スマホ依存から解放するGoogle「Digital Wellbeing」アプリとユニークな実験プロジェクト特集
Googleの「Digital Wellbeing」とは
Googleが数年前に世界へ向けて発表したのが、Android向けアプリ使用状況トラッカー「Digital Wellbeing」です。スマートフォンの利用時間を記録・可視化し、画面を見る時間そのものを減らすきっかけをつくることを目的としています。「ときにはスマホから離れて過ごしてほしい」というGoogleの姿勢を示した取り組みであり、同社がデジタル時代の良き伴走者であるというブランドイメージの確立にもつながりました。
ただし、Digital WellbeingはGoogleがゼロから生み出した完全な革新というわけではありません。すでに存在していたアプリ使用時間トラッカーのアイデアをベースに、Googleブランドとして仕上げたプロジェクトだと言えます。

実験的なDigital Wellbeingアプリによる新しいアプローチ
その後、GoogleはDigital WellbeingをAndroidスマートフォン本体に組み込まれた標準機能へと昇格させ、より多くのユーザーが利用できるようにしました。しかし、それが一般に広まる前に、FacebookやInstagramといったSNSアプリもそれぞれ内蔵型のアクティビティトラッカーを搭載するようになっています。
そこで現在、Google Creative LabsとSpecial Projectsチームは、実験的なDigital Wellbeingアプリの開発に取り組んでいます。その狙いは、「スクリーンタイムの通知で警告する」のではなく、ユニークでクリエイティブな手段によって自然とスマホから離れるきっかけをつくることです。
注目のGoogle Digital Wellbeingアプリ&実験
Googleはこうした実験をしばらく前から続けており、最近も新しいクリエイティブなDigital Wellbeingアプリが追加されました。ここでは、特に印象的なアプリと実験を紹介します。
Envelope(封筒)―紙の封筒でスマホを“通話専用”に
Envelopeは、専用の紙製封筒を使ってスマホを最小限の機能だけに制限する実験的アプリです。
主な特徴:
- Envelopeを端末のデフォルトランチャーアプリとして設定します。
- 設定後、スマホをGoogle提供の紙の封筒に入れます。
- 封筒の紙面にはテンキーが印刷されており、紙の上からタップして通話が可能です。スマホの画面が紙越しに指の静電容量を感知する仕組みです。
- 画面を見ることができないため、スマホの用途は通話のみになります。ただし、封筒には指紋センサー用の穴が開いているので、ロック解除だけは行えます。
- 用事が済んだらスマホを封筒から取り出し、どれだけ使用したかを確認できます。

Digital Detox ―スクロール量を巡礼路の距離に見立てるChrome拡張機能
Digital Detoxは、モバイルアプリではなくChrome向けの拡張機能です。ウェブ上でも同じ感覚でデジタルデトックスとDigital Wellbeingを実現することを目的としています。
その発想が非常にユニークで、「毎日のスクロール量」を「移動距離」として計算し、フランスからスペインへ続く有名な巡礼路「Camino Frances(カミーノ・フランセス)」の道のりにマッピングしてくれるのです。
主な特徴:
- 拡張機能をChromeに追加すれば、あとは普段どおりSNSやウェブページを閲覧するだけです。
- スクロールするたびに移動距離として換算され、Camino Francesのルート上に記録されていきます。
- Camino Francesとは、フランスのサン・ジャン・ピエ・ド・ポーからスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまで徒歩で向かう、全長約800km(約500マイル)の巡礼路です。
- 実際に歩くわけではありませんが、自分のスクロール量がこの約500マイルの道のりに匹敵するかを比較できます。
- 30〜35日で巡礼路と同じ距離をスクロールしてしまうようなら、それは明らかにデジタルデトックスが必要なサインです。
Anchor ―画面を海に変えて無限スクロールを止める拡張機能
Anchorもまた、ウェブユーザーのDigital Wellbeingを意識させるために作られたChrome拡張機能です。仕組みはシンプルで、ブラウザの画面を海に変えてしまうというもの。
画面には魚のようなシルエットや水中のオブジェクトが浮かび、下にスクロールするほど船から錨を下ろすように深海へ潜っていく感覚を味わえます。
主な特徴:
- 拡張機能を有効にすると、画面が海に変わり、コンテンツとともに水中的な要素が漂います。
- スクロールを続けるほど深く沈んでいくにつれ、画面は徐々に濃い青色へと変わっていきます。
- 海底のどん底に達するとスクロールはそこで止まります。これにより、ニュースフィードをダラダラと読み続ける習慣を自然と抑制できるのです。
Paper Phone ―必要な情報だけを紙に印刷して持ち歩く
Envelopeのようにスマホを紙で覆う手法は効果的ですが、使い始めるまでにかなりのストレスを感じるかもしれません。そこで登場したのがPaper Phoneです。このアプリは、スマホの中の重要情報だけを近くのプリンターで印刷し、紙の状態で持ち運べるようにします。
その日に必要な情報を選んで印刷し、スマホは脇に置いておく。あとは印刷物だけで用を足します。「面倒そう」「紙の無駄では?」と思われるかもしれませんが、それこそが意図された体験なのです。
主な特徴:

- 連絡先、写真、ナビゲーション、その日の予定(カレンダー)、メモ、天気などの項目から、印刷したい情報を選択できます。
- 選択には制限があります。たとえば連絡先は重要な7件までしか印刷できません。ナビゲーションも1回の印刷につき1つだけです(地図が読める方向けの機能といえます)。

- スマホ内のメモを直接印刷することはできませんが、代わりに白紙のメモ欄付きページを印刷し、その日に手書きで書き込めます。
- 選択した情報はすべてPDFとしてまとめて作成されます。これを印刷して小冊子のように持ち出せば、スマホをロック解除しなくても必要な情報にアクセス可能です。
- 数独(Sudoku)などのゲームも印刷して、移動中に楽しむことができます。
編集部のおすすめはMorph
こうしたGoogleのDigital Wellbeing実験は、デジタルデトックスへの意識をユニークでクリエイティブな形で広めるために作られており、中には本当に秀逸なものもあります。筆者もEnvelope以外はすべて試してみました(紙が手に入らなかったため)。その結果、一番のおすすめはMorphでした。

まず、Morphはスマホの使用そのものを禁じるアプリではありません。特定のアプリだけを制限したり、日常のルーティンに合わせてスマホの設定を自動的に切り替えたりするツールと言えます。たとえば仕事中は仕事用アプリだけをホーム画面に表示し、普段自宅にいる時間帯には自動的にエンターテインメントモードへ切り替える、といった使い方が可能です。これにより時間を適切に配分でき、スマホでの無駄な時間の浪費を防げます。
そのほかにも、ライブ壁紙タイプの「Unlock Clock」と「Screen Stopwatch」はかなり面白い仕上がりです。スマホの使用を禁止するのではなく、壁紙を通じて「どれだけ長くスマホに釘付けになっていたか」を絶えず突きつけてくる、いわば優しいお小言のような存在です。
あなたのおすすめはどれ?
GoogleのDigital Wellbeing実験アプリを実際に使ってみて、どれが一番気に入ったかぜひ教えてください。どれも楽しく試しがいのある実験ばかりです。ひとつ選んで、コメント欄で感想をお聞かせください。
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最後にひとつだけ注意を。当サイトのフィードを読みふけっている間は、Digital Wellbeingアプリをオフにしておくのもありかもしれません;)
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