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HDD RAIDとSSD RAID:知っておくべき主な違い

コンピュータのストレージシステムは、常にシステム全体の中で最も遅い部分でした。CPUには高速なキャッシュメモリが搭載されており、RAMとはそれよりやや遅い(それでも十分高速ですが!)速度でやり取りを行います。そして、システムのディスクはさらに桁違いに遅いのです。

RAID(Redundant Array of Independent/Inexpensive Disks:独立/安価なディスクの冗長アレイ)とは、複数のディスクを1つの論理ユニットとしてまとめることで、パフォーマンスや信頼性、あるいはその両方を向上させる技術です。SSDが機械式ハードディスクドライブ(HDD)へ急速に取って代わりつつある現在、「HDD RAIDにするか、SSD RAIDにするか」という選択に直面することが増えています。絶対的な正解は存在しないため、本記事では検討すべきポイントを詳しく解説していきます。

RAIDレベルのおさらい

RAID構成には万能の標準規格はありませんが、広く普及しているいくつかの「RAIDレベル」が存在します。HDD RAIDとSSD RAIDを比較する際には、各RAIDレベルのメリット・デメリットと必要なドライブ数を把握しておくことが重要です。代表的なものを簡単に確認しておきましょう。

  • RAID 0:2台のディスクが必要。冗長性はないが高速で、容量の損失もない
  • RAID 1:2台のディスクが必要。冗長性を提供するが、速度向上はわずかで、容量の50%が犠牲になる
  • RAID 10:4台のディスクが必要。冗長性があり、高速な読み取りと良好な書き込み速度を実現するが、容量の50%が犠牲になる

もちろん、より複雑なRAIDレベル(1E、5、50、6、60など)も存在しますが、一般的なユーザーにとって関心の対象となるのは主にこの3つでしょう。

HDD RAID対シングルSSD

RAIDとSSDの関係について疑問を持つ最も一般的なケースは、この比較ではないでしょうか。まずはここから整理していきます。

機械式ハードディスクは動作が遅いため、スループットを向上させる定番の方法として、同一の2台のドライブをRAID 0構成に組み合わせる手法がよく使われます。データは両方のドライブに「ストライピング」され、システム上は1台のハードディスクとして認識されますが、(理論上は)2倍の転送速度を得られます。各ドライブがデータの異なる部分を保持しているため、あらゆる操作で両方のドライブが同時に稼働できるのが強みです。

しかし残念ながら、生の速度だけで比べると、シングルSSDは常にRAID 0のHDD構成を上回ります。最速クラスの10,000RPM対応SATA IIIコンシューマー向けHDDでも、理論値は最大200MB/s程度。2台をRAID 0にしても、その2倍弱にとどまります。

一方、ほぼすべてのSATA III SSDは、インターフェースの上限である600MB/sに迫る速度を発揮できます。PCIeプロトコルを採用するNVMe SSDであれば、典型的な読み取り速度は2000MB/sを超えます。

つまり、純粋なパフォーマンスを追求するなら、シングルSSDは2台の機械式ドライブの組み合わせに必ず勝つということです。たとえ世界最速のHDDであっても例外ではありません。

信頼性とデータ保護の面でも同じことが言えます。4台のHDDによるRAID 10構成なら、2倍のドライブ速度を得られ、1台が故障してもデータを失うことはありません。それでもなお、シングルSSDの方が信頼性の高いソリューションと言えます。SSDには書き換え可能な回数に上限がありますが、書き込みが不可能になった後でも、ディスク上のデータを読み出せるケースが多いのです。

SSDの突然の故障は極めてまれですが、2台のSSDをRAID 1で運用する選択肢もあります。速度面での大きなメリットはありませんが、1台が完全に故障してもデータを守れます。ただし、データ保全のためだけにRAID 1のSSD構成にお金をかけることはおすすめしません。多くのデスクトップ環境はミッションクリティカルではないため、手頃な外付けドライブやクラウドへバックアップを取る方が、はるかに費用対効果が高いからです。

HDD RAID vs SSD RAID:総合的な比較ポイント

シングルSSDとの比較について整理したところで、次はRAID対RAIDの直接比較を見ていきましょう。すなわち、RAID構成のHDDとRAID構成のSSDを比べるケースです。考慮すべき主な要素は「パフォーマンス」「価格」「データの信頼性」の3つです。順番に詳しく見ていきます。

パフォーマンス

驚くことではないかもしれませんが、SSD RAID構成は生のパフォーマンスにおいて、どのようなHDD RAID構成よりも常に優位に立ちます。本当に重要なのは、SSDをRAIDで運用することでどれほどの性能向上が得られるのか、そしてそれが投資に見合うのかという点です。これは一筋縄ではいかない問題です。

一つの要因は、ハードウェアRAIDとソフトウェアRAIDの違いです。専用のハードウェアRAIDコントローラーは、ソフトウェアベースのソリューションよりも優れたパフォーマンスを発揮します。さらに、速度が向上するにつれて、PC内の他のコンポーネントが制限要因(ボトルネック)になる可能性もあります。

例えば、日常的な使用においては、SATA III SSDとM.2 NVMe PCIeドライブの体感差はほとんどありません。後者はスペック上5〜6倍速いにもかかわらずです。ゲームのロード時間は目立って短縮されず、アプリケーションの動作も必ずしも軽快になるわけではありません。一方、動画編集や大規模データセットの分析など、膨大な帯域幅を必要とする業務用ワークロードでは、提供できる帯域をすべて活用するでしょう。

つまり、2台のSSDをRAID 0に構成しても、平均的なユーザー体験はほとんど向上せず、その予算はシステムの他のパーツに充てた方が賢明だということです。

価格

SSDの価格はここ数年で大幅に下落しましたが、ギガバイトあたりのコストでは依然としてHDDの何倍もします。実際、HDDメーカーは性能面での競争が困難なため、近年は大容量化を軸に差別化を図っています。

このため、SSDは冗長性重視のマスストレージとしてはあまり魅力的ではありません。純粋に冗長性を目的とした構成、あるいは冗長性と性能を兼ね備えたRAID構成におけるHDDは、デスクトップユーザーにとって今なお有用で費用対効果の高い選択肢です。ストリーミングやファイル共有のために家庭用NAS(ネットワーク接続ストレージ)を運用しているなら、HDD RAIDが最も実用的な選択となります。

一方、2台のSSDをRAID 0にした際の速度がどうしても必要な場合や、RAID 1の恩恵を受けられるミッションクリティカルなドライブを運用している場合は、シングルドライブ運用の約2倍のコストを見込む必要があります。その200%の出費が利点に見合うかどうかは、利用者のニーズ次第です。

信頼性と耐久性

SSDの耐久性は、HDDとの比較が難しいテーマの一つです。SSDは書き込みの蓄積によって摩耗していきます。ただし、現代のドライブでは、書き込み耐久性はほとんどのユーザーの使用量をはるかに超える水準に達しています。

また、SSDへの書き込みが不可能になった状態でも、データが完全に失われる可能性は非常に低いです。そもそもRAIDという技術が発展してきた背景には、HDDが故障しやすいという事情があります。正面から比較すると、SSDはあまりにも信頼性が高いため、冗長RAIDを組む必然性が薄れてしまうのです。

明確な答えはない

ここまで見てきたように、「常にHDD RAIDが正解」あるいは「常にSSD RAIDが正解」という画一的な結論は存在しません。最適な選択は、個々のニーズに大きく左右されます。それでも、一般的な指針として以下を挙げることができます。

  • ほとんどのユーザーは、SSD RAIDによる速度向上の恩恵を受けられない
  • 大容量ストレージには依然としてHDD RAIDが最適
  • SSDは十分に信頼性が高いため、RAIDが合理的となるのはミッションクリティカルな用途のみ

それぞれのアプローチがどのような場面で力を発揮するのかが明確になれば、機能面・経済面の両方で最も理にかなった選択ができるはずです。自分の用途と予算に照らし合わせて、最適なストレージ構成を選びましょう。

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