C++の「3つのルール(Rule of Three)」とは?例外安全なコードを書くための基本を解説
C++の「3つのルール(Rule of Three)」とは
「3つのルール(Rule of Three)」は、例外安全なコードを構築するためのC++の経験則のひとつです。このルールは、例外による不具合を防ぐために、クラスのデフォルトメンバーをどのように扱うべきかを規定しています。
3つのルールは「ビッグスリーの法則(Law of Big Three)」あるいは「The Big Three」としても知られており、次の3つの特殊メンバー関数のうち、いずれか1つでもクラス内で定義する場合は、3つすべてを明示的に定義すべきであると定めています。
- デストラクタ(destructor)
- コピーコンストラクタ(copy constructor)
- コピー代入演算子(copy assignment operator)
なぜ3つすべての定義が必要なのか
これらの3つは、クラスの特殊メンバー関数です。プログラマがいずれも明示的に定義しない場合、コンパイラが暗黙的なバージョンを自動的に生成します。しかし、上記のいずれか1つを明示的に定義した場合、残りの2つの暗黙的なバージョンは不適切な動作をする可能性が高いため、再定義が必要になります。
この問題が発生する理由は、暗黙的に生成されるコンストラクタや代入演算子が、データメンバーをシャローコピー(浅いコピー)するためです。クラスが動的に確保されたリソースを指すポインタを保持している場合には、ディープコピー(深いコピー)が必要となります。
また、デフォルトのデストラクタは不要になったオブジェクトを破棄します。コピーコンストラクタが定義されていない場合、デストラクタは2回実行されます。1回目はコピー先のオブジェクトに対して、2回目はコピー元のオブジェクトに対してです。この二重解放を避けるためにも、明示的な定義が不可欠になります。
問題が発生するコード例
それでは、コピーコンストラクタとコピー代入演算子を定義せず、デストラクタのみが存在する場合の例を見てみましょう。
サンプルコード
#include <stdio.h>
class Numbers{
private:
int num;
int* ptr;
public:
Numbers( int n, int* p ) //コンストラクタ
{
num = n;
ptr = new int[ num ];
}
~Numbers() //デストラクタ
{
delete ptr;
ptr = NULL;
}
};
int main(){
int arr[ 4 ] = { 11, 22, 33, 44 };
Numbers Num1( 4, arr );
// ここで問題が発生する
Numbers Num2( Num1 );
return 0;
}
実行結果
*** Error in `./a.out': double free or corruption (fasttop): 0x0000000001f46c20 ***
Aborted
エラーが発生する原因
このエラーは、プログラムがスコープを抜ける際にデストラクタが2回呼び出されるために発生します。まずNum1に対して削除処理が行われ、次にNum2に対して行われます。デフォルトのコピーコンストラクタはポインタptrのコピーを作成しますが、そのコピー先のために新たなメモリを確保しません。そのため、Num1が削除された後も同じメモリ領域を指すptrが残ってしまい、プログラムがクラッシュします。
まとめ
動的に確保したリソースを管理するクラスでは、デストラクタ、コピーコンストラクタ、コピー代入演算子の3つをセットで明示的に定義することが、例外安全で堅牢なコードを書くための重要な原則となります。このルールを守ることで、二重解放やメモリリークといった深刻なバグを未然に防ぐことができます。
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