Pythonで行列を操作する方法|NumPyを使った基本演算まとめ
Pythonでは、NumPyモジュールを利用することで、行列に対するさまざまな操作や演算を簡単に実行できます。NumPyは数値計算用の強力なライブラリであり、行列演算のための便利なメソッドが多数用意されています。
主な行列演算メソッド一覧
add() — 2つの行列の対応する要素同士を加算します。
subtract() — 2つの行列の対応する要素同士を減算します。
divide() — 2つの行列の対応する要素同士を除算します。
multiply() — 2つの行列の対応する要素同士を乗算します(要素ごとの積)。
dot() — 行列の掛け算(内積)を実行します。要素ごとの乗算ではなく、数学的な行列積を計算します。
sqrt() — 行列の各要素の平方根を求めます。
sum(x, axis) — 行列内のすべての要素を合計します。第2引数は省略可能で、axis=0 を指定すると列ごとの合計、axis=1 を指定すると行ごとの合計を計算できます。
"T" — 指定した行列の転置行列を求めます。
サンプルコード
import numpy
# 2つの行列を値で初期化
x = numpy.array([[1, 2], [4, 5]])
y = numpy.array([[7, 8], [9, 10]])
# add() で行列の加算
print("2つの行列の加算:")
print(numpy.add(x, y))
# subtract() で行列の減算
print("2つの行列の減算:")
print(numpy.subtract(x, y))
# divide() で行列の除算
print("行列の除算:")
print(numpy.divide(x, y))
# multiply() で要素ごとの乗算
print("2つの行列の乗算(要素ごと):")
print(numpy.multiply(x, y))
# dot() で行列積
print("2つの行列の積(行列積):")
print(numpy.dot(x, y))
# sqrt() で各要素の平方根
print("平方根:")
print(numpy.sqrt(x))
# sum() ですべての要素の合計
print("全要素の合計:")
print(numpy.sum(y))
# 列ごとの合計
print("列ごとの合計:")
print(numpy.sum(y, axis=0))
# 行ごとの合計
print("行ごとの合計:")
print(numpy.sum(y, axis=1))
# "T" で転置行列を取得
print("行列の転置:")
print(x.T)
実行結果
2つの行列の加算: [[ 8 10] [13 15]] 2つの行列の減算: [[-6 -6] [-5 -5]] 行列の除算: [[0.14285714 0.25 ] [0.44444444 0.5 ]] 2つの行列の乗算(要素ごと): [[ 7 16] [36 50]] 2つの行列の積(行列積): [[25 28] [73 82]] 平方根: [[1. 1.41421356] [2. 2.23606798]] 全要素の合計: 34 列ごとの合計: [16 18] 行ごとの合計: [15 19] 行列の転置: [[1 4] [2 5]]
multiply() と dot() の違いに注意
初心者がつまずきやすいポイントとして、multiply() と dot() の違いがあります。multiply() は同じ位置にある要素同士を掛ける「要素ごとの積(アダマール積)」を計算します。一方、dot() は線形代数でいう「行列積」を計算するため、結果がまったく異なります。機械学習やデータ分析では行列積を使う場面が多いため、両者の違いをしっかり理解しておきましょう。
まとめ
NumPyを使えば、加算・減算・除算・乗算といった基本的な四則演算から、行列積、平方根、合計、転置まで、行列に関するほぼすべての操作を簡潔なコードで実現できます。科学技術計算やデータサイエンスの分野では必須の知識なので、ぜひ実際にコードを動かして挙動を確認してみてください。
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