C++で解く対角トラバースII:リストのリストを対角順に出力する方法
問題の概要
「リストのリスト」である nums が与えられたとき、そのすべての要素を対角順(ダイアゴナルオーダー)に並べて出力するのがこの問題の目的です。
たとえば、次のような行ごとに長さの異なる配列(ジャグ配列)が入力として与えられた場合を考えてみましょう。

このとき、期待される出力は次のとおりです。
[1, 6, 2, 8, 7, 3, 9, 4, 12, 10, 5, 13, 11, 14, 15, 16]
解法のアプローチ
この問題は、各要素を「値と座標のセット」として一旦記録し、対角線ごとの順序になるようにソートし直すことで解けます。具体的な手順は以下の通りです。
結果を格納するための配列
retを定義します。一時的な2次元配列
vを定義します。すべての要素
nums[i][j]について、値と座標をまとめた{ nums[i][j], i, j }をvの末尾に追加します。配列
vをソートします。基準は「対角線の番号(i + j)が小さい順」。同じ対角線上に属する要素同士は、行番号iが大きい方(より下側の要素)を先に並べます。ソート後の
vの各要素について、先頭の値it[0](元の要素の値)を順にretへ追加します。最後に
retを返します。
なぜこのソート条件で正しい順序になるのか?
対角トラバースでは、i + j が等しい要素(同じ対角線上の要素)をまとめて処理し、対角線どうしは左上から右下へ向かって進みます。さらに、同一の対角線内では左下から右上の順に要素を訪れるため、行番号 i が大きい要素が先に来ます。比較関数 cmp は、まさにこのルールを実装したものです。
C++での実装例
理解を深めるために、実際のコードを見てみましょう。
#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
void print_vector(vector<int> v){
cout << "[";
for(int i = 0; i<v.size(); i++){
cout << v[i] << ", ";
}
cout << "]"<<endl;
}
class Solution {
public:
static bool cmp(vector <int>& a, vector <int>& b ){
int sum1 = a[1] + a[2];
int sum2 = b[1] + b[2];
return sum1 == sum2 ? a[1] > b[1] : sum1 < sum2;
}
vector<int> findDiagonalOrder(vector& nums) {
vector<int> ret;
vector<vector<int> > v;
for (int i = 0; i < nums.size(); i++) {
for (int j = 0; j < nums[i].size(); j++) {
v.push_back({ nums[i][j], i, j });
}
}
sort(v.begin(), v.end(), cmp);
for (auto& it : v)
ret.push_back(it[0]);
return ret;
}
};
main(){
Solution ob;
vector<vector<int>> v = {{1,2,3,4,5},{6,7},{8},{9,10,11},{12,13,14,15,16}};
print_vector(ob.findDiagonalOrder(v));
}
実行結果
入力
{{1,2,3,4,5},{6,7},{8},{9,10,11},{12,13,14,15,16}}
出力
[1, 6, 2, 8, 7, 3, 9, 4, 12, 10, 5, 13, 11, 14, 15, 16]
計算量の目安
全要素数を N とおくと、全要素を v に登録する処理に O(N)、ソートに O(N log N) の時間がかかります。したがって、全体の時間計算量は O(N log N) であり、補助的に O(N) のメモリが必要です。要素数が多い場合でも効率的に動作する、シンプルで実用的な解法といえます。
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