JavaScriptで相対的な順序に基づいて配列をソートする方法
この記事では、JavaScriptを使って「相対的な並べ替え(Relative Sort)」を実装する方法を解説します。
問題の概要
2つの配列、たとえば arr1 と arr2 があるとします。arr2 の要素はすべて重複がなく、かつ arr2 のすべての要素は arr1 にも含まれています。
ここで求められるのは、次のような処理を行うJavaScript関数の実装です。
arr1の要素を、arr2における要素の相対的な順序と同じ順序になるようにソートする。arr2に存在しない要素は、arr1の末尾に昇順で配置する。
入力例
const arr1 = [2,3,1,3,2,4,6,7,9,2,19]; const arr2 = [2,1,4,3,9,6];
期待される出力
const output = [2,2,2,1,4,3,3,9,6,7,19];
出力を見ると、arr2 の順序(2 → 1 → 4 → 3 → 9 → 6)に従って arr1 の該当要素が並び、arr2 に含まれない 7 と 19 は末尾に昇順で配置されていることがわかります。
実装コード
この問題は、Mapオブジェクトを活用することで効率的に解決できます。まず arr2 の各要素とそのインデックスをMapに登録し、その情報をもとにカスタム比較関数で arr1 をソートします。
const arr1 = [2,3,1,3,2,4,6,7,9,2,19];
const arr2 = [2,1,4,3,9,6];
const relativeSortArray = (arr1, arr2) => {
const map = new Map();
const len = arr2.length;
// arr2の各要素とそのインデックスをMapに登録
arr2.forEach((a, i) => {
map.set(a, i);
});
return arr1.sort((a, b) => {
// arr2に含まれる要素はそのインデックスを優先度として使う
// 含まれない要素は len + a として大きい値を与え、末尾に回す
a = map.has(a) ? map.get(a) : len + a;
b = map.has(b) ? map.get(b) : len + b;
return a - b;
});
};
console.log(relativeSortArray(arr1, arr2));コードの解説
このアルゴリズムのポイントは以下の通りです。
- Mapによる順序の記録:
arr2の各要素をキーとして、その出現位置(インデックス)をMapに保存します。これにより、各要素の「優先度」をO(1)で参照できるようになります。 - カスタム比較関数:
sort()の比較関数内で、両方の要素がarr2に含まれる場合はMapから取得したインデックス同士を比較します。これにより、arr2の相対的な順序が保たれます。 - 未登録要素の処理:
arr2に存在しない要素にはlen + a(lenはarr2の長さ)という値を与えます。これは必ずarr2のどのインデックスよりも大きいため、自動的に末尾へ回されます。また、元の数値自体が比較に使われるため、同じく未登録の要素同士は昇順に並びます。
実行結果
コンソールの出力は以下のようになります。
[ 2, 2, 2, 1, 4, 3, 3, 9, 6, 7, 19 ]
計算量について
Mapへの登録にO(M)(Mは arr2 の長さ)、ソートにO(N log N)(Nは arr1 の長さ)かかるため、全体の時間計算量は O(N log N) です。空間計算量はMapの分だけ余分に必要となり、O(M) となります。
まとめ
Mapを使って要素の順序情報を管理し、Array.prototype.sort() のカスタム比較関数と組み合わせることで、相対的な並べ替えを簡潔かつ効率的に実装できます。arr2 に含まれない要素の扱い(len + a という工夫)もポイントです。同様のパターンは、他のカスタムソートの課題にも応用できます。
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