iPhoneの集中モードを徹底解説:内蔵機能をカスタマイズして通知を自在にコントロールしよう
iPhoneの「おやすみモード」は、かつてすべての通知を一括で抑制するだけのシンプルなスイッチでした。しかしiOS 15以降、「集中モード(Focus)」と呼ばれるプロファイル群へと進化し、格段に便利な機能になっています。
最初は設定に戸惑うかもしれませんが、一度きちんと構成してしまえば、手放せなくなるはずです。どの通知に、いつ注意を向けるのかを完全にコントロールできるようになります。
筆者は2014年にMUOに参加し、コンピュータ情報システムの学位を取得後、2016年にITの仕事を離れて同サイトに専念。2017年から編集チームに加わり、現在はシニアエディターとしてデバイス・ホーム部門を統括しています。Windows、Android、ゲーム、iPhone関連の解説記事を専門とし、執筆記事の累計閲覧数は1億回を超えています。
集中モードの基本設定をマスターしよう
まずは「設定」アプリを開き、「集中モード」セクションに移動します。さまざまな集中モードの一覧が表示され、それぞれ個別のオプションでカスタマイズ可能です。ここでは例として一つ見ていきましょう。
各集中モードを制御する中心的なセクションが「通知を許可」です。「人」をタップし、選択したグループからの通知を「許可」するか「消音」するかを決めます。連絡先のリストは「人を追加」で設定しましょう。
許可リストを設定した場合は、「着信を許可」のオプションも指定が必要です。「すべての人」「許可した人のみ」「お気に入り」「連絡先のみ」から選べます。連絡先アプリで作成したグループも候補に表示されます。逆に特定の人を消音にした場合は、その人からの着信を許可するスライダーが現れます。
「App」セクションも同様の構成で、選択したアプリからの通知を「許可」または「消音」できます。通常なら消音される場面でも、緊急性の高いアラートを届けたいときは「時間的制約のある通知」スライダーをオンにしましょう。
どちらの設定が最適かは、集中モードの目的によって変わります。筆者のおすすめは、うるさい通知源を一つずつ制限するのではなく、少数の人とアプリだけを許可する方法です。同僚や家族など、限られたグループに絞る方が管理が簡単です。一方、特定のうるさいアプリだけを静かにしたいなら、「消音」を選んで除外するのがよいでしょう。
画面・スケジュール・フィルタのカスタマイズ
通知を送れる人とアプリを選んだら、モードをさらに自分仕様にする追加設定も活用しましょう。
「オプション」には通知関連のクイック設定がいくつかあります。特に便利なのが「通知を消音」で、「常に」から「ロック中のみ」に変更すれば、iPhoneを使用中もアラートを受け取れるようになります。
「画面をカスタマイズ」では、この集中モードが有効な間に表示するカスタムロック画面を選択(または新規作成)できます。同様に、ホーム画面を特定のページに制限することも可能です。Apple Watchをお持ちなら、集中モードごとに特定の文字盤を紐付けることもできます。

集中モードごとに固有の壁紙を設定しておくと、一目でどのモードが有効か判別できて便利です。
「スケジュールを追加」を使えば、手動操作なしで適切なタイミングに集中モードを有効化できます。特定の時間、特定の場所にいるとき、特定のアプリ使用中のいずれかを条件に設定可能です。「スマート有効化」オプションもありますが、誤作動することもあるので注意が必要です。
さらに「集中モードフィルタ」を使うと、特定の集中モード有効時に一部のアプリのコンテンツを非表示にできます。たとえば「メール」アプリで仕事用の受信箱だけを表示する、といった使い方が可能です。対応アプリは多くありませんが、使っているアプリ次第で大きな効果を発揮します。
ページ下部の「システムフィルタ」では、集中モード使用中にダークモードや低電力モードを自動的に有効にするといった変更も適用できます。
知っておきたい特別な集中モードのオプション
ほとんどの集中モードは上記の共通オプションに従いますが、いくつかのモードには特別な挙動があります。
「運転」は、車のBluetoothやCarPlayに接続すると自動的に有効化できます。さらに、選択した連絡先へ「運転中であること」を伝えるメッセージを自動返信する機能も備えており、CarPlay連携の目玉機能といえます。
「フィットネス」は、フィットネスアプリやApple Watchでワークアウトを開始したときに有効化するオプションがあります。「睡眠」はヘルスケアアプリで設定した睡眠スケジュールに基づいて自動的にオンになり、「ゲーム」はコントローラーを接続したときに起動します。
Apple Intelligenceを有効にしている場合は、AIがどの通知が重要かを判断する特別な「通知を減らす」集中モードが利用できます。この場合、各集中モードに「インテリジェンスによる通知の許可と消音」トグルも表示され、同様の効果が得られます。
「集中モードのステータス」を共有すると、相手に集中モード中であることが伝わり、即返信を求められなくなるので便利です。すべてのアプリで共有されるはずですが、実際に動作を確認できたのはメッセージのみです。また、Appleデバイスを複数お持ちなら、「デバイス間で共有」を有効にすることで、現在の集中モードがすべてのデバイスに適用されます。
独自の集中モードを作成する
既存のモードだけでは足りない場合は、右上のプラスアイコンをタップして新しいモードを追加しましょう。「ゲーム」や「読書」などの既製テンプレートを有効化することもできますし、まったく新しいものをゼロから作ることも可能です。カスタム集中モード(および既存のほとんどのモード)には、識別用の絵文字とカラーを設定できます。
筆者が実際に作成したのは「電話のみ」というモードです。全員からの着信を許可しつつ、それ以外の通知をすべて抑制します。電話を待っているけれど、メッセージやアラートには邪魔されたくないときに重宝しています。
あらゆる状況に対応する集中モードを作りたくなりますが、増やしすぎるとかえって混乱のもとです。まずは一日の大部分をカバーするいくつかのモード(仕事、睡眠、運転、自宅など)を整え、必要に応じて拡張していくのがおすすめです。
集中モードを最大限に活用するコツ
必要なときに素早く集中モードを切り替えるなら、コントロールセンターを開いて「集中モード」項目をタップするのが最速です。三点リーダーメニューから、有効時間の長さも変更できます。
なお、「時間的制約のある通知」の定義はアプリごとに異なります。あるアプリがこれを頻繁に送ってくるようなら、「設定」>「App」>[アプリ名]>「通知」と進み、「時間的制約のある通知」スライダーをオフにしましょう。こうすることで、そのような通知が集中モードを突破するのを防げます。
「おやすみモード」は「アラーム以外は通知なし」という広範なモードとして維持することをおすすめします。通知が押し寄せて圧倒されそうなときに、確実な静けさを得られます。このモードに例外を設けるのは避けましょう。静かにするつもりでオンにしたのに、突然の着信音で恥ずかしい思いをするリスクがあります。
おやすみモードで最大の心配は、重要な連絡を見逃すことです。集中モードにはこれを防ぐ仕組みが用意されています。第一に、「繰り返し着信を許可」を有効にすれば、同じ人からの2回目の着信(数分以内)が集中モードを突破して届きます。第二に、メッセージで集中モードのステータスを見た相手は、緊急の用件があれば「通知」をタップして強制的に通知を送れます。
また、絶対に消音したくない相手がいるなら、連絡先を個別にカスタマイズしましょう。「連絡先」アプリで該当する相手を開き、右上の「編集」をタップして「着信音」を選択します。上部の「緊急時のバイパス」を有効にすると、その人からの着信はデバイスが集中モード中でも鳴ります。「メッセージ着信音」でも同じ設定が可能です。
集中モードで通知のコントロールを取り戻そう
複数の集中モードを使い分けるのは最初は大げさに感じるかもしれませんが、自分のライフスタイルに合わせて設定すれば、強力なツールになります。どの通知に注意を向けるかを制限することは生産性向上の鍵であり、集中モードはそのための最良の手段です。すべての通知音に常に気を取られる必要はありません。
さらに踏み込みたい方は、iPhoneのショートカットと集中モードを組み合わせてみてください。特定の集中モードを有効にしたときに自動でアクションを実行したり、モード切り替え時に条件分岐を追加したりと、活用の幅が大きく広がります。
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