JavaScriptでAVL木(AVLツリー)にノードを挿入する方法
AVL木へのノード挿入の基本
AVL木へのノード挿入は、通常の二分探索木(BST)とほぼ同じ手順で行います。ただし、AVL木では挿入処理の中で木を下っていくたびに、「バランス調整(balance)」という追加のステップを実行する必要があります。
バランス調整にはバランスファクター(平衡係数)の計算が必要です。これは以前の記事で解説した通り、左部分木と右部分木の高さの差から求められます。計算結果に応じて、適切な回転操作(LL回転・LR回転・RR回転・RL回転)を呼び出すことで、木の平衡状態を保ちます。どの回転を選択すべきかは、条件分岐の構成を見れば直感的に理解できるでしょう。
insertメソッドの実装
それでは、クラスメソッドとしてinsertを実装し、再帰呼び出しのためのヘルパー関数も併せて作成しましょう。
insert(data) {
let node = new this.Node(data);
// 木が空かどうかをチェック
if (this.root === null) {
// 最初の要素として挿入
this.root = node;
} else {
insertHelper(this, this.root, node);
}
}
ヘルパー関数
function insertHelper(self, root, node) {
if (root === null) {
root = node;
} else if (node.data < root.data) {
// 左へ進む!
root.left = insertHelper(self, root.left, node);
// バランスファクターを確認し、適切な回転を実行
if (root.left !== null && self.getBalanceFactor(root) > 1) {
if (node.data > root.left.data) {
root = rotationLL(root);
} else {
root = rotationLR(root);
}
}
} else if (node.data > root.data) {
// 右へ進む!
root.right = insertHelper(self, root.right, node);
// バランスファクターを確認し、適切な回転を実行
if (root.right !== null && self.getBalanceFactor(root) < -1) {
if (node.data > root.right.data) {
root = rotationRR(root);
} else {
root = rotationRL(root);
}
}
}
return root;
}
この実装のポイントは以下の通りです。
- 左側への挿入後:バランスファクターが1より大きくなった場合、挿入されたノードの位置に応じてLL回転またはLR回転を選択します。
- 右側への挿入後:バランスファクターが-1より小さくなった場合、RR回転またはRL回転を選択します。
- 各再帰呼び出しの戻り値を親ノードの子ポインタに代入することで、回転によって部分木の根が変わっても、木全体の構造が正しく維持されます。
動作確認
実際にコードを動かして、挿入処理を確認してみましょう。
let AVL = new AVLTree();
AVL.insert(10);
AVL.insert(15);
AVL.insert(5);
AVL.insert(50);
AVL.insert(3);
AVL.insert(7);
AVL.insert(12);
AVL.inOrder();
出力結果
このコードを実行すると、次のような出力が得られます。
3 5 7 10 12 15 50
中間順走査(in-order traversal)の結果が昇順に並んでいることから、すべてのノードが正しく挿入され、木全体の平衡が保たれていることが確認できます。
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