概念階層はOLAPでどのように役立つのか?基本操作を徹底解説
多次元モデルにおける概念階層とは
多次元モデルでは、データは複数の次元(ディメンション)に整理され、それぞれの次元には概念階層によって表現される複数の抽象化レベルが含まれています。この構造により、ユーザーはさまざまな視点から柔軟にデータを閲覧することが可能になります。
OLAPのデータキューブに対する各種操作は、こうした多様なビューを実際に実現するものであり、手元にあるデータを対話的に照会・分析できる環境を提供します。つまり、OLAPはインタラクティブなデータ分析にとって非常に便利な基盤だといえます。
ここからは、データウェアハウスからデータを取得するために用いられる5つの基本的なOLAP操作について詳しく見ていきましょう。
1. ロールアップ(Roll Up)
ロールアップは、階層内のより高い一般化レベルへ情報を集約する操作です。たとえば、位置階層を「都市」レベルから「国」レベルへ一段上がりながらデータを集約すると、都市別ではなく国別にグループ化されたキューブが生成されます。
また、ロールアップはディメンションの削除によっても実行できます。たとえば「場所」と「時間」という2つのディメンションのみを持つ売上データキューブを考えた場合、「時間」ディメンションを取り除くことで、場所×時間ではなく場所ごとの売上合計だけを集約した結果を得ることができます。
2. ドリルダウン(Drill Down)
ドリルダウンはロールアップとは逆の操作で、詳細度の低い情報からより詳細な情報へと掘り下げていくものです。あるディメンションの概念階層を下っていく方法と、新しいディメンションを追加する方法の2通りで実現できます。
具体例として、時間階層を「四半期」レベルから「月」というより細かいレベルへ降りるケースが挙げられます。この場合、四半期単位の集計ではなく、月ごとの売上合計を分析するデータキューブが得られます。
3. スライスとダイス(Slice and Dice)
スライス操作は、対象となるキューブの1つのディメンションに対して選択条件を適用し、サブキューブを生成するものです。一方、ダイス操作は2つ以上のディメンションに対して選択を行うことでサブキューブを作成します。特定の条件に絞ったデータの切り出しに非常に有効です。
4. ピボット(Pivot)
ピボットは「回転(Rotate)」とも呼ばれる操作で、表示中のデータ軸を回転させることで、同じデータを異なる角度から視覚的に捉えられるようにする可視化操作です。レポートやダッシュボードでの見せ方を変えたいときに役立ちます。
5. その他のOLAP操作
一部のOLAPシステムでは、さらに高度なドリリング操作が用意されています。たとえばドリルアクロスは、複数のファクトテーブルにまたがる(横断的な)クエリを実行する操作です。またドリルスルーは、リレーショナルSQLの機能を利用して、データキューブの最下位レベルからバックエンドのリレーショナルテーブルまで掘り下げて詳細データを参照できます。
さらに、リスト内の上位N件・下位N件のランキング付け、移動平均、成長率、利子率、内部収益率、減価償却費、通貨換算などの計算や統計処理を組み合わせたOLAP操作も存在します。これらを活用することで、より実践的で高度なビジネス分析が可能になります。
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