【初心者向け】PythonのNone(ヌル)オブジェクトとは?基本から実例まで徹底解説
Pythonには、他のプログラミング言語でいう「null」に相当するオブジェクトは存在しません。しかし、それに最も近い存在としてNoneという特別なオブジェクトが用意されています。この記事では、PythonにおけるNoneの基本的な挙動について、実行例を交えながら詳しく解説します。
Noneの型を確認してみる
まず、Noneの型を確認しましょう。Pythonには「Null」という型や名前は存在せず、Noneオブジェクトの型はNoneTypeです。
例
print(type(None)) print(type(Null))
出力
<class 'NoneType'>
Traceback (most recent call last):
File "C:\Users\xxx\scratch.py", line 4, in <module>
print(type(Null))
NameError: name 'Null' is not defined
type(None)は<class 'NoneType'>を返しますが、未定義の名前であるNullを参照した時点でNameErrorが発生します。これは、Pythonに「Null」という名前そのものが存在しないことを示しています。
Noneに関する重要なポイント
NoneはFalseとは等しくありません。ただし、if文などのブール値コンテキストでは偽(falsy)として評価されます。
Noneは空文字列や0とも等しくありません。これらも同様にブール値コンテキストでは偽と評価されますが、Noneとはまったく別のオブジェクトです。
Noneと他のオブジェクトを比較すると、常にFalseを返します。唯一の例外はNone自身との比較だけです。
Noneは単一のオブジェクトです。Pythonインタープリタ全体でNoneのインスタンスは1つしか存在せず、すべてのNone参照は同一のオブジェクトを指します。そのため、比較には
==ではなくis演算子を使うことが推奨されています。
PythonにおけるNull変数の扱い
「未定義の変数」と「Null変数」は異なる概念なので注意が必要です。Pythonでは、変数にNoneを代入することで、その変数は「値を持たない(null的な)状態」になります。一方、一度も代入されていない変数を参照しようとするとエラーになります。
例
var_a = None
print('var_a is: ', var_a)
print(var_b)
出力
var_a is: None
Traceback (most recent call last):
File "C:\Users\Pradeep\AppData\Roaming\JetBrains\PyCharmCE2020.3\scratches\scratch.py", line 5, in <module>
print(var_b)
NameError: name 'var_b' is not defined
この例では、Noneを代入されたvar_aは問題なく「None」として表示されます。一方、一度も定義されていないvar_bを参照するとNameErrorが発生します。「値がないこと」と「変数自体が存在しないこと」の違いが、ここにはっきりと表れています。
Noneに対するメソッド呼び出しはできない
変数がNoneになると、リストなどが持つメソッド(要素の追加・削除など)を呼び出すことはできません。Noneには有効な属性やメソッドが一切存在しないためです。
例
listA = [5, 9, 3, 7] listA.append(18) print(listA) listA = None listA.append(34) print(listA)
出力
[5, 9, 3, 7, 18]
Traceback (most recent call last):
File "C:\Users\Pradeep\AppData\Roaming\JetBrains\PyCharmCE2020.3\scratches\scratch.py", line 7, in <module>
listA.append(34)
AttributeError: 'NoneType' object has no attribute 'append'
最初は通常のリストとして動作していましたが、Noneを代入した後はappendメソッドが使えなくなり、AttributeErrorが発生します。このように、Noneは「何もない」ことを表すプレースホルダーであり、いかなる操作も受け付けません。
まとめ
PythonにおけるNoneは、他言語のnullに相当する特殊な値であり、型はNoneTypeです。Falseや空文字列、0とは等しくありませんが、ブール値コンテキストでは偽として扱われます。また、明示的なreturn文を持たない関数も自動的にNoneを返すため、戻り値のチェックにもis Noneを使う習慣をつけると、より安全で読みやすいコードを書けるようになります。
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