C++で解くAndroidパターンロック:解除パターンの総数を求めるアルゴリズム
問題概要
Androidスマートフォンでおなじみの3×3パターンロック画面を考えてみましょう。ここで、2つの整数 m と n(1 ≤ m ≤ n ≤ 9)が与えられます。このとき、m個以上n個以下のキーを使って描けるロック解除パターンの総数を求めるのが本記事の目的です。
パターンのルール
- 各パターンは、少なくともm個、最大でもn個のキーを結ぶ必要があります。
- 同じキーを複数回使うことはできません(すべてのキーは一意)。
- パターン内で連続する2つのキーを結ぶ直線が別のキーの上を通る場合、その通過されるキーはすでに選択済みでなければなりません。
- 未選択のキーをまたいで「ジャンプ」することは禁止されています。
- キーを選ぶ順序も意味を持つため、順序が異なれば別のパターンとして数えます。
たとえば、入力が m = 1、n = 1 の場合、出力は 9 になります。これは、どの1つのキー単体でもパターンとして成立するためです。
解き方のアプローチ
この問題は深さ優先探索(DFS)とバックトラッキングを組み合わせると効率的に解けます。ポイントとなるのは、あるキーから別のキーへ移動するときに「間に存在するキー」を記録しておくスキップテーブルです。
アルゴリズムの手順
- 10×10のサイズの配列
skipを定義し、すべて0で初期化します。 - 間に他のキーを挟むペアについて、その「間のキー」を設定します。
skip[1][3] = skip[3][1] = 2(1と3の間は2)skip[1][7] = skip[7][1] = 4(1と7の間は4)skip[3][9] = skip[9][3] = 6(3と9の間は6)skip[7][9] = skip[9][7] = 8(7と9の間は8)- 対角線や中央を通る組み合わせ(1-9、3-7、2-8、4-6)は、すべて5を設定します。
- DFS関数
dfs(node, len, visited)を定義します。
DFS関数の動作
lenが0になったら、1つのパターンが完成したので1を返します。visited[node]を true にします。- i を1から9までループし、「i が未訪問」かつ「node と i の間にスキップすべきキーがない、またはそのキーがすでに訪問済み」の場合に
dfs(i, len - 1, visited)を再帰呼び出しして結果を加算します。 - バックトラッキングのため、探索後に
visited[node]を false に戻します。 - 結果
retを返します。
対称性による最適化
メイン処理では、パターンの長さを m から n まで変えながらDFSを実行します。ここで重要になるのが盤面の対称性の活用です。
- 四隅のキー(1、3、7、9)は回転・反転によって互いに等価 →
dfs(1, ...)の結果を4倍して加算 - 辺の中点のキー(2、4、6、8)も互いに等価 →
dfs(2, ...)の結果を4倍して加算 - 中央のキー(5)は唯一の存在 → 結果をそのまま加算
この工夫により、全9キーを個別に起点として探索する必要がなくなり、計算量を大幅に削減できます。
C++での実装例
それでは、実際のコードを見て理解を深めましょう。
#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
class Solution {
public:
int skip[10][10];
int dfs(int node, int len, vector<bool>& visited){
if (len == 0)
return 1;
visited[node] = true;
int ret = 0;
for (int i = 1; i <= 9; i++) {
if (!visited[i] && (skip[node][i] == 0 || visited[skip[node][i]])) {
ret += dfs(i, len - 1, visited);
}
}
visited[node] = false;
return ret;
}
int numberOfPatterns(int m, int n){
memset(skip, 0, sizeof(skip));
skip[1][3] = skip[3][1] = 2;
skip[1][7] = skip[7][1] = 4;
skip[3][9] = skip[9][3] = 6;
skip[7][9] = skip[9][7] = 8;
skip[4][6] = skip[6][4] = skip[2][8] = skip[8][2] = skip[3][7] = skip[7][3] = skip[1][9] = skip[9][1] = 5;
vector<bool> visited(10);
int ret = 0;
for (int i = m; i <= n; i++) {
ret += (dfs(1, i - 1, visited) * 4);
ret += (dfs(2, i - 1, visited) * 4);
ret += dfs(5, i - 1, visited);
}
return ret;
}
};
main(){
Solution ob;
cout << (ob.numberOfPatterns(1,1));
}
実行結果
入力
1, 1
出力
9
まとめ
Androidのパターンロックのような制約付き組み合わせ問題には、DFSとバックトラッキングの組み合わせが非常に有効です。さらに、盤面の対称性を利用して探索の起点を絞り込むことで、高速に答えを求められます。この手法は、ナイトツアーやNクイーン問題など、他のグリッド系パズルにも応用できる汎用的な考え方なので、ぜひマスターしておきましょう。
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