インタラクティブな決定木構築を支援するデータ可視化手法――PBC(知覚ベース分類)の仕組み
多次元可視化手法に基づくインタラクティブな手法「PBC(Perception-based Classification:知覚ベース分類)」は、決定木を構築する際に、ユーザーがデータに関する背景知識を組み込むことを可能にします。
PBCの特徴と利点
データと視覚的に対話することで、ユーザーはデータに対するより深い理解を得やすくなります。その結果として生成される決定木は、従来の決定木帰納法の手法で構築されたものよりも小規模になり、解釈が容易になる一方で、ほぼ同等の精度を実現できます。
円セグメント法によるピクセル指向の可視化
PBCでは、クラスラベル情報を持つ多次元データを扱うために、ピクセル指向の手法が用いられます。ここでは「円セグメント法(circle segments technique)」が採用されています。この手法では、d次元のデータオブジェクトを、d個のセグメントに分割された1つの円へマッピングし、各セグメントが1つの属性(次元)に対応します。
データ要素の属性値は1つの色付きピクセルに割り当てられ、その色は当該オブジェクトのクラスラベルを反映します。このマッピングは、すべてのデータオブジェクトのすべての属性値ペアに対して実行されます。さらに、各セグメント内の並び順を決めるため、属性ごとにソートが行われます。
たとえば、特定のセグメント内の属性値は、同一の属性値に関してクラスラベルが均質な領域がひと目でわかるように整理できます。一度に可視化できる訓練データの量は、おおよそ「属性数 × データオブジェクト数」の積によって決まります。
2画面構成のPBCシステム
PBCシステムはスプリットスクリーン(分割画面)を表示します。一方は「データインタラクションウィンドウ」、もう一方は「ナレッジインタラクションウィンドウ」です。データインタラクションウィンドウには調査対象データの円セグメントが表示され、ナレッジインタラクションウィンドウにはそれまでに構築された決定木が表示されます。初期状態では、訓練セット全体がデータインタラクションウィンドウに可視化され、ナレッジインタラクションウィンドウには空の決定木が表示されます。
複数分割点のサポート
従来の決定木アルゴリズムでは、数値属性(統計的属性)に対して2分割のみしか許されていません。これに対しPBCでは、ユーザーが複数の分割点(split-point)を定義できるため、1つのノードから複数の枝を伸ばすことが可能です。
インタラクティブな決定木構築の手順
決定木は、次のような対話的なプロセスを通じて構築されます。
- データの確認と分割: ユーザーはデータインタラクションウィンドウで多次元データを確認し、分割属性と複数の分割点を選択します。すると、ナレッジインタラクションウィンドウ上の現在の決定木が展開されます。
- ノードの選択: ユーザーは決定木から任意のノードを1つ選びます。そのノードにクラスラベルを割り当てて葉ノードにすることも、あるいは該当する訓練データの可視化を要求することもできます。
- 再可視化: 可視化が要求された場合、ルートからそのノードまでの経路上ですでに分割に使用された属性を除く各属性について、新しい可視化が生成されます。
- 反復: この対話的な手続きを、決定木のすべての葉にクラスラベルが割り当てられるまで繰り返します。
まとめ
PBCは、人間の視覚的認識能力と背景知識を決定木構築のプロセスに直接組み込むことで、小さく解釈しやすい決定木を、精度をほぼ損なうことなく構築できるインタラクティブなアプローチです。多次元データの可視化技術と対話操作を組み合わせた本手法は、データマイニングにおける人間参加型(human-in-the-loop)分析の代表的な例といえるでしょう。
-
PythonのSeabornライブラリでcountplotを使ってデータを可視化する方法
Seabornは、データの可視化を支援するPythonライブラリです。カスタマイズされたテーマと高水準のインターフェースを備えており、美しいグラフを簡単に作成できます。 これまでのプロットでは、データセット全体をグラフ上に描画してきました。一方、棒グラフ(bar plot)を活用すると、データ分布の中心的な傾向(中央傾向)を把握することができます。 barplot関数は、カテゴリ変数と連続変数の関係を表現するのに役立ちます。データは長方形のバーとして描画され、バーの長さがそのカテゴリにおけるデータの割合を示します。 barplotの特殊なケースがcountplotです。countplotは、第
-
データバックアップの正しい方法とは?3-2-1ルールで大切なデータを守る
現代のIT社会において、包括的なバックアップ戦略を持つことは不可欠です。データが失われる原因は数多く存在し、バックアップを適切に行う方法を理解することは、深刻な事態を回避するために極めて重要です。では、具体的にどのようにデータをバックアップすればよいのでしょうか?データ損失のリスクサイバー攻撃、内部犯行、自然災害、記録メディアの破損、人的ミスなど、データを失う要因は枚挙にいとまがありません。個人にとってデータ損失は煩わしく心を痛める出来事ですが、企業にとっては取り返しのつかない結果をもたらしかねません。Consoltechによる以下の衝撃的な統計をご覧ください。重大なデータ損失を経験した企業の