JavaScriptでオブジェクトの数値を指定範囲に正規化する方法
はじめに
データの前処理や可視化を行う際、オブジェクト内の数値を特定の範囲(レンジ)に合わせてスケーリングしたいケースはよくあります。本記事では、オブジェクトの値を指定した範囲に正規化するJavaScript関数の実装方法を解説します。
問題の定義
まず、文字列キーと数値がマッピングされた次のようなオブジェクトを考えてみましょう。
const obj = {
num1: 45,
num2: 78,
num3: 234,
num4: 3,
num5: 79,
num6: 23
};ここで求められているのは、このようなオブジェクトを第一引数として受け取り、厳密に2つの数値からなる配列を第二引数として受け取るJavaScript関数を作成することです。
第二引数は正規化先の範囲を表します。
[a, b] (b >= a)
つまり、オブジェクトの値をこの範囲に従って正規化します。具体的には、以下のルールが適用されます。
- オブジェクト内の最大値は
b(範囲の上限)になる - オブジェクト内の最小値は
a(範囲の下限)になる - それ以外の値は、元の値同士の比率を保ったまま範囲内に比例配分される
実装コード
以下が実際のコード例です。
const obj = {
num1: 45,
num2: 78,
num3: 234,
num4: 3,
num5: 79,
num6: 23
};
const range = [10, 15];
const normaliseObject = (obj, range) => {
const values = Object.values(obj);
const min = Math.min.apply(Math, values);
const max = Math.max.apply(Math, values);
const variation = (range[1] - range[0]) / (max - min);
Object.keys(obj).forEach(el => {
const val = (range[0] + ((obj[el] - min) * variation)).toFixed(2);
obj[el] = +val;
});
};
normaliseObject(obj, range);
console.log(obj);コードの仕組み
処理の流れを順番に見ていきましょう。
Object.values()ですべての値を配列として取得し、Math.min.apply()とMath.max.apply()で最小値・最大値を求めます。- 変換係数
variationを「(範囲の幅) ÷ (元データの幅)」として計算します。これにより、元データのスケールをターゲット範囲のスケールへ縮小・拡大できます。 - 各値に対して「
range[0] + (値 − 最小値) × variation」という線形変換を適用し、toFixed(2)で小数第2位に丸めた後、単項プラス演算子+で再び数値型に戻しています。
出力結果
コンソールには以下の出力が表示されます。
{
num1: 10.91,
num2: 11.62,
num3: 15,
num4: 10,
num5: 11.65,
num6: 10.43
}ご覧のとおり、元の最小値である num4: 3 が範囲の下限 10 に、元の最大値である num3: 234 が範囲の上限 15 に変換され、その他の値もそれぞれの比率を保ったまま範囲内に調整されていることが確認できます。
まとめ
この手法は線形正規化(Min-Maxスケーリング)として知られる基本的なデータ変換テクニックであり、チャート描画や機械学習の前処理など、さまざまな場面で活用できます。Math.min.apply(Math, ...) の部分は、よりモダンな書き方では Math.min(...values)(スプレッド構文)に置き換えることも可能です。
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