【C++】バイナリ行列をすべて0に変換するための最小操作回数を求めるプログラム
問題概要
0と1のみから構成されるバイナリ行列が与えられます。使用できる操作は「任意の1つのセルを選び、そのセル自身と上下左右の隣接するセル(存在する場合のみ)をすべて反転(0→1、1→0)する」というものです。この操作を繰り返して行列の全要素を0にするために必要な最小操作回数を求めてください。どのように操作してもすべて0にできない場合は -1 を返します。
入力例
{{0, 0}, {1, 0}}これは次のような2×2の行列です。
| 0 | 0 |
| 1 | 0 |
出力
3
この場合、必要な操作回数は3回となります。
解法のアプローチ
この問題は、行列の状態をビットマスク(整数)として表現し、幅優先探索(BFS)で最短操作回数を求めることで解けます。行列の各状態は最大 r×c ビットの整数で表せるため、到達しうる状態数は高々 2^(r×c) 個です。本実装では最大9ビット(3×3行列まで)を想定しています。
アルゴリズムの手順
- 方向配列 dir(4×2)を {{1,0}, {0,1}, {-1,0}, {0,-1}} として定義します(下・右・上・左)。
- getPos(i, j): セル(i, j)の2次元座標を1次元のビット位置「i * c + j」に変換して返します。
- getCoord(x): 1次元のビット位置 x を(row, col)のペアに復元します。
- メインの solve() 関数では以下を実行します。
- mask := 0 とし、r := 行数、c := 列数、last := r * c を設定します。
- すべてのセルを走査し、「mask ^= (matrix[i][j] << getPos(i, j))」により初期状態をビットマスクへエンコードします。
- サイズ512(= 2^9)の dist 配列を -1 で初期化します。-1 は「未訪問」を意味します。
- キュー q に初期マスクを push し、dist[mask] := 0 とします。
- キューが空になるまで以下を繰り返します(BFS)。
- キューの先頭から mask を取り出します。
- 各セル i(0 ≤ i < last)について、そのセルと隣接セルを反転した新しいマスク nmask を計算します。範囲外の隣接セルはスキップします。
- nmask が未訪問(dist[nmask] == -1)、または既知の距離より短い場合は、dist[nmask] := dist[mask] + 1 と更新し、nmask をキューに追加します。
- 最後に dist[0](全セルが0の状態)を返します。到達不可能な場合は -1 のまま返ります。
C++実装例
#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
int dir[4][2] = {{1, 0}, {0, 1}, {-1, 0}, {0, -1}};
int c;
int r;
int last;
const int inf = 1e6;
int getPos(int i, int j){
return i * c + j;
}
pair<int, int> getCoord(int x){
pair<int, int> ret;
ret.first = x / c;
ret.second = x % c;
return ret;
}
int solve(vector<vector<int>>& matrix) {
int mask = 0;
r = matrix.size();
c = r ? matrix[0].size() : 0;
last = r * c;
for(int i = 0; i < r; i++){
for(int j = 0; j < c; j++){
mask ^= (matrix[i][j] << getPos(i, j));
}
}
vector<int> dist(1 << 9, -1);
queue<int> q;
q.push(mask);
dist[mask] = 0;
while(!q.empty()){
mask = q.front();
q.pop();
for(int i = 0; i < last; i++){
pair<int, int> coord = getCoord(i);
int x = coord.first;
int y = coord.second;
int nmask = mask;
nmask ^= (1 << i);
for(int k = 0; k < 4; k++){
int nx = x + dir[k][0];
int ny = y + dir[k][1];
if(nx < 0 || nx >= r || ny < 0 || ny >= c)
continue;
int pos = getPos(nx, ny);
nmask ^= (1 << pos);
}
if(dist[nmask] == -1 || dist[nmask] > dist[mask] + 1){
dist[nmask] = dist[mask] + 1;
q.push(nmask);
}
}
}
return dist[0];
}
int main(){
vector<vector<int>> v = {{0, 0},{1, 0}};
cout << solve(v);
}入力
{{0, 0},{1, 0}}出力
3
計算量とポイント
状態数は最大 2^9 = 512、各状態からの遷移は最大 last(≤9)通りであるため、計算量は O(2^(r×c) × r × c) 程度に収まり、小さな行列であれば十分高速に動作します。各操作は可逆であるため、BFSを採用することですべて0に至る最短手順が保証されます。また、dist[0] が -1 のままの場合は、その行列がどのような操作でもすべて0にできないことを示します。
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