Raspberry Pi OS Liteにデスクトップ環境をインストールする方法:PIXELとGNOME導入の完全ガイド

Raspberry Pi OS Liteは、Raspberry Piの性能を最大限に引き出すための優れた選択肢です。特に旧モデルやPi Zeroシリーズでは、その軽量さが大きなメリットになります。
しかし、突然デスクトップ環境が必要になったらどうすればよいのでしょうか?Raspberry Pi OS Liteにはデスクトップ環境が同梱されていません。標準のRaspberry Pi OSに乗り換える必要はありません。実は、Raspberry Pi公式のデスクトップ環境「PIXEL」を後から簡単にインストールできるのです。
Raspberry Pi OS Liteとは?
現在、Raspberry Piで利用できるOSは数多くありますが、公式が推奨しているのはRaspberry Pi OSです。このOSには3つのエディションがあります。
- Raspberry Pi OS Lite
- Raspberry Pi OS Full
- Raspberry Pi OS Extended
多くの場合、Raspberry Pi OSをインストールする際には、デスクトップ環境や各種アプリが最初から含まれているFull版またはExtended版を選ぶことになるでしょう(Extended版はFull版より多くのアプリを搭載しています)。
一方、サーバーの運用やロボットの制御など、デスクトップ環境が不要な用途には、Raspberry Pi OS Liteが最適です。執筆時点ではDebian 11ベースで、インストール前のサイズはわずか338MB。Raspberry Pi向けとして最軽量というわけではありませんが、公式の軽量OSとして信頼性があります。
なお、Raspberry Pi OS Liteには32bit版と64bit版の両方が用意されている点にも注意してください。
Lite版からデスクトップへ切り替える理由
ご想像のとおり、Raspberry Pi OS Liteがスリムなのはデスクトップ環境を含んでいないためです。しかし、状況によってはそれを変更する必要が出てきます。特定のアプリを実行したい場合や、キーボード操作よりもマウス操作の方が管理しやすいサービスを使いたい場合もあるでしょう。
単純にインターネットにアクセスしたいだけなら、テキストベースのLynxブラウザ(またはブラウザなしでWebにアクセスする他の遅い方法)よりも、デスクトップのWebブラウザの方が快適です。Raspberry Pi OS Liteにデスクトップ環境をインストールする理由はたくさんあります。
たとえば筆者も最近、最小構成のプロジェクトでRaspberry Pi OS Liteを使用していましたが、途中でデスクトップ専用のソフトウェアが必要になり、デスクトップ環境のインストールが不可欠になりました。
多くの場面ではコマンドラインインターフェース(CLI)のまま使うのが望ましいですが、どうしてもデスクトップが必要になる瞬間はあるものです。
Raspberry Pi OSのデスクトップ環境「PIXEL」とは?
Raspberry Pi OSと聞いて思い浮かべるのは、おそらくPIXELでしょう。PIXELはLXDEを改造したものにスタッキング型ウィンドウマネージャーのOpenboxを組み合わせており、独自のテーマによって「Raspberry Piらしい」外観を実現しています。2017年に登場し、初代Raspbianに含まれていた基本的なデスクトップから大幅に進化しました。
Raspberry Pi OSのFull版・Extended版にはPIXELデスクトップが搭載されていますが、Lite版には含まれていません。デスクトップ環境を使いたい場合は、自分でインストールする必要があります。
Raspberry Pi OS Liteに公式PIXELデスクトップをインストールする手順
Raspberry Pi OS Liteにデスクトップを追加するのは珍しい操作ではないため、手順は非常にシンプルです。ターミナルのプロンプトで以下のコマンドを入力します。
sudo apt install xserver-xorg raspberrypi-ui-mods
インストールの確認を求められたらYを押してください。処理には時間がかかることがありますが、以降の操作は不要なので、完了まで待つだけでOKです。

基本のデスクトップがインストールされたら、次のコマンドでデスクトップUIを起動できます。
startx
毎回起動時に自動的にデスクトップを表示したい場合は、以下の手順で設定します。
- sudo raspi-config を実行
- System Options を選択
- Boot/Auto Login を選択
- 好みに応じて Desktop または Desktop Autologin を選択
- Finish を選択し、再起動を求められたらRebootを実行
デスクトップからコマンドライン(ターミナルウィンドウではなく本体のCLI)に戻りたい場合は、Ctrl+Alt+F2を押します。これでデスクトップ環境が即座に終了し、テキストベースのコマンドラインインターフェースに戻ります。
デスクトップへの自動ログイン設定を元に戻すことも可能です。
- sudo raspi-config を実行
- System Options を選択
- Boot/Auto Login を選択
- 好みに応じて Console または Console Autologin を選択
- Finish を選択し、再起動を求められたらRebootを実行
(上記の設定は、デスクトップ上の「Raspberry Pi Configuration」ツールからも変更できます。System > Boot を開き、To desktop と To CLI のどちらかを選びましょう。)
おまけ:Raspberry Pi OS LiteにGNOMEをインストールする方法
まったく別のデスクトップ環境をRaspberry Pi OS Liteに入れたい場合はどうでしょうか?選択肢は豊富にありますが、モダンなLinuxらしい見た目を求めるなら、GNOMEが有力候補です。

しかも、Raspberry Pi OS Liteへのインストールは比較的簡単です。ただし、この方法は64bit版のRaspberry Pi OS Lite向きであり、32bit版では動作しない可能性が高い点に注意してください。
まず、以下のコマンドでスクリプトをダウンロードします。
wget https://github.com/TerraGitHuB/gnomeforpi/archive/refs/heads/stable.zip
続いてZIPファイルを展開します。
unzip stable.zip
ディレクトリを移動します。
cd gnomeforpi-stable
最後にインストールスクリプトを実行します。選択肢は2つあります。
- sudo ./gnomeforpi-install
- sudo ./gnomeforpi-install –lite
前者は標準インストール、後者はインストールされるパッケージが少なく処理が速くなるライト版です。たとえばChromiumブラウザはフルオプションでのみインストールされます。どちらを選んでも、完了までには数分かかります。
インストールの途中で、デフォルトのディスプレイマネージャーとして以下のどちらかを選ぶよう求められます。
- gdm3
- lightdm
どちらでも問題ありませんが、GNOME向けに設計されているgdm3を選ぶのがおすすめです。
Raspberry Piは自動的に再起動します。ログイン画面では通常の認証情報を使えますが、「Xorg」ディスプレイサーバーでログインするように設定しましょう。手順は以下のとおりです。
- Settings(歯車アイコン)をクリック
- GNOME on Xorg を選択
- 認証情報を入力
- OK をクリック
これで、Raspberry Pi上でGNOMEデスクトップが起動しているはずです。
Raspberry Pi OS Liteへのデスクトップ環境インストールは簡単
この記事で最も伝えたいのは、SDカードにフル版OSを再インストールする方が簡単に思えても、実際はそうではないという点です。Raspberry Pi OS Liteにデスクトップ環境を追加するのに必要な時間はわずか数分。SDカードを書き直すよりもはるかに速く、デバイス上の保存済みデータを上書きすることもありません。
さらに嬉しいことに、デフォルトのPIXELデスクトップに縛られる必要もありません。Raspberry Pi OSには、他にもさまざまなデスクトップ環境をインストールできます。
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