CPUストレステストのやり方を徹底解説!おすすめツールと正しい実施方法
CPU(中央演算処理装置)は、パソコンが動作するために必要なあらゆる中核的な計算処理を担う、いわばPCの「頭脳」にあたる部品です。GPU(グラフィックス処理装置)など他のプロセッサも存在しますが、CPUほど汎用的で柔軟な処理能力を持つものはありません。
大切な作業の最中にCPUがフリーズしてしまったら…。オンラインゲームの激戦中でも、クライアントから納期を求められている動画レンダリング中でも、CPUが高負荷に耐えられるかどうかを事前に把握しておくことは非常に重要です。そこで役立つのが「CPUストレステスト」です。

CPUストレステストとは?
CPUストレステストとは、CPUに極めて困難な計算問題を大量に与え、その処理能力を限界まで引き出すために設計されたソフトウェアです。膨大な数の難問をCPUに押し付けることで、CPUが発揮できる最大性能を試すことができます。
実際の作業環境では、たとえCPU使用率が100%になるようなタスクでも、このテストのような過酷かつ持続的な負荷がかかることはほとんどありません。「なぜわざわざCPUを酷使する必要があるのか」と思うかもしれませんが、実はPC自作やメンテナンスにおいて重要な工程の一つなのです。

CPUストレステストを行う理由
CPUストレステストは、CPUを限界まで追い込み、重い負荷に耐えられるかどうかを確認するためのものです。CPUは動作時に熱を発生するため、一定の温度以下に保つ必要があります。温度が上がりすぎると計算ミスが発生したり、最悪の場合は永久に故障してしまうこともあります。また、CPUが依存する周辺機器やCPU内部のサブコンポーネントに不具合がある場合、ストレステストによってクラッシュやフリーズという形で問題が露呈することが多いのです。
実際の場面では、主に以下の2つのケースでストレステストが行われています。
1. 組み立て後の動作確認(バーンイン)
1つ目は、PCを組み立てた後の動作確認です。一部の高級PC組み立て業者では「バーンイン(burn-in)」と呼ばれる期間を設け、新しく組み上げたPCに対して24時間連続で負荷をかけ続けます。これは、万が一不良品のパーツが含まれていた場合、バーンイン期間中に故障が表面化するためです。

2. オーバークロックの安定性検証
2つ目は、オーバークロックの安定性検証です。オーバークロックとは、CPUをメーカー推奨の速度よりも高いクロック周波数で動作させることです。オーバークロックを行った際には、必ずストレステストを実施し、過熱や不安定動作がないことを確認しましょう。
また、オーバークロックをしていない場合でも、新しい冷却システムの効果を検証する目的でストレステストは有効です。それでは、どのストレステストツールを使えばよいのでしょうか?
おすすめのCPUストレステストツール
CPUに負荷をかけるためのアプリケーションは数多く存在します。中には特定の用途に特化したものもあり、自分のPCの使用目的に合っていれば有力な選択肢になります。しかし、大多数のユーザーにとっては、長年にわたり定評のある汎用ツールで十分でしょう。
Prime95
Prime95は、PC上で実行できるソフトウェアの中でも特に強烈な熱を発生させることで知られています。本来の目的は最大の素数(1とその数自身でしか割り切れない数)を探す数学プロジェクト用ツールですが、初回起動時に研究プロジェクトへの参加を解除できます。ストレステスト専用として使う場合は、必ずオプトアウトしておきましょう。
ストレステストモードでプログラムを起動すると、負荷の種類を選択できます。

「Blend」オプションはシステム全体のテストに最適ですが、RAMなど特定のコンポーネントに絞ったテストも可能です。
ワーカー数(スレッド数)は自動入力されますが、CPUのコア数と同じか、ハイパースレッディング対応CPUならその2倍であるべきです。例えば6コア12スレッドのCPUなら、「Workers」を12に設定します。設定が完了したら「OK」を押せば、テストが開始されます。

これでCPUがフル稼働し、ファンの回転音が一気に大きくなるはずです。希望の時間だけテストを実行し、エラーが出なければ「Test」→「Stop」を選択して、頑張ったCPUを休ませてあげましょう。
HeavyLoad
Prime95とは異なり、HeavyLoadは科学計算ツールを転用したものではなく、最初からPCのストレステスト専用として開発されたアプリケーションです。最大の特徴は、CPUとGPUに同時に負荷をかけられる点です。システム全体の安定性を確認したい場合や、両方のプロセッサに大きな負荷がかかる用途でPCを使用する予定があるなら、非常に便利な機能です。
ツールバーのボタンで、どのコンポーネントに負荷をかけるかを切り替えられます。デフォルトのCPU+GPU構成で問題なければ、再生ボタンを押すだけでテストが始まります。

HeavyLoadはPrime95ほど極端な熱を発生させませんが、より現実的な最大負荷を再現します。Prime95は耐久テストのゴールドスタンダードですが、実際のソフトウェアでここまで直接的な計算負荷をかけるものはほぼありません。HeavyLoadに耐えられたなら、ゲームなどの用途でも十分安定して動作すると考えられます。
CoreTemp(温度・システム情報の確認)
ストレステストを行う重要な目的の一つは、CPUが過熱していないかを確認することです。CoreTempは、ハードウェアに関する重要な情報を提供してくれる信頼性の高いツールです。CPUのリアルタイムのクロック速度や技術仕様などを表示できます。

もちろん、CoreTempを使う最大の理由は、リアルタイムの温度表示です。CPUの各コアごとに個別の温度モニターが用意されており、ストレステスト実行中に温度上昇を目視で確認できます。CPUが最大許容温度に達すると、熱を抑えるためにクロック速度を落とす「サーマルスロットリング」が発生したり、保護機能としてシステムがシャットダウンしたりします。
CoreTempなら、こうした挙動をすべてリアルタイムで監視できるため、電圧の不安定さ、スロットリング、過熱のどれがCPUの異常動作の原因なのかを突き止めるのに非常に役立ちます。
適切なストレステストの進め方
ストレステストの開始ボタンを押すのは簡単ですが、正しい結果を得るためにはいくつかのポイントがあります。まず、テストは十分な時間実行する必要があります。一般的に、24時間テストを完走できれば、システムが高負荷で落ちる可能性は極めて低いと言えます。
ただし、オーバークロックで最適な周波数・電圧・ファン回転数の組み合わせを探している段階では、調整のたびに24時間待つわけにはいきません。その場合は、CPU温度が安定するまでテストを続けましょう。空冷なら比較的早く安定しますが、水冷の場合は時間がかかることもあるため、15〜30分程度を目安にするとよいでしょう。
もう一つ覚えておきたいのは、Prime95で落ちたからといって、ゲームが100%安定して動かないとは限らないという点です。オーバークロックをしていない状態でPrime95に失敗する場合は、冷却環境の改善や、冷却パーツが正常に動作しているかの確認を優先しましょう。
そして最後に、最も重要なルールを忘れずに。ストレステストはあなたのためではなく、CPUのためのものです!
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