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iPhoneのアプリを常に閉じてはいけない理由|iOSの仕組みから徹底解説

多くのiPhoneユーザーは、Appスイッチャーを開いて表示中のアプリをすべてスワイプで閉じる習慣があるかもしれません。しかし、その習慣は今すぐやめるべきです。

よく「バッテリー持ちに良い」と言われていますが、実際には効果がないどころか、iPhone本来の動作の妨げになってしまいます。この記事では、iPhoneでアプリをこまめに閉じてはいけない理由を詳しく解説します。

iPhoneでアプリを閉じる基本操作

まず、アプリを閉じるとはどういう操作なのか確認しておきましょう。iPhoneでアプリを閉じるには、まずAppスイッチャーを開きます。Appスイッチャーには最近使ったアプリのプレビューが表示され、タップするだけでアプリを切り替えられます。

Appスイッチャーの開き方は、機種によって異なります。Face ID搭載モデルでは、画面下部から上にスワイプして画面中央付近で一時停止します。ホームボタン搭載モデルでは、ホームボタンを素早く2回押してください。

Appスイッチャーを開いたら、左右にスワイプしてアプリを探し、閉じたいアプリのプレビューを上方向にスワイプすると、そのアプリがリストから削除されます。

iPhoneのアプリを常に閉じてはいけない理由|iOSの仕組みから徹底解説 iPhoneのアプリを常に閉じてはいけない理由|iOSの仕組みから徹底解説

iPhoneのアプリを常に閉じてはいけない5つの理由

アプリを頻繁に閉じるのは逆効果であり、iOS(iPhoneのOS)の設計思想にも反する行為です。以下、その理由を順番に見ていきましょう。

1. アプリはバックグラウンドでは動いていない

「Appスイッチャーに表示されているアプリはすべてバックグラウンドで動作しており、iPhoneのリソースを消費している」という誤解が広く浸透していますが、これは事実ではありません。Appleの公式サポートページには次のように記載されています。

別のアプリに切り替えた後、一部のアプリは短時間動作した後、停止(サスペンド)状態になります。停止状態のアプリは使用中ではなく、開いてもおらず、システムリソースも消費していません。

つまり、Appスイッチャーに表示されるアプリのほとんどは、実行中のプロセスではないのです。Appスイッチャーは「実行中プロセスの一覧」ではなく、以前使っていたアプリに素早く戻れるようにするための便利機能と考えるのが正しい理解です。

Appスイッチャーは、WindowsのタスクマネージャーやMacのアクティビティモニタとは異なります。アプリの動作を止めるために手動で閉じる必要はないのです。

2. iPhoneはRAMを自動で管理している

この点は前述の内容に関連します。iOSはデバイスのリソース管理に非常に優れており、アプリを頻繁に閉じると、かえってiOSに余計な負担をかけることになります。

iPhoneも他のコンピュータと同様、実行中のプロセスを保存するためのRAM(メモリ)容量には限りがあります。iOSは定期的に不要になったアプリをRAMから取り除き、新しく起動するアプリのための空き容量を常に確保しています。

しばらく触っていないアプリは自動的に終了され、後で開くときに再度起動します。実際に確認してみてください。Appスイッチャーを開いて左から右へスクロールし、リストの奥深くにあるアプリをタップしてみましょう。そのアプリは前回の続きから再開されず、最初から起動するはずです。これは、現在使っているアプリのために、そのアプリが以前停止されたためです。

一方、最近まで使っていたアプリについては、iOSが一時的にフリーズ状態にし、再度開いたときにすぐ復元できるようになっています。この処理は非常に高速なので、アプリが凍結されていたことに気づかないほどです。

アプリを頻繁に閉じると、iOSによる自動的なプロセス管理が妨げられ、凍結されたアプリを即座に再開できるというメリットも失われます。

3. アプリを閉じると再読み込みが発生する

アプリを強制終了し続けると、よく使うアプリの利便性が損なわれます。

例えば、メッセージアプリで友人とやり取りしていて、返信のたびにアプリをスワイプで閉じるとします。新しいメッセージが届くたびに、メッセージアプリを開いて該当の会話を選び直す必要があります。アプリを開いたままにしておけば、ロック解除後すぐにその会話へ戻れるので、はるかに効率的です。

一度にかかる時間差はわずかでも、1日のうちに積み重なれば無視できません。しかも、時間だけでなくバッテリーにも悪影響です。アプリを閉じてまた開く作業を繰り返させると、開いたままにしておく場合よりも、iPhoneは多くの処理を行うことになります。

例えるなら、ポケットにしまうたびにスマホの電源を切り、使うたびに電源を入れ直すようなものです。非効率で電力の無駄ですが、アプリをスワイプで閉じる行為は、これを小さなスケールで繰り返しているのと同じことなのです。

4. Appスイッチャーの利便性が下がる

アプリをすべて閉じ続けると、Appスイッチャーの有用性も低下します。Appスイッチャーの目的は、直前に使っていたアプリへ素早くアクセスできるようにすることです。常に空の状態なら、毎回ホーム画面やSpotlight検索からアプリを起動しなければなりません。

これは時間の無駄であり、特にメインのホーム画面やDockに登録されていないアプリの場合、その負担は大きくなります。

5. Apple自身が「不要」と明言している

ここまでの説明でも納得できないなら、Apple関係者本人たちの発言を聞いてみましょう。

Appスイッチャーに「すべて閉じる」ボタンが存在しないこと自体が、Appleの意図を物語っています。もしAppleが定期的に全アプリを閉じることを推奨しているなら、そのようなボタンを用意して簡単に実行できるようにするはずです。

Appleのサポートページには「アプリを閉じるのは、応答しない場合のみにすべき」と記載されています。頻繁にアプリを閉じることがiPhoneに良い影響を与えるなら、Appleはそれを明確に伝えているでしょう。

さらに2016年には、9to5MacがTim Cook宛てのあるメールを紹介しました。「iOSアプリを頻繁に閉じるのは良い考えか? バッテリー持ちのために必要か?」という質問に対し、Appleのソフトウェアエンジニアリング担当SVPであるCraig Federighiは「No and No(どちらもノーだ)」と回答しています。

iOSの設計を統括する人物こそ、その仕組みを最もよく知っているのは当然ですよね。

アプリを閉じたほうがいいケース

ここまでの説明で、アプリを頻繁に閉じるべきでない理由はご理解いただけたはずです。ただし、アプリを閉じることが適切な場面もあります。

前述の通り、アプリがフリーズしたり応答しなくなったりした場合は、閉じて再起動するのが基本的なトラブルシューティングの手順です。

また、実際にバックグラウンドで動作するタイプのアプリは、使い終わったら閉じて問題ありません。iOSでバックグラウンド動作するのは、音楽プレーヤー、ナビゲーションアプリ、ボイスレコーダーなどです。例えばSpotifyで音楽を再生していて止めたい場合は、アプリをスワイプで閉じればすぐに停止できます。

その他の実用的な使い方として、Appスイッチャーを整理するために特定のアプリを時々閉じるのもアリです。あまり使わないアプリを開いた場合は、スイッチャーから削除しておくと、よく使うアプリ間の切り替えがスムーズになります。

最後に閉じるべきカテゴリーは、権限を悪用してバックグラウンドで動き続けようとする可能性のあるアプリ(Facebookなど)です。ただし、iOSのルールを守らないアプリだと疑うなら、そもそも端末からアンインストールすべきでしょう。

「Appのバックグラウンド更新」設定を見直そう

ほとんどのiPhoneアプリはバックグラウンドで能動的に動作しませんが、「Appのバックグラウンド更新」機能により、未使用の間も新しいデータを取得できるものが多くあります。例えばニュースアプリは見出しを最新に保ち、クラウドストレージサービスは写真を自動バックアップするかもしれません。

この動作を望まない場合は、「設定 > 一般 > Appのバックグラウンド更新」に移動してください。そこで、バックグラウンド更新を許可するアプリを選択したり、Wi-Fiのみで有効にするか、Wi-Fiとモバイルデータ通信の両方で有効にするかを設定できます。

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まとめ:iPhoneでのアプリ連打終了は今すぐやめよう

Appスイッチャーのアプリを全部スワイプで閉じるのはやめましょう。iOSが本来意図した通りに動作できなくなり、理由もなくアプリの再読み込みを強制して電力を浪費し、アプリの切り替えも不便になります。Appleも複数の場面で「不要」と明言しています。

もしついアプリを閉じてしまうのが癖になっているなら、スマホの使用時間を減らすための簡単な方法を試してみるのもおすすめです。

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