Raspberry Pi 4にAndroid 9をインストールする方法【タッチスクリーン対応・Google Play導入まで完全解説】
Raspberry Piの大きな魅力は、ニッチなOSを含む幅広いオペレーティングシステムを自由にインストールできることです。Raspberry Pi向けに設計されたOSのほうが安定した使い心地が得られますが、Androidアプリへのアクセスなど、特定の機能が必要になる場面もあるでしょう。
本記事では、Raspberry Pi 4にAndroid 9.0をインストールし、タッチスクリーンに対応させる方法を詳しく解説します。動作にもたつきを感じることもありますが、マルチタッチやタッチパネル操作が可能になり、膨大な種類のAndroidアプリを利用できるうえ、「Raspberry PiでAndroidを動かせた」という自慢のネタにもなります。
用意するもの
このチュートリアルを完了するには、以下のものが必要です。
- Raspberry Pi 4本体
- SDカード
- Android 9.0のシステムイメージをダウンロードするためのノートパソコンまたはデスクトップPC
- Raspberry Piに対応した電源ケーブル
- micro HDMIケーブル
- 外部モニター(本格的なAndroid体験を求めるなら、タッチスクリーン対応ディスプレイ)
- 外付けキーボードと、それをRaspberry Piに接続する手段
- マウス、または外付けキーボードのトラックパッド
- (任意)イーサネットケーブル
道具が揃ったら、さっそくRaspberry PiでAndroid 9.0を動かしてみましょう。
LineageOS 16.0のダウンロード
今回は、Android 9.0ベースのイメージとしてLineageOS 16.0のビルドを使用します。ただしこのビルドは非公式のものであり、LineageOSチームによるサポート対象外です。また、ゲームや高解像度動画のストリーミングといった負荷の高い処理には基本的に向いていない点に注意してください。
システムイメージをSDカードに書き込むには、無料ツール「balenaEtcher」を使用します。まだPCにインストールしていない場合は、balenaEtcherの公式サイトから最新版をダウンロードしておきましょう。
- KonstaKANGのサイトにアクセスし、LineageOS 16.0をダウンロードします。
- SDカードをノートパソコンまたはPCに挿入します。
- Ethercherアプリケーションを起動します。
- 「Select image」をクリックし、先ほどダウンロードしたLineageOSファイルを選択します。
- 「Select target」をクリックし、書き込み先としてSDカードを選択します。
あとはEtcherが自動的にシステムイメージをSDカードへ書き込みます。
Raspberry PiでAndroidを起動する
いよいよRaspberry Pi上でAndroidを初めて動かしてみましょう。
- SDカードをPCから取り外し、Raspberry Piに挿入します。
- micro HDMIケーブルでモニターをRaspberry Piに接続します。
- キーボードをRaspberry Piに接続します。
- イーサネットケーブルをRaspberry Piに接続します。
- Raspberry Piに電源を接続すると、自動的に起動します。
- 数分待つと「Lineage」のウェルカム画面が表示されるので、「次へ」をクリックします。

- 言語の選択、日付と時刻の設定、Wi-Fiネットワークへの接続など、通常の初期セットアップを進めます。
- 必要な情報をすべて入力したら、「開始」をクリックします。
これでAndroidのメイン画面が表示されます。

Google Playの導入を忘れずに!
これでAndroidは起動しましたが、LineageOSにはGoogle Playがプリインストールされていません。Google Playを使えるようにするには、Google Playとその動作に必要な各種サービスをまとめた「GApps」をダウンロードしてインストールします。さらに、デバイスを識別するコードを生成しGoogle Playへの接続を可能にするため、「Device ID APK」も必要です。
- AndroidにプリインストールされているWebブラウザを起動し、GAppsのサイトへアクセスします。
- 「ARM」「Android 9」「Pico」を選択し、ダウンロードアイコンをクリックします。

- 次に、APKMirrorのサイトにアクセスし、Device ID APKをダウンロードします。
GAppsファイルを移動する
以降の手順を簡単にするため、GAppsファイルをストレージのルート直下に移動しておきます。
- 画面の下端から上へスワイプして、アプリドロワーを開きます。

- 「Files」アプリを見つけてタップします。
- 「Downloads」を選択します。
- 先ほどダウンロードした「GApps」ファイルを探し、左側のメニュー方向へドラッグします。「Raspberry Pi 4」の上でドロップしてください。

これで、リカバリーモードで起動したときにファイルを見つけやすくなります。
隠された開発者向けオプションを有効化する
ターミナルへアクセスできるよう、開発者向けオプションを有効にします。
- 画面の下端から上へスワイプして、アプリドロワーを開きます。
- 「設定」アプリを選択します。
- 「タブレット情報」を開きます。

- 「ビルド番号」の項目を見つけ、「開発者向け設定を有効にしました」というポップアップが表示されるまで繰り返しタップします。

- メインの「設定」画面に戻り、今度は「システム → 詳細設定 → 開発者向けオプション」へ進みます。
- 「Rootアクセス」をタップし、表示されたポップアップで「アプリとADB」が選択されていることを確認します。

- ルートアクセスの許可を求められたら、「OK」をクリックします。
- 「開発者向けオプション」画面を一番下までスクロールし、「ローカル端末」を見つけて、横のスライダーを「オン」の位置にします。
これで「設定」アプリを終了できます。
ターミナルへアクセスするにはRaspberry Piの再起動が必要です。キーボードのF5キーを押すと「電源」メニューが開くので、「再起動」を選択しましょう。
Androidのリカバリーモードで起動する
リカバリーモードで起動する手順は以下の通りです。
1. 画面の下端から上へスワイプして、アプリドロワーを開きます。
2. 「Terminal」を選択します。
3. ターミナルウィンドウに次のコマンドを入力します。
su
4. キーボードのEnterキーを押します。表示されたら「選択を記憶」を選び、続けて「許可」を選択します。
5. ターミナルに次のコマンドを入力します。
rpi4-recovery.sh
Enterキーを押し、続けて以下のコマンドを実行します。
reboot
Enterキーを押します。

これでAndroidがリカバリーモードで再起動します。
GAppsをインストールし、Dalvikキャッシュを消去する
GAppsをインストールする手順は以下の通りです。
1. リカバリーモードで「変更を許可するためにスワイプ」のスライダーを「オン」の位置までドラッグします。

2. 「Install」を選択し、先ほどダウンロードしたGAppsパッケージを見つけます。
3. GAppsをタップし、「フラッシュを確認するためにスワイプ」のスライダーをドラッグします。これでGAppsがインストールされます。
4. 「ワイプするためにスワイプ」のスライダーをドラッグして、Dalvikキャッシュを消去します。
5. 「Dalvikワイプ完了」の画面が表示されたら、「戻る」ボタンをクリックします。
6. 画面左上の「Team Win Recovery Project」アイコンを選択し、メインメニューへ戻ります。
7. 「Wipe」をクリックします。
8. 「工場出荷状態にリセットするためにスワイプ」のスライダーをドラッグします。
9. 表示されたら「戻る」をクリックし、左上の「Team Win Recovery」ボタンを選択して、再度メインメニューへ戻ります。
10. 「Mount」をクリックします。
11. 「Boot」「System」「Data」がすべて選択されていることを確認し、「Team Win Recovery Project」アイコンをクリックしてメイン画面へ戻ります。

12. 「詳細設定 → Terminal」をクリックします。
13. ターミナルからシステムを再起動するため、次のコマンドを入力します。
rpi4-recovery.sh boot
キーボードのEnterキーを押します。
14. ターミナルに次のコマンドを入力します。
reboot
Enterキーを押すと、システムが再起動します。
Androidが起動したら、Google利用規約への同意や保護用PINの設定など、追加のセットアップが必要になる場合があります。このセットアップを完了すると、ホーム画面に新しい項目が現れます。そう、Google Playがデバイスにインストールされたのです!
ただし、ここで一つ注意点があります。Google Playアプリを起動しようとすると、「お使いのデバイスはPlay Protect認証されていません」という警告が表示されます。最後の作業は、Device ID APKを使ってコードを生成し、そのコードでデバイスを認証することです。
Play Protect認証:Googleへのデバイス登録
Device IDのコードを生成する手順は以下の通りです。
- 画面の下端から上へスワイプしてアプリドロワーを開き、「Files」を選択します。
- 「Downloads」フォルダへ移動します。
- 先ほどダウンロードしたDevice ID APKを見つけてダブルクリックし、起動します。表示されたら「Install」を選択します。
- アプリドロワーを開き、新しくインストールされたDevice IDアプリを選択します。
- アプリが起動したら「Google Service Framework」をクリックします。ポップアップにコードが表示されるので、「Copy」をクリックします。
- 画面上部に「デバイスがPlay Protect認証されていません」という警告が表示されているはずなので、これをクリックしてポップアップを開きます。
- ポップアップ内の「カスタムROMユーザー(Custom ROM users)」セクションまでスクロールし、リンクをクリックします。Androidの標準Webブラウザが起動します。
- 表示されたら、Gmailアカウントにログインします。
- ログインできたら、Device ID APKでコピーしたコードを「Register(登録)」フィールドに貼り付けます。
- 「Register」を選択します。GoogleがこのデバイスをカスタムROMとして登録し、Google Playへのアクセスが可能になります。
変更内容は再起動後に有効になるため、F5キーを使ってシステムを再起動しましょう。
Raspberry Piの再起動が完了したら、Google Playアプリを起動してGmailアカウントでサインインします。これで、Raspberry Pi 4にAndroidアプリをダウンロードする準備が整いました!
初めてGoogle Playにアクセスしたときにエラーメッセージが表示された場合は、15分ほど待ってみてください。GoogleがIDの登録を完了するまでに時間がかかることがあります。
Android 9.0は本来Raspberry Pi向けに設計されたものではありませんが、タッチスクリーン対応とAndroidアプリの巨大なエコシステムへのアクセスを兼ね備えた、ユニークな環境を提供してくれます。もちろん、Raspberry Pi 4の活用方法はこれ以外にもたくさんあります。
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