仮想環境からのデータ復元方法|階層別アプローチと成功事例を徹底解説
前回のブログ「仮想システムにおけるデータ消失の原因とは?」でも触れたように、仮想環境からのデータ消失の主な原因は、ハードウェア障害、フォーマット、メタデータの破損、そして人為的なミスです。データ消失は組織に大きなストレスとダウンタイムをもたらします。そのため、データ損失が発生した場合は、信頼できるデータ復旧業者にできるだけ早く相談することが極めて重要です。
では、組織が仮想データを失ってしまった場合、どうすればよいのでしょうか?朗報があります。失われた仮想データの一部、多くの場合はすべてを復元できる方法が数多く存在するのです。
ストレージレベルからの復元
最初のアプローチはストレージレベルです。場合によっては、物理ドライブのイメージを作成し、ディスク上の生データ(ローデータ)を読み取ることで、直接データを復元できることがあります。
LUNやRAIDからの復元
次の選択肢は、論理ボリューム(LUN)やRAIDからの復元です。RAIDコントローラーが利用可能であれば、それを使って仮想ディスク全体に分散した多数のデータ断片を追跡できます。本来あるべき構成を特定することで、エンジニアはアレイを仮想的に再構築し、ストレージへのアクセスを取り戻せます。RAIDコントローラーが破損している場合は、コントローラーをエミュレートして欠落部分を再構築する必要があるかもしれません。
ホストファイルシステムレベル
さらに上位のレベル(復元難易度が一段上がる)がホストファイルシステムです。VMwareではVMFS、Hyper-VではNTFSまたはReFSが該当します。多くの場合、ストレージレベルだけではデータに直接アクセスできません。しかし適切なツールを使用すれば、復旧の専門家は基本となるストレージのデータブロックからデータを追跡し、ホストレベルにマッピングして再構成することが可能です。このプロセスで十分な復旧が得られない場合は、ゲストファイルシステムレベルまで掘り下げる追加ツールを活用できます。仮想ファイルシステムを調査することで、復旧スペシャリストは他の方法では失われてしまうデータを見つけ出せることもあります。最終的には、ゲストのファイルレベルにまで踏み込み、SQL、Exchange、SharePoint、Oracle、Officeファイル、ZIPファイルなどのアプリケーションファイルに潜むデータへアクセスすることも可能です。
ストレージアーキテクチャの理解が鍵
重要なのは、各レベルを理解し、どこに何が残っている可能性があるかを把握することです。ストレージアーキテクチャに精通した専門家なら、一つのレベルで見つけた断片と別のレベルで見つけた部分をつなぎ合わせることで、失われたと思われていたデータを追跡できます。これはRAIDの例で見ると分かりやすいでしょう。
ドライブはいずれ必ず故障するというのが現実です。RAID 1以上を使用していれば、新しいドライブを取り付けてデータ格納マップを再構築すれば、データを失うことなく復旧できます。しかし、ドライブ故障がRAIDの冗長性の許容範囲を超えたらどうなるでしょうか?このケースでデータを復旧するには、発生している物理的な障害を回避しつつ、RAIDファイルシステムを再構築し、存在する可能性のある仮想化アーキテクチャの多層的な複雑さを評価する必要があります。
そのため復旧作業は非常に困難で時間のかかるものになりがちです。しかし、適切な業者を選べば、多くの場合、復旧は成功します。業者選定の際は、必要なツールと専門知識を備え、ストレージベンダーとの直接パートナーシップを持っているかを確認しましょう。
Ontrackによる仮想マシンのデータ復旧
データ管理、データ復旧、安全なデータ消去、eディスカバリー、コンピューターフォレンジックにおいて30年以上のグローバルな経験を持つOntrackは、これまで数千社の企業の仮想化データを復旧してきました。
Ontrackのエンジニアはドライブのイメージを作成してディスク上の生データを読み取り、本来あるべき構成を特定した上で、アレイを仮想的に再構築し、ストレージへのアクセスを確保します。そのために、RAIDコントローラーをエミュレートして欠落部分を再構築するツールなど、独自のツール群を開発してきました。また、ボリュームへのさらなるデータ書き込みを防止したり、仮想化ファイルシステムの複雑な課題に対処したりするための、数多くの専用ツールも開発しています。
Ontrackの開発チームは、最新の仮想化プラットフォームやストレージ環境に対応させるため、ツールの更新を継続的に行っています。さまざまなストレージメディア、オペレーティングシステム、基盤となるストレージアーキテクチャに関する深い知識により、Ontrackは包括的なデータ復旧サービスに加え、インテリジェントバックアップやデータ管理に関するフォローアップサービスも提供しています。
ここで、いくつかの実際の復旧事例をご紹介します。
事例1:NetAppシステムの誤消去
韓国のマネージドサービスプロバイダー(MSP)には、161台の900GB SAS HDDを搭載したNetApp FAS8060システムを使用する顧客がいました。ドライブは68台と93台の2つの独立したアグリゲートに構成され、それぞれのアグリゲートから3つの468GBファイバーチャネルLUNがSybase本番サーバーに提供されていました。合計6つのLUNが1つのディスクプールに統合され、そこから3つの論理ボリュームが切り出されていました。
MSPのエンジニアがNetAppフィラーの構成変更を試みたところ、誤って一部のLUNに対してワイプコマンドを実行してしまい、Sybaseサーバーから45GBのデータが実質的に消去されました。MSPは顧客契約の喪失や賠償責任のリスクに直面しかねない状況でした。
電話での相談を通じてOntrackが対応にあたりました。データ消失から12時間以内に、さらなる上書き被害を防ぐためアグリゲートをオフラインにするよう指示しました。続いて、両アグリゲートの全161台のHDDを1台のWindowsマシンに接続し、そのシステムをOntrackのリモートデータ復旧サーバーにつなぐよう指示しました。両アグリゲートが同じ名前だったため簡単には再構築できず、ドライブをアグリゲートグループごとに仕分けし、誤ったワイプコマンド実行時点のできるだけ近い時点まで手動で再構築する必要がありました。
その段階で新たな問題が発生しました。論理ボリュームがSybaseサーバーによって生(Raw)ストレージとして使用されていたため、内部データを直接抽出できなかったのです。この問題を回避するため、6つのLUNすべてをフラットファイルとして抽出し、NetAppサポートと連携してこれらのLUNをSybaseサーバーに再マウントするという方法が取られました。復旧された論理ボリュームは整合性チェックに合格し、データを一切失うことなく運用可能な状態に戻りました。
事例2:VMwareの再フォーマットによるデータ消失
シンガポールの食品製造会社のITチームが、VMware ESXiホストからVMFSデータストアのLUNを誤って削除し、Windowsサーバーに接続してしまいました。その結果、LUNがNTFSファイルシステムで再フォーマットされ、フロントエンドのVMFSメタデータが破損。データストア内のすべての仮想マシンが失われる事態となりました。
同社はOntrackに支援を求めました。当社のエンジニアはVMFS構造を再構築し、システムに保存されていたVMへのアクセスを取り戻すことに成功しました。複数のVMはそのままの状態で復旧され、その他のVMについては、内部のゲストファイルシステムに追加修復を施し、そこからデータを抽出する作業が必要でした。
事例3:VMの誤削除
オーストラリアのヘルスケアサービス提供企業が、本番データストアからシンプロビジョニングされた7つのVMを誤って削除してしまいました。失われたデータの機密性が高かったため、同社は直ちにOntrackに連絡し、エンジニアの現場直接派遣を要請しました。データセンターに到着したエンジニアは、一部に損傷が見られたものの、すべてのVMを復旧しました。その後、Ontrack独自のツールを使用して各VMのゲストファイルシステムに追加の修復を行い、より重要な内部データを外部ストレージに抽出することに成功しました。一部のデータは失われたものの、VM内に含まれるデータの大部分は復旧されました。
まとめ
仮想化はユーザーの視点から見れば時間を節約し、複雑さを排除してくれます。しかし、それに伴い固有の課題も生じます。その一つが、破損やデータ消失の発生率の増加です。ボリュームの破損、削除されたボリューム、ランサムウェア、削除または破損した仮想バックアップ、RAIDやハードウェアの障害、仮想化ストレージシステム内のファイルの削除や破損など、仮想システムを管理するすべての人にとってデータ消失は現実のリスクです。
バックアップは企業データを守るために不可欠ですが、決して万全ではありません。世界有数のデータ復旧プロバイダーとして、Ontrackは仮想サーバーおよびストレージ向けの包括的なデータ復旧サービスを提供する準備が整っています。Ontrackのデータ復旧サービスは以下を実現します。
復旧 – ハードドライブ、フラッシュおよびSSDドライブから、サーバー、NAS、SAN、テープ、仮想システムまで、事実上あらゆる種類のデータストレージデバイスからデータを復旧できます。
ダウンタイムの最小化 – 迅速なターンアラウンドタイム、緊急サービスオプション、業界唯一のグローバルラボ品質のリモートデータ復旧サービスにより、ダウンタイムを最小限に抑えます。
報告 – 復旧料金のお支払い前に、評価の一環として復旧可能なすべてのファイルと各ファイルの状態を報告します。
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