デシジョンツリー誘導の特徴とは?決定木学習の重要ポイントを徹底解説
デシジョンツリー誘導(決定木学習)には、他の機械学習手法と比べて際立った特徴が数多くあります。本記事では、デシジョンツリー誘導の代表的な特性について、初心者にもわかりやすく詳しく解説します。
1. ノンパラメトリックな手法である
デシジョンツリー誘導は、分類モデルを構築するためのノンパラメトリック(非パラメトリック)手法です。つまり、クラスや各属性が従う確率分布の型について、事前に何らかの仮定を置く必要がありません。この柔軟性により、さまざまな種類のデータに幅広く適用できる点が大きな強みとなっています。
2. 最適なツリーの探索はNP完全問題
最適なデシジョンツリーを見つけることは、計算理論上「NP完全問題」に分類されます。このため、多くのデシジョンツリーアルゴリズムは、膨大な仮説空間の中で効率的に探索を進めるために、ヒューリスティック(発見的)アプローチを採用しています。
3. 計算コストが低く予測も高速
計算コストを抑えてデシジョンツリーを構築するためのさまざまな技法が開発されており、訓練データセットの規模が非常に大きい場合でも、モデルを迅速に構築することが可能です。さらに、一度ツリーが構築されれば、テストデータに対する判定は極めて高速に行えます。最悪の場合でも計算量はO(w)(wはツリーの最大深さ)に収まります。
4. 実装が容易で高い分類性能
特に小規模なデシジョンツリーは、比較的簡単に実装・実行できます。また、多くのデータセットにおいて、その分類性能は他の分類手法と同等以上の水準に達します。
5. 離散値関数の表現力とブール問題の限界
デシジョンツリーは、離散値関数を学習するための表現力豊かな記述手段を提供します。しかし、特定の種類のブール問題に対しては汎化性能が十分ではありません。一例として「パリティ関数」が挙げられます。これは、Trueの値を持つブール属性の個数が奇数なら0、偶数なら1を返す関数であり、決定木では効率的に表現できません。
6. 冗長属性の影響を受けない
冗長な属性が存在しても、デシジョンツリーの性能にはほとんど影響しません。属性が冗長であるとは、データ内の別の属性と強い相関を持っていることを指します。2つの冗長な属性があった場合、片方が分割に選択されれば、もう一方は使用されることがないためです。
7. 無関係属性への対策としての特徴選択
一方、データセットに無関係な属性(分類タスクに役立たない属性)が多数含まれている場合、ツリーの成長過程でそれらが偶然選択され、必要以上に大きな決定木が生成されることがあります。この問題に対しては、前処理段階で無関係な属性を除去する「特徴選択(フィーチャーセレクション)」技術を活用することで、デシジョンツリーの精度向上が期待できます。
8. データフラグメンテーション問題
多くのデシジョンツリーアルゴリズムはトップダウンの再帰的分割方式を採用しているため、ツリーを深く辿るほど各ノードに割り当てられるデータ量は減少していきます。その結果、葉ノードではクラス分類について統計的に有意な判断を下すのに十分なデータが残っていないケースが発生します。これを「データフラグメンテーション問題」と呼びます。対策の一つとして、データ量が一定の閾値を下回った時点で、それ以上の分割を禁止する方法があります。
9. 部分木の重複による複雑化
デシジョンツリーでは、同じ部分木が複数回繰り返し出現することがあります。これにより、ツリーが必要以上に複雑になり、実行も難しくなる可能性があります。このような状況は、各内部ノードが単一の属性テスト条件のみに依存するというデシジョンツリーの仕組みから生じることがあります。
10. 分割統治法による部分木複製問題
一部のデシジョンツリーアルゴリズムは「分割統治(divide-and-conquer)」方式の分割アプローチを採用しています。この方式では、同一のテスト条件が属性空間の複数の領域に適用されるため、結果として部分木の複製問題が発生することがあります。
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