Western Digital My Book NASハードドライブからデータを復元する方法
近年、世界中のWestern Digital(ウェスタンデジタル)ストレージユーザーの間で「保存していたファイルが突然消えた」という被害が相次ぎ、WDデータ復元への関心が急速に高まっています。もしあなたもその一人なら、この記事はまさにうってつけです。入手しやすいツールと覚えやすいテクニックを使って、WD外付けハードドライブからデータを復元する方法をご紹介します。
重要:読み進める前に、まだネットワークから切断していない場合は、必ずWestern Digital My Book NASハードドライブをインターネットから切断してください。同じ脆弱性による追加のデータ損失を防ぐために不可欠な措置です。
My Book NASハードドライブとは?
Western Digitalの「My Book」は、ホームルーターに接続して使うNAS(Network Attached Storage:ネットワーク接続ストレージ)デバイスです。家庭内ネットワークはもちろん、外出先からでも手軽にファイルへアクセスできるのが魅力です。
すべてのMy Book NASハードドライブには、コンテンツのプライバシーと安全性を守る256ビットAESハードウェア暗号化が標準搭載されており、面倒な設定もほとんど不要で、開封後すぐに使い始められます。
耐久性、衝撃耐性、長期的な信頼性に優れていることから、世界中の何百万人ものユーザーが大切なデータをMy Book NASに託しています。とはいえ、その所有者といえどもデータ損失のリスクからは無縁ではなく、WD外付けハードドライブのデータ復元は今や誰にとっても身近なテーマとなっています。
WDハードドライブで発生した大規模データ消失事件の概要
インターネットに接続されるあらゆる機器はセキュリティ上の懸念材料となります。ネットワーク接続ストレージも例外ではありません。

最近、多くのWestern Digital My Book NASハードドライブの所有者が、保存していたファイルが忽然と消えていることに気づきました。当初、Western Digital自身も原因をつかめませんでしたが、調査の結果、ハッカーが未修正のセキュリティ脆弱性を悪用し、一部のMy Book NASハードドライブを工場出荷時状態にリセットしていたことが判明しました。
この脆弱性の影響を受ける製品は以下の通りです。
| 製品名 | SKU |
| My Book Live | WDBACG0030HCH |
| My Book Live | WDBACG0020HCH |
| My Book Live | WDBACG0010HCH |
| My Book Live Duo | WDBVHT0080JCH |
| My Book Live Duo | WDBVHT0060JCH |
| My Book Live Duo | WDBVHT0040JCH |
米国国家脆弱性データベース(CVE-2018-18472)によると、「Western Digital WD My Book LiveおよびWD My Book Live Duo(全バージョン)には、/api/1.0/rest/language_configuration の language パラメータにおけるシェルメタ文字経由でroot権限のリモートコマンド実行を許すバグが存在する。対象デバイスのIPアドレスを知る者であれば誰でもこれを引き起こせる」とされています。
現時点で修正パッチは提供されておらず、最後のファームウェアアップデートが2015年であることを考えると、今後も提供される見込みは極めて薄いでしょう。そのため、Western DigitalはMy Book NASハードドライブの全ユーザーに対し、ネットワークから切断するよう強く呼びかけています。
残念ながら被害はすでに深刻な規模に達しており、テラバイト単位のデータを失った方も少なくありません。
では、失われたファイルは永久に取り戻せないのでしょうか? 必ずしもそうとは限りません。オンラインで公開されたログファイルによると、My Book NASハードドライブはクイックフォーマットされたことがわかります。
「本日、このドライブのuser.logから以下の記録を発見しました:
Jun 23 15:14:05 My BookLive factoryRestore.sh: begin script:
Jun 23 15:14:05 My BookLive shutdown[24582]: shutting down for system reboot
Jun 23 16:02:26 My BookLive S15mountDataVolume.sh: begin script: start
Jun 23 16:02:29 My BookLive _: pkg: wd-nas
Jun 23 16:02:30 My BookLive _: pkg: networking-general
Jun 23 16:02:30 My BookLive _: pkg: apache-php-webdav
Jun 23 16:02:31 My BookLive _: pkg: date-time
Jun 23 16:02:31 My BookLive _: pkg: alerts
Jun 23 16:02:31 My BookLive logger: hostname=My BookLive
Jun 23 16:02:32 My BookLive _: pkg: admin-rest-api」
クイックフォーマットではデータ領域そのものは完全には消去されないため、失われたファイルは依然として元の場所に残っている可能性が高く、WDデータ復元ソフトウェアを使えば取り戻せます。以下では、ハッキングによる被害を復元ソフトで元に戻す具体的な手順を解説します。
工場出荷時リセット後のWD NASハードドライブからデータを復元する方法
ここからは、代表的なデータ損失シナリオ別の復元方法を見ていきましょう。繰り返しになりますが、作業を始める前に必ずハードドライブをインターネットから切断し、攻撃者に同じ脆弱性を再び悪用されないようにしてください。
ケース1:単一のハードドライブからデータを復元する
工場出荷時リセットされた単一のWD NASハードドライブを復元するには、ハードドライブをPCに接続し、適切なデータ復元ソフトウェアを使って失われたデータを取り出します。
この記事では、データ復元ソフト「Disk Drill」を使用します。操作が簡単で復元性能が高く、無料版でも有料版と同様にすべての復元可能ファイルをプレビューできる点が選んだ理由です。
なお、工場出荷時リセットではファイルシステム全体が消去されるため、元のファイル名のまま復元することはできません。Disk Drillは利用可能なメタデータをもとに自動的にファイル名を生成し、メタデータがない場合はランダムな名前を割り当てます。
Disk Drillで単一ハードドライブから失われたデータを復元する手順:
- PCにDisk Drillをダウンロード・インストールします。

- 復元したいハードドライブを接続します。
- Disk Drillを起動し、ハードドライブをスキャンします。

- 復元したいファイルを選択します。
- [回復]ボタンをクリックし、適切な保存先を指定します。

ケース2:RAID 1構成からデータを復元する
WD NASハードドライブはRAID 1構成をサポートしています。この構成では、RAIDコントローラが片方のハードドライブのデータをもう片方へ複製(ミラーリング)するため、復元成功のチャンスが実質2倍になります。
復元の手順自体は単一ハードドライブの場合とまったく同じですが、両方のドライブに対して実行する必要がある点だけが異なります。RAID復元の詳細については、以前の関連記事もぜひ参考にしてください。
復元後はMeldなどの差分比較ツールを使って2組の復元ファイルの違いを確認してもよいですし、単純に片方の復元フォルダからもう片方へファイルをコピーし、重複ファイルをスキップする方法もあります。
ケース3:RAID 0/5/10構成からデータを復元する
RAID 1以外にも、複数ドライブにデータを分散配置(ストライピング)させて性能を高めるRAID 0/5/10構成を採用しているWD NASユーザーもいます。
最良の復元結果を得るには、プロ仕様のデータ復元ソフト「R-Studio」をおすすめします。高度なRAID再構築モジュールを備えており、損傷したRAIDアレイを構成ドライブから再現し、本物のアレイと同様に処理することが可能です。
R-Studioは標準RAIDレベル(0、1、4、5、6)に加え、非標準RAIDレベル(10(1+0)、1E、5E、5EE、6E)にも対応しています。
R-StudioでRAID 0/5/10からデータを復元する手順:
- PCにR-Studioをダウンロード・インストールします。

- 復元したいRAIDアレイを接続します。
- R-Studioを起動し、RAIDアレイをスキャンします。

- 復元したいファイルをすべて選択します。
- [Recover]または[Recover Marked]ボタンをクリックし、復元オプションを指定します。

ケース4:その他の外付けストレージデバイスからデータを復元する

今回のハッキングはMy Book Liveシリーズのみが影響を受けましたが、外付けストレージデバイスから重要なファイルが消える原因はそれ以外にも数多く存在します。
幸いなことに、FAT/FAT32、NTFS、HFS+など、どのファイルシステムを採用していても、WD My Passportなどの外付けハードドライブから、この記事で紹介したのと同じツールと手法でデータを復元できます。
まとめ
高い評価を受けているWestern Digitalハードドライブであっても、データ損失から完全に免れることはできません。物理的な故障に加え、昨今ではリモートサイバー攻撃という新たなリスクも加わりました。だからこそ、この記事で紹介したようなデータ復元ソフトウェアを使った復元手法を知っておくことが、かつてないほど重要になっています。
もちろん、そもそもデータ損失を起こさないための対策も欠かせません。定期的なデータバックアップに加え、ウイルス対策ソフトやファイアウォールを活用し、サイバー脅威から大切なデータをしっかり守りましょう。
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