Kotlin入門:lazyとlateinitによるプロパティ初期化の違いと使い方
Kotlinには、プロパティ(変数)の宣言時に利用できる2つの異なる初期化手法が用意されています。それが「lateinit」と「lazy」です。
本記事では、この2つの仕組みの違いと、それぞれをアプリケーションでどのように活用できるのかを詳しく解説します。
lateinitとは
変数を「lateinit」として宣言するには、その変数にキーワード「lateinit」を修飾子として付けるだけです。Kotlinで「lateinit」を使用する際は、以下の条件を満たす必要があります。
ミュータブルな変数(可変変数)にのみ使用できます。つまり、「var」キーワードと組み合わせる必要があります。
NULL非許容型(Non-Nullable型)にのみ使用できます。
IntやBooleanなどのプリミティブ型では使用できません。
カスタムのgetterやsetterを持たないプロパティにのみ使用できます。
なお、初期化前にlateinit変数へアクセスすると「UninitializedPropertyAccessException」がスローされるため、事前に値が代入されているかどうかを確認することが重要です。
コード例
ここでは、変数をlateinitとして宣言し、プログラム内からどのようにアクセスするかを見ていきます。
class Tutorial {
lateinit var name : String
fun checkLateInit(){
// 値が代入済みかどうかをチェック
if(this::name.isInitialized)
println("値はすでに代入されています")
else{
// nameを初期化
name = "www.tutorialspoint.com/"
println(this.name)
}
}
}
fun main() {
var obj = Tutorial()
obj.checkLateInit()
}実行結果
上記のコードを実行すると、次の出力が得られます。
www.tutorialspoint.com/
Lazy初期化とは
効率的なメモリ管理を実現するために、Kotlinには「遅延初期化(Lazy initialization)」という機能が導入されています。lazyを使用すると、オブジェクトは実際に呼び出されたタイミングでのみ生成され、それまではオブジェクトの生成自体が行われません。
lazy()はラムダ式を受け取り、Lazyインスタンスを返す関数です。このインスタンスは、適用された遅延プロパティのデリゲートとして機能します。不要なオブジェクトの初期化を防ぐために設計されています。
NULL非許容型の変数にのみ使用できます。
変数は「val」のみ許可され、「var」は使用できません。
オブジェクトは一度だけ初期化され、以降はキャッシュされた値が返されます。
アプリケーション内で実際に使用されるまで、オブジェクトは初期化されません。
また、lazy()はデフォルトで同期処理(SYNCHRONIZEDモード)によりスレッドセーフに動作する点も覚えておくと良いでしょう。
コード例
次の例では、lazy変数「myName」を宣言しています。この部分のコードは最初の1回だけ実行され、値が初期化されるとアプリケーション全体でその値が記憶されます。lazy初期化によって一度代入された値は、再代入できません。
class Demo {
val myName: String by lazy {
println("Welcome to Lazy declaration")
"www.tutorialspoint.com"
}
}
fun main() {
var obj = Demo()
println(obj.myName)
println("同じオブジェクトへの2回目のアクセス--" + obj.myName)
}実行結果
上記のコードを実行すると、次の出力が得られます。
Welcome to Lazy declaration
www.tutorialspoint.com
同じオブジェクトへの2回目のアクセス--www.tutorialspoint.com
まとめ:lateinitとlazyの使い分け
lateinit:後から必ず初期化する可変(var)プロパティに向いています。依存性注入(DI)フレームワークなどでよく使われます。
lazy:初回アクセス時に自動的に初期化される不変(val)プロパティに向いています。初期化コストが高いオブジェクトの生成を、必要になるまで遅らせたい場合に有効です。
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