スマートフォン
 Computer >> コンピューター >  >> スマートフォン >> スマートフォン

Appleマップはどう改善された?自社開発の新マップが明かす5つの進化ポイント

Appleマップはどう改善された?自社開発の新マップが明かす5つの進化ポイント

2012年に「世界の終わり」を予言したとされるマヤ暦と同じ年、9月にリリースされたAppleマップ。その出来栄えを目にした多くの人は、まるで不吉な前兆のように感じたことでしょう。しかし騒動が収まり、世界が滅びなかったあとも、Appleだけは忘れていませんでした。同社はゼロから自社完結型(フルスタック)の地図を作り上げるため、静かに取り組みを続けてきたのです。すでにサンフランシスコ・ベイエリアで先行展開されている新マップは、その仕上がりがかなり期待できるものになっています。

そもそもAppleマップには何が問題だったのか?

Appleマップはどう改善された?自社開発の新マップが明かす5つの進化ポイント

Appleマップは、あの時間的制約さえなければ、それなりに使えるアプリになっていた可能性があります。発端は、ターンバイターンナビ(逐次道案内)機能をGoogleがAppleに提供するか、そしてAppleがGoogleにユーザーデータを渡すかどうかをめぐる対立でした。交渉が決裂したことで、双方ともiPhoneのメインナビとしてGoogleマップを使い続けることを望まなくなり、Appleはわずかな期間で独自アプリを急ごしらえする羽目になりました。TomTomやOpenStreetMapなど複数のサードパーティから地図データを集めて組み合わせたのです。

ところが、この寄せ集めのデータには、誤った地名、公共交通機関への非対応、さらには場所そのものが間違っているケースまで含まれていました。結果として、アプリに誤導されたユーザーの話題がメディアで大きく取り上げられる騒ぎへと発展します。有名な例が、アイルランドの町「エアフィールド(Airfield)」が実際の飛行場として表示されてしまった一件です。あまりの惨状に、ティム・クックCEOが謝罪声明を発表し、幹部数名が退社する事態にまで至りました。

どのように修正されたのか

ここ数年、Appleマップの動向を追いかけていたiPhoneユーザーなら、品質が着実に向上していることに気づいていたはずです。初期のバグの大部分は比較的早い段階で解消されました。まだGoogleマップには及ばないものの、計画されている大型アップデートによって、かなり水準が接近すると見られています。Appleはこれについて表立った発表をしてきませんでしたが、2018年6月下旬、TechCrunchの記者マシュー・パンザリーノ氏に対して内部情報を公開しました。

Appleマップはどう改善された?自社開発の新マップが明かす5つの進化ポイント

第一に、今回は自社でデータを収集しているという点です。ここ数年、Appleは衛星画像と、Googleのストリートビュー撮影車を彷彿させる専用車両を駆使して、世界中(特にサンフランシスコ)の地図化作業を進めてきました。もうサードパーティのデータに頼りません。すべてをApple自身が保有します。これは品質管理だけでなく、更新スピードの面でも重要です。新しい道路の追加を外部プロバイダーに待つ代わりに、Appleがその作業を自ら担うことになるのです。

Appleマップはどう改善された?自社開発の新マップが明かす5つの進化ポイント

第二に、10億台のiPhoneを作業に参加させている点です。厳格なプライバシー保護策を組み込んだうえで、ユーザーの移動データを匿名で収集し、経路案内システムの改善や、問題箇所・更新が必要な地点の特定に役立てます。ユーザーが追跡されることはありません。移動の起点と終点は端末内に保存されたまま外部に出ず、Appleに送信されるのは、位置・方向・速度を匿名化した断片データのみです。

Appleマップはどう改善された?自社開発の新マップが明かす5つの進化ポイント

第三に、本格的な3D化への取り組みです。従来からのフライオーバー機能だけでなく、Googleのような超高精細な3D建物モデル(衛星画像から屋上の空調設備まで読み取れるほど精緻)を実現しようとしています。街路レベルでのナビゲーションや、言葉よりも形で把握したほうが直感的に分かりやすい土地での案内において、これは非常に有効です。

Appleマップはどう改善された?自社開発の新マップが明かす5つの進化ポイント

第四に、専用車両で収集した画像・データと3Dデータ、さらに人手による編集を組み合わせ、より正確できめ細かな詳細情報を作り上げています。建物の入り口や店舗が見つけやすくなるほか、樹木の被覆、公園、スポーツ施設、水域(プールまで)も地図に反映され、視覚的なナビゲーションが格段にしやすくなります。

Appleマップはどう改善された?自社開発の新マップが明かす5つの進化ポイント

第五の大型アップグレードは、ビジュアル全体の刷新です。Appleは、アプリ内で表示される標識やマーカーが実物と同じ見た目になるよう、多大な労力を注いでいます。標識上の文字列の順序を揃えるといった重要なディテールから、ニューヨーク地下鉄の案内にヘルベチカ書体を使うといった細部に至るまで、徹底的にこだわっています。

提供開始はいつ?

Appleマップはどう改善された?自社開発の新マップが明かす5つの進化ポイント

現時点で新マップを利用できるのは、①iOS 12の後期ベータ版をインストールしており、②サンフランシスコ在住である場合のみです。現在稼働しているのはこの地域だけだからです。同年秋にiOS 12が正式リリースされれば北カリフォルニア全域がカバーされる予定で、Appleは世界各地に地図作成チームを配置していることを確認済みのため、今後は順次対応地域を拡大していくとみられます。初回リリース時の失敗を踏まえ、今回は時間をかけて確実に仕上げる姿勢なのでしょう。

なぜこれが重要なのか

ゼロから世界地図を構築するフルスタックを持つ企業は、現在Google、TomTom、Here、OpenStreetMapの4社のみですが、Appleの参入でその数は25%増加することになります。完成品次第では、Appleマップが世界第2位の地図ソフトウェアになる可能性もあります。もちろん、完成した製品に触れられない段階で「Googleマップキラー」と呼ぶのは早計ですが、期待に応える出来なら十分あり得る話です。また、Appleの自動運転車プロジェクトを支援するために最適化されているのではないかとの憶測もあります。

ただし、市場を本当に制覇するには、Apple製品を使っていない多数の地図ユーザーのために、AndroidアプリとWebアプリの両方をリリースする必要があるでしょう。そうしなければ、膨大なレビューと活発なユーザー投稿によるGoogleのネットワーク効果に対抗するのは難しくなります。もちろん、広告やユーザー追跡に消極的なAppleのことですから、Appleマップをプレミアムサービスとして位置づけ、Appleエコシステムへの参入を促す材料にする可能性もあります。2012年の初公開時からすれば、まさに大逆転劇といえます。いずれにせよ、高品質なデジタル地図の選択肢が一つ増えることは、誰にとっても良いことでしょう。

  1. Windowsでオフラインマップを使いこなす方法:ダウンロードから管理まで徹底解説

    「マップ(Maps)」アプリは、かつて「Windows マップ」と呼ばれていた、Microsoftが提供するGoogle Mapsの対抗馬ともいえる地図アプリです。ルート案内を手軽に取得できる便利なツールですが、常にインターネットに接続できる環境があるとは限りません。 そうした状況を考慮し、Microsoftはオフラインマップ機能を用意しています。これを活用すれば、インターネット接続がなくても目的地へのナビゲーションが可能になります。この記事では、Windowsでオフラインマップを活用・管理する最適な方法を詳しく解説します。 オフラインマップのダウンロード方法 Windowsでオフラインマップ

  2. AppleマップがGoogleマップより優れている5つの理由

    ナビゲーションアプリといえば、多くの人が最初に思い浮かべるのがGoogleマップでしょう。驚くことに、iPhoneユーザーの間でもiOS標準のマップアプリではなくGoogleマップを選ぶ人が少なくありませんでした。確かに、Appleマップは登場当初こそ評判が今ひとつで、メインのナビゲーションアプリとして選ばれることはあまりありませんでした。しかし、その後開発チームが長年にわたり改良を重ねた結果、現在のAppleマップは遜色ないどころか、独自の強みを持つアプリへと進化しています。今回は、AppleマップがGoogleマップよりも優れた選択肢になり得る5つの理由をご紹介します。1. Flyover