IDEA暗号アルゴリズムの仕組み:8ラウンド構造とサブ鍵生成を徹底解説
IDEA(International Data Encryption Algorithm)は、64ビットの平文ブロックと128ビットの鍵を扱うブロック暗号です。DESと同様に可逆的なアルゴリズムであり、同一の手順を暗号化と復号の両方に利用できます。IDEAの安全性は、拡散(diffusion)と撹乱(confusion)という2つの要素を組み合わせることで実現されています。
基本構造:平文の分割とサブ鍵の割り当て
64ビットの平文は、16ビットずつの4つの部分ブロック(P1〜P4)に分割され、最初のラウンドに入力されます。全体は8つのラウンドで構成されており、鍵は128ビットです。各ラウンドでは、元の鍵から6個のサブ鍵が生成され、それぞれのサブ鍵は16ビットで構成されます。
第1ラウンドでは鍵K1〜K6、第2ラウンドではK7〜K12というように、サブ鍵が順次割り当てられていきます。そして最終ステップには出力変換(Output Transformation)が行われ、ここでは4個のサブ鍵(K49〜K52)が必要となります。
最終出力は、この出力変換ステップによって生成された結果です。ブロックC1〜C4を連結することで、最終的な暗号文が完成します。
ラウンド処理の詳細
IDEAには全部で8つのラウンドがあります。各ラウンドでは、6個の鍵を使用しながら、4つのデータブロックに対して一連の演算を実行します。なお、各ラウンドで登場する「加算」と「乗算」は、通常の足し算・掛け算ではなく、それぞれ以下のような特殊な演算である点に注意してください。
- 加算:216=65,536を法とする加算
- 乗算:216+1=65,537を法とする乗算
各ラウンドにおけるサブ鍵の生成方法
- 第1ラウンド:鍵のビット位置1〜96が使用され、ビット97〜128は未使用のまま第2ラウンドへ持ち越されます。
- 第2ラウンド:まずビット97〜128が使用されます。このとき25ビットの循環左シフトが行われ、新たにビット位置26〜89が使用されます。ビット位置90〜128および1〜25は未使用となります。
- 第3ラウンド:前ラウンドの未使用ビット(90〜128と1〜25)を先に使用し、再び25ビットの循環左シフトが行われた後、ビット位置51〜82が使用されます。ビット位置83〜128および1〜50は未使用です。
- 第4ラウンド:ビット位置83〜128および1〜50が使用されます。
- 第5ラウンド:25ビットの循環左シフトが行われ、ビット位置76〜128および1〜43が使用されます。ビット位置44〜75は未使用です。
- 第6ラウンド:第5ラウンドの未使用ビットが使用され、さらに25ビットの左循環シフトが発生するため、ビット位置37〜100が未使用になります。
- 第7ラウンド:第6ラウンドの未使用ビット(37〜100)を先に使用し、その後25ビットの循環左シフトが行われ、ビット位置126〜128および1〜29が使用されます。ビット位置30〜125は未使用です。
- 第8ラウンド:第7ラウンドの未使用ビット位置30〜125が使用され、ここで全サブ鍵の生成が完了します。
出力変換(Output Transformation)
出力変換は、第8ラウンドの終了後に一度だけ実行される特別な操作です。64ビットの値は4つのサブブロック(R1〜R4)に分割され、ここで4個のサブ鍵が適用されます。
IDEAの復号処理
復号の手順は、暗号化プロセスと本質的に同一です。ただし、サブ鍵の生成方法と設計には一部変更が加えられており、復号用のサブ鍵は暗号化用サブ鍵の逆(加算逆元・乗算逆元)として導出される点が特徴です。この設計により、同じ回路構成を用いて暗号化と復号の両方を実現できます。
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