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RedisConf 2021総まとめ:部門別に選ばれた注目セッション10選

毎年開催されるRedisコミュニティの祭典「RedisConf」。今年のテーマは「リアルタイムデータの力の再発見」でした。122か国から12,000人を超える開発者、アーキテクト、ビジネス・テクノロジーのリーダーたちが参加登録し、基調講演、座談会、60以上のブレイクアウトセッションがライブ配信されました。なお、2021年5月20日以降、RedisConf 2021の全セッションはYouTubeチャンネルで視聴可能です。

ユニークなユースケースを扱う多数のセッションの中から、投票によって10部門のトップセッションが選出されました。ここでは、各部門の受賞セッションをご紹介します。

最もエンターテイナー性の高い登壇者

RedisConf 2021総まとめ:部門別に選ばれた注目セッション10選

SiteProのCEO Aaron Phillips氏とTechnology Director Dustin Brown氏のコンビは、絶妙な掛け合いと感染力あふれる熱意で、同社のミッションクリティカルなIoTプラットフォームが、Azure上のRedisTimeSeriesモジュールを活用してボトルネックのないデータフローを実現している様子を詳しく解説しました。両氏は、石油・ガス企業向けのエンドツーエンド計量システムとしてのSiteProの創業の経緯から語り始め、急成長後にRedisTimeSeriesを導入し、リアルタイムデータに「歴史的な文脈」を持たせるようになった過程を説明します。

セッションは終始飽きることがありません。互いの話にツッコミを入れながら、身近なたとえ話を交えつつ、RedisTimeSeriesで使われるツールや機能を丁寧に解説していきます。笑いを求めている方にも、RedisTimeSeriesによる大規模なリアルタイム・履歴データ処理のヒントを得たい方にもおすすめのセッションです。

最優秀スライド賞

RedisConf 2021総まとめ:部門別に選ばれた注目セッション10選

Chris Oyler氏のプレゼンテーションスライドは、そのユーモアと、大規模なリアルタイムイベント収集を視覚的に表現する能力が光ります。発表開始わずか30秒で、自分のスタートアップUserLeapをサーカスに、自分自身をピエロにたとえる余裕を見せます。スライドがUserLeap APIの図解から『セサミストリート』の画像(イベントの構造を表現)へと切り替わっても、終始落ち着いたカジュアルなトーンを崩しません。

しかし、笑いの裏にあるのは、テーマへの確固たる集中力です。UserLeapにはリレーショナルデータベースの必要性がなく、高い書き込み・読み取りスループットが必要だったため、Redis Clusterを採用し、自動フェイルオーバー対応のHAモードを利用した経緯を詳述します。セッション後半では、Redis導入前後2日間の平均レイテンシ比較グラフを提示し、レスポンスタイムが平均約100ミリ秒改善したことを示しました。スライドのビジュアルと発表内容を完璧に結び付けながらユーモアも失わないChris氏の手腕が、この受賞につながりました。

最優秀新人賞

RedisConf 2021総まとめ:部門別に選ばれた注目セッション10選

Masoud Koleini氏はIoT業界の経験豊富なプロフェッショナルですが、RedisConf 2021初登壇となるブレイクアウトセッション「High-performance edge inference with RedisAI」により、最優秀新人賞を受賞しました。エッジ側でのデータ分析が各業界で拡大し続ける中、Masoud氏は、限られた計算能力しか持たないデバイスでアプリケーションを動かす課題を浮き彫りにします。そして、Redisの小さなメモリフットプリントにより、機械学習アプリケーションを小型デバイス上で実行できることから、Redisが採用された理由を詳しく解説します。

このセッションはエッジ推論のケーススタディとなっており、RedisAIの高度な推論機能によるテンソルデータの分析方法や、Armマシン上でRedisAIモジュールを運用する際のベストプラクティスが紹介されます。RedisAIによる深層学習のデータ推論に興味がある方は、ぜひこの動画をご覧ください。

Redis初心者に最もわかりやすいセッション

RedisConf 2021総まとめ:部門別に選ばれた注目セッション10選

Eric Brandes氏は、「Redisはプライマリデータベースには向かない」というよくある誤解を打ち破る20分間のウォークスルーで、この賞を受賞しました。検証番組さながらのスタイルで、Redisをプラットフォームのプライマリデータベースとして採用し、ユーザー監視パフォーマンスツール「Request Metrics」を構築した自身の経験を語ります。運用の複雑さの低さ、シンプルなアーキテクチャの実現、低コスト、耐久性要件への柔軟な対応など、Redisを選んだ理由にも触れています。

短時間の中で、Eric氏はRequest Metricsの運用体制からスケーリング戦略まで、開発運用の要点をわかりやすくガイドしてくれます。Redisを初めて使い、NoSQLデータベースを技術スタックにどう組み込むべきか迷っている方は、「Crazy like a fox: Redis as your primary database」をぜひ視聴してみてください。

Redisエキスパートに最も刺さるセッション

RedisConf 2021総まとめ:部門別に選ばれた注目セッション10選

Redisの使用経験が豊富な方こそ見るべきセッションです。このブレイクアウトセッションでJim Brunner氏は、Amazon ElastiCache for Redisの利用で起こりがちな興味深い問題を掘り下げます。ElastiCacheチームの開発者として、Brunner氏はAmazonプラットフォーム向けのRedis内部開発に専念してきた人物です。maxmemoryの過剰消費、パラメータ化されていないLUAスクリプト、接続ストームといった開発者泣かせのトラブルを取り上げ、それぞれの回避策を解説します。

Jim氏は各トピックに体系的にアプローチし、ユースケースの内容、発生するシナリオ、その結果、そして問題を緩和するソリューションの順に整理して説明します。取り上げられるケースは「極端」なものばかりですが、キャッシュの潜在的な問題を未然に防ぎたい開発者にとって、非常に有益なセッションです。

最優秀Redisスケール事例

RedisConf 2021総まとめ:部門別に選ばれた注目セッション10選

デジタルトランスフォーメーションは、優れた顧客体験を提供するうえで、銀行にとって重要な経営課題となっています。RedisのAdi Shtatfeld氏が、イスラエル最大の銀行Bank HapoalimのDani Sela氏とYaniv Yair氏を迎え、Redis Enterpriseが同行の可用性と顧客満足度をどのように向上させたのかを直接語ります。

100万人超の顧客を抱え、年間売上高140億ドルを誇るBank Hapoalimは、パンデミックという現実に直面しました。顧客のデジタル需要に応えるには、銀行インフラの再構成が不可欠だと認識したのです。ウェブサイトやモバイルアプリへの大量のリクエストがメインフレーム(MF)バックエンドシステムに過負荷をもたらし、レイテンシの悪化やタイムアウトが顧客体験を損なっていました。そこで同行はRedis Enterpriseのキャッシングを導入し、メインフレームへのリクエストを削減してリソース不足を解消。その結果、多大なコスト削減にも成功しました。

最優秀Redisモジュール事例

RedisConf 2021総まとめ:部門別に選ばれた注目セッション10選

SmartSimは、数値シミュレーションモデルとAI・分析・データサイエンスの融合を加速させるために開発されたライブラリです。これまでデータサイエンスライブラリとシミュレーションは互いに接続されておらず、リアルタイムで通信することはありませんでした。

シミュレーションの計算完了には数時間から数週間を要し、データライブラリの分析はシミュレーション終了後に行うしかありませんでした。RedisAIの活用により、SmartSimは実行時点でシミュレーションと対話できるようになり、高速なインメモリストレージを大規模に利用可能になりました。さらに、ファイルシステムを使わずにオンラインでの推論・学習・分析が可能となり、チームはデータをオンラインで確認できるようになりました。RedisAIの高度な活用術を知りたい方は、ぜひこのセッションをご覧ください。

最優秀AI事例

RedisConf 2021総まとめ:部門別に選ばれた注目セッション10選

40以上の機械学習モデルを保有し、毎秒200万件の予測を処理するアプリケーションを運用するDoorDashが、最優秀AI事例賞を受賞しました。ML Platform EngineerのArbaz Khan氏とTechnical Lead ManagerのZohaib Hassan氏は、同社がRedisをスケーラブルなフィーチャーストアとして活用し、リアルタイム予測に必要な入力変数群を供給している仕組みを解説します。ディスクベースのデータベースと比較して、Redisは低コスト・高速・シンプルなインメモリデータストアを提供し、ストレージオーバーヘッドを抑えながら、DoorDashにデータローカリティをもたらします。

このセッションが受賞した理由は、登壇者が自社のRedisユースケースを極めて詳細に説明している点にあります。MLオペレーションをスケールさせるためにRedisを選んだ理由を明確に示し、図表やデータで意思決定の根拠を補強しながら、今後の展開についても語っています。Redisが機械学習プラットフォームのスケーラブルなフィーチャーストアとしてどう機能するのかを理解したい方におすすめです。

Redisだけで黙示録を生き延びられそうなセッション

RedisConf 2021総まとめ:部門別に選ばれた注目セッション10選

世界の終わりが訪れるとき――それがいつであれ――さまざまな分野の専門家の知識が欲しくなるものです。そんな発想から、この部門の賞はTechspert.ioのAyaka Shinozaki氏による「Building a knowledge graph using RedisGraph」に贈られました。Techspert.ioは、AI駆動型の検索技術で、世界トップクラスの専門家とその知見を必要とする組織をマッチングするスタートアップです。インターネット上の数十億規模の公開データポイントを収集する同社には、専門家・機関・意味的な概念の間の関係性を記録し、知識の全体像をリアルタイムに把握できるデータベースソリューションが必要でした。そこで登場したのがRedisGraphです。

RedisGraphにより、Techspert.ioは所在地、専門分野、氏名といった事実同士を結び付けて明確な関係性を構築できます。頂点とエッジで事実を表現し、RedisGraphのコスト効率に優れた全文検索クエリを活用することで、ナレッジグラフから関係性情報を抽出しています。ナレッジグラフデータベースの構築を目指す開発者にとって必見のセッションであり、差し迫った黙示録に備えたい開発者にとっても一見の価値があります。

「えっ、そんなことにRedisを使ってるの!?」最優秀事例

RedisConf 2021総まとめ:部門別に選ばれた注目セッション10選

Redisには多彩なユースケースがありますが、私たちのチームがその独創性と創造性を高く評価したのが、Dr. Alexander Mikhalev氏のセッション「Using the Redis ecosystem to build NLP-based services」です。Alexander博士は、医療従事者が医学文献を効率的に探索できるよう支援する自然言語処理(NLP)製品の開発を、RedisConf 2020のハッカソンで開始しました。機械学習による質問応答システム、いわゆるチャットボットの構想でしたが、ユーザーの期待を超える速度と高い可用性が求められました。長く複雑なクエリを正確に処理できるナレッジグラフと、高速なAPIレスポンスを実現する強力なエンジンが必要であると気づいた博士は、RedisGears、RedisAI、RedisGraphをコアに組み込んだNLPパイプラインを開発しました。

このブレイクアウトセッションでは、製品のAPIフレームワークと各モジュールの構成方法が明快に解説されており、Redisモジュール同士の連携について徹底的に学べます。Redisを活用して革新的なアプリケーションを作りたい方にとって、インスピレーションを得られるRedisConf 2021のセッションです。

ここで紹介したRedisConf 2021のセッションはほんの一部で、プラットフォームには他にも多数のセッションがあります。リアルタイムデータの力を再発見させてくれるセッションに出会えたら、ハッシュタグ #RedisConf2021 を付けてTwitterで共有したり、Redis Discordサーバーに参加してコミュニティと交流してみてください。

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