機械学習における分類と回帰の違いを徹底解説
機械学習、特に教師あり学習の分野では、「分類(classification)」と「回帰(regression)」という2つの代表的な手法があります。一見すると似たようなタスクに思えますが、出力の形式や目的、評価方法が大きく異なります。本記事では、それぞれの特徴を整理し、両者の違いをわかりやすく解説します。
分類(Classification)とは
分類とは、入力されたデータを、あらかじめ定義された複数のカテゴリ(クラス)のいずれかに振り分ける手法です。以下のような特徴を持ちます。
- 離散値を出力する: 結果は「はい/いいえ」「犬/猫/鳥」のような離散的なカテゴリとして得られます。
- データのグループ化: 与えられたデータ集合を、複数のグループに振り分けることで構造を捉えます。
- 基準に基づいた分類: グループへの割り当ては、あらかじめ設定された判断基準に従って行われます。
- 順序を持たない: 出力されるクラス同士に大小関係や順序は存在しません。
- マッピング関数の利用: マッピング関数を用いて、入力値を事前定義済みのクラスに対応付けます。
- 代表的なアルゴリズム: 決定木、ロジスティック回帰など。
分類の活用例
スパムメールの判定、画像に写っている物体の識別、顧客が解約するかどうかの予測など、答えが「どのカテゴリに属するか」という問題に適しています。
回帰(Regression)とは
回帰とは、連続的な数値を予測するための手法です。以下のような特徴を持ちます。
- 連続値を出力する: 結果は価格や温度のような、無限に取りうる実数値として得られます。
- マッピング関数の利用: マッピング関数を用いて、入力値を連続的な出力に対応付けます。
- 順序を持つ: 出力値には大小関係があり、順序付きの数値として扱われます。
- 従属変数と独立変数: 目的となる従属変数と、それを説明する独立変数の関係をモデル化します。
- 最良適合直線の探索: データ点にできるだけフィットする「最良適合線(best fit line)」を見つけようとします。
- 外挿による予測: グラフを外挿することで、未知の値を推定・予測します。
- 評価指標: 二乗平均平方根誤差(RMSE)などの誤差尺度を用いてモデルの精度を評価します。
- 代表的なアルゴリズム: 回帰木(ランダムフォレスト)、線形回帰など。
回帰の活用例
不動産価格の予測、来月の売上高の見積もり、明日の気温の予測など、「いくらになるか」「どれくらいか」という数値を当てる問題に適しています。
分類と回帰の比較まとめ
| 項目 | 分類 | 回帰 |
|---|---|---|
| 出力の型 | 離散値(カテゴリ) | 連続値(実数) |
| 出力の順序 | 順序なし | 順序あり |
| 主な評価指標 | 正解率・F1スコアなど | RMSE・MAEなど |
| モデルの構造 | 値を既存のクラスへマッピング | 最良適合線を探索し外挿で予測 |
| 代表アルゴリズム | 決定木、ロジスティック回帰 | 回帰木(ランダムフォレスト)、線形回帰 |
| 活用例 | スパム判定、画像認識 | 価格予測、売上予測 |
どちらを選ぶべきか?
選択の基本シンプルです。予測したい対象がカテゴリやラベルであれば分類を、数量や金額などの連続的な数値であれば回帰を選びます。ただし、同じデータでも目的に応じて両方のアプローチが可能な場合もあります。たとえば「顧客の将来支出額を予測する」なら回帰ですが、「顧客が高額購入層かどうかを判定する」なら分類となります。課題の性質を正しく見極めることが、適切なモデル選択と精度向上の第一歩です。
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