標準レポート(スタンダードレポーティング)とは?主なサービスと必須要件を解説
標準レポート(スタンダードレポーティング)とは
標準レポートとは、ユーザーとの対話操作が限定的で、幅広い対象者に向けて、あらかじめ決められた実行スケジュールに沿って定期的に配信される、本番運用向けの固定フォーマットレポートを作成する機能のことです。アプリケーションテンプレートは、いわば簡易版の標準レポートと捉えることができます。
より本格的なレベルにおいては、ERPシステムが業務トランザクションの処理とレポート作成の両方の負荷を担いきれなくなったタイミングで、大規模な標準レポートシステムの導入が検討されるのが一般的です。本格的な標準レポートの構築は大きなプロジェクトであり、それ専用の要件とサービスが求められます。そのため、この取り組みを専門的に管理する「標準レポートプロジェクト」を独立して立ち上げることが推奨されます。
標準レポートツールに求められる主な要件
1. レポート開発環境
アドホック分析ツールが持つ機能性と使いやすさの大部分を備えていることが理想です。開発者が効率よくレポートを作成できる環境であることが重要です。
2. レポート実行サーバー
レポート実行サーバーは、ドキュメントの生成処理をアプリケーションからオフロード(負荷分散)し、完成したドキュメントをファイルシステム上またはカスタムドキュメントキャッシュとして配信できるように整えます。
3. パラメータ・変数駆動機能
たとえば、1つのパラメータで地域名を変更するだけで、その新しい値に基づいて一連のレポート全体を自動的に実行できます。これにより、同じレポート定義を多様な条件で再利用可能になります。
4. 時間・イベントベースの実行スケジューリング
レポートは、毎日決まった時刻に実行するようスケジュールできるほか、データベーステーブルの特定の値が更新されたことをトリガーに実行することも可能です。
5. 反復実行(バースト実行)
地域のリストをもとに、地域ごとに同一フォーマットのレポートを自動生成できます。生成された各レポートは独立したファイルとして、該当地域の管理者にメールで送信できます。これは、特定の列の値が変わるたびに新しい小計とともに新しいページで出力が再開される「レポート要素」や「改ページ」の概念と似ていますが、異なる点は独立したファイルとして出力されることです。
6. 柔軟なレポート定義
複合的なファイル設計(同一ページへのグラフと表の配置)や、表に対する完全なピボット(集計軸の入れ替え)機能に対応している必要があります。
7. ユーザーが利用できるパブリッシュ&サブスクライブ機能
ユーザーは、自分が作成したレポートを所属部門や組織全体に公開できる必要があります。また同様に、他のユーザーが作成したレポートを購読(サブスクライブ)し、ドキュメントが更新・刷新されるたびにコピーまたは通知を受け取れる仕組みも求められます。
8. レポートリンク(ドリルダウン)
レポートリンクはドリルダウンを実現する手法です。たとえば、事業部内のすべての部門について事前実行済みのレポートが用意されている場合、事業部サマリーレポート上の部門名をクリックするだけで、その部門の詳細レポートを表示できます。
9. ブラウジング機能付きレポートライブラリ
ライブラリ内のすべてのレポートについて、その定義、最終実行日時、内容を記録したメタデータ参照の仕組みです。ユーザーが複数の検索条件を使ってライブラリ内を検索できるユーザーインターフェースが提供されます。
10. レポート環境管理ツール
管理者は、管理用モジュールからレポートのスケジュール設定、実行状況の監視、問題発生時のトラブルシューティングを行える必要があります。さらに、利用状況の監視や未使用ファイルの整理・削除といった運用管理機能も含まれます。
まとめ
標準レポートは、限られた対話操作で幅広い層へ定期的に情報を届けるための重要な基盤です。導入・構築にあたっては、開発環境、実行サーバー、スケジューリング、配信・購読、管理ツールまで、上記のような多岐にわたる要件を総合的に満たすツールを選定することが成功の鍵となります。
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