Androidのシステムレスルートとは?仕組みとメリット・デメリットを徹底解説

Android 6.0 Marshmallow以前、Android端末のroot化は「/system」パーティション内のファイルを書き換えるという伝統的な手法で行われてきました。この方法では、rootアクセス要求を処理するスーパーユーザー(su)プロセスが、起動時に必要な権限をすべて持った状態で実行されるようになります。
しかし、Android Marshmallowの登場によりGoogleはセキュリティを強化し、従来のroot化手法は通用しなくなりました。そこで登場したのが、「/system」ディレクトリを一切変更せずに済む「システムレス(Systemless)」方式です。この方式では、改変を加えたブートイメージを使ってスーパーユーザープロセスを起動します。
本記事では、システムレスrootが従来のroot方式と比べてどのような利点・欠点を持つのか、詳しく解説していきます。
システムレスrootのメリット
システムレスroot最大の利点は、OTA(Over-The-Air)アップデートを受け入れやすくなることです。

一方、従来の方式では「/system」パーティションをメーカーが想定していない形で書き換えてしまうため、OTAアップデートの受信に支障をきたします。そのため、一部のスマホメーカーは端末のroot化を検出すると、文鎮化(ブリック)のリスクがあることからOTAアップデートのインストールをブロックする仕組みを採用しています。
従来方式でroot化した端末にOTAアップデートを適用するには、まずストックの「/system」パーティションを再フラッシュする必要があります。これに対してシステムレスrootの端末であれば、ブートイメージだけを焼き直せばよく、「/system」パーティション全体を再フラッシュするよりもはるかに手軽です。
さらに、システムレスrootでは対応していないカーネルを使用していた場合でも、端末が「ソフトブリック」するのを防げます。これはMarshmallowを従来方式でroot化する際に問題視されていた点です。カーネルが非対応だった場合、root化自体は行われないものの、端末は通常どおり起動します。
加えて、root化の解除(アンルート)も格段に簡単になりました。工場出荷状態へのリセット(初期化)を実行するだけで解除できます。
システムレスrootのデメリット
root方式にかかわらず、root化全般に共通するデメリットとして、Google Pay(Android Pay)などの一部のサービスが利用できなくなる点が挙げられます。これらのサービスは端末がroot化されているかどうかを検証し、rootアクセスが有効な場合はアクセスをブロックするためです。
一時期、Android Payはシステムレス方式でroot化された端末でも動作していましたが、これは設計上意図されたものではありませんでした。現在ではアプリ側がパッチで対応し、システムレスrootを検出できるようになっています。

現時点でこれらの制限を回避する計画はありません。こうした決済サービスの利用が重要であれば、root化自体を見送るのが賢明でしょう。
システムレスroot特有の欠点としては、ブートローダーがロックされている端末では機能しないことが挙げられます。該当する場合は別のroot化手段を探す必要がありますが、現時点で汎用的な回避策は存在しません。
どちらのroot方式を使うべき?
実は、ユーザー自身がroot方式を選ぶ必要はありません。採用される方式は、所有している端末の種類とAndroidバージョンによって自動的に決まるからです。
システムレス方式はAndroid 6.0以降でのみ動作します。Lollipop以前を搭載した端末では、従来の方式を使うしかありません。逆にMarshmallow以降の端末では、現時点でroot化が可能なのはシステムレス方式のみとなっています。

SuperSUのzipファイルをスマホにフラッシュする場合、端末のスペックに応じて自動的に最適なroot方式が選択されます。
ただし、新しいシステムレス方式で再root化したい場合は、事前に完全なアンルートを行い、ストックの「/system」パーティションを再フラッシュしておく必要があります。両方式には互換性がないためです。
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