮小を発表しており、新規開発は事実上終了しています。入手性や価格変動に注意しながら、自分の用途と予算に合ったストレージを選ぶことが大切です。SSDやストレージ選びに興味がある方は、Windows 10でSSDを使う際にやっておくべき設定、Linuxでのファイルシステムの選び方、SSDとSSHD(ハイブリッドドライブ)の違いなど、関連記事もぜひチェックしてみてください。
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