2色アルゴリズムで二部グラフを判定するC++プログラム
二部グラフとは、頂点集合を2つのグループに分割し、同一グループ内に辺が存在しないグラフのことです。これは、グラフの頂点を2色で塗り分けられる(隣接する頂点が異なる色になる)ことと同義です。本記事では、バックトラック法に基づく2色アルゴリズムを用いて、与えられたグラフが二部グラフかどうかを判定するC++プログラムを解説します。
アルゴリズムの概要
このアルゴリズムは、頂点を順番に処理し、各頂点に色(1または2)を割り当てていきます。割り当ての際、隣接する頂点と同じ色にならないかをチェックします(isSafe関数)。全頂点に矛盾なく色を割り当てられれば二部グラフ、どこかで矛盾が生じれば二部グラフではありません。
主要な関数と疑似コード
1. isSafe 関数(安全性チェック)
頂点 v に色 c を割り当てた際、隣接頂点と色が衝突しないか確認します。
isSafe(v, graph, color[], c):
for i = 0 to V-1:
if graph[v][i] == true かつ color[i] == c:
return false // 隣接頂点が同色 → 不正
return true // 安全
2. graphColoringUtil 関数(再帰的な色割り当て)
頂点 v から順に色を試行し、解が見つかれば true を返します。
graphColoringUtil(graph, k, color[], v):
if v == V:
return true // 全頂点に割り当て完了
for c = 1 to k: // k=2 の場合、色1と2を試す
if isSafe(v, graph, color, c):
color[v] = c
if graphColoringUtil(graph, k, color, v+1) == true:
return true
color[v] = 0 // バックトラック(色を戻す)
return false
3. graphColoring 関数(エントリーポイント)
色配列を初期化し、再帰関数を呼び出します。
graphColoring(graph, k):
color[0...V-1] = {0}
if graphColoringUtil(graph, k, color, 0) == false:
return false
return true
C++ 実装例
以下はコンパイル・実行可能な完全なコードです。隣接行列でグラフを表現し、2色で塗り分け可能か判定します。
#include <iostream>
#include <vector>
using namespace std;
const int V = 4; // 頂点数
// 頂点 v に色 c を割り当てても安全かチェック
bool isSafe(int v, bool graph[V][V], vector& color, int c) {
for (int i = 0; i < V; i++) {
if (graph[v][i] && color[i] == c)
return false;
}
return true;
}
// 再帰的に色を割り当てる
bool graphColoringUtil(bool graph[V][V], int k, vector& color, int v) {
if (v == V)
return true;
for (int c = 1; c <= k; c++) {
if (isSafe(v, graph, color, c)) {
color[v] = c;
if (graphColoringUtil(graph, k, color, v + 1))
return true;
color[v] = 0; // バックトラック
}
}
return false;
}
// メインの判定関数
bool isBipartite(bool graph[V][V]) {
vector color(V, 0);
if (graphColoringUtil(graph, 2, color, 0) == false) {
return false;
}
// 確認用:割り当てられた色を表示
cout << "割り当てられた色: ";
for (int c : color) cout << c << " ";
cout << endl;
return true;
}
int main() {
// 隣接行列の定義 (例: 4頂点のサイクルグラフ C4 - 二部グラフ)
bool graph[V][V] = {
{0, 1, 0, 1},
{1, 0, 1, 0},
{0, 1, 0, 1},
{1, 0, 1, 0}
};
// 非二部グラフの例 (三角形 C3)
// bool graph[V][V] = {
// {0, 1, 1, 0},
// {1, 0, 1, 0},
// {1, 1, 0, 0},
// {0, 0, 0, 0}
// };
if (isBipartite(graph))
cout << "The graph is Bipartite (二部グラフです)" << endl;
else
cout << "The graph is NOT Bipartite (二部グラフではありません)" << endl;
return 0;
}
実行結果
割り当てられた色: 1 2 1 2
The graph is Bipartite (二部グラフです)
補足と計算量
- 時間計算量: 最悪ケースで O(2^V) ですが、二部グラフ判定であれば BFS/DFS を用いた O(V+E) の線形時間アルゴリズムが一般的です。このバックトラック法は「m色塗り分け問題」の一般解として理解するのに適しています。
- 用途: スケジューリング問題、レジスタ割り当て、地図の彩色など、制約充足問題の基礎となります。
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無向グラフにオイラー閉路が含まれるかどうかを判定するC++プログラム
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C++で有向グラフの強連結成分を検出するプログラムの作成方法
有向グラフにおいて、ある成分内の任意の頂点ペア同士の間に経路が存在するとき、その成分は「強く接続されている(強連結)」といいます。このような成分のことを強連結成分(SCC: Strongly Connected Components)と呼びます。この問題を解くには、まずDFS(深さ優先探索)を使って各頂点の完了時刻(finish time)を求めます。次にグラフを転置し、完了時刻をもとに頂点を降順に並べる(トポロジカルソート)ことで、強連結成分を一つずつ取り出します。これは有名なKosarajuのアルゴリズムに基づいた手法です。入力: グラフの隣接行列001101000001000000010