【ステップ解説】Ubuntuに最新版BlueZをインストールする方法

公開日:2023年5月20日
Ubuntuは、多くのソフトウェアについて必ずしも最新バージョンを標準搭載しているわけではありません。オープンソースのBluetoothプロトコルスタックである「BlueZ」もその一つです。Ubuntuには、安定してはいるもののやや古いバージョンのBlueZが同梱されています。これは、十分なテストが行われ、セキュリティ上の欠陥がない状態を保証するための措置です。しかし、その安定性の代償として、新機能を利用できないというデメリットがあります。
最新版のBlueZを使いたい場合は、自分でインストールする必要があります。この記事では、Ubuntuに最新版のBlueZを手動でインストールする方法を、初心者にも分かりやすく解説します。
ステップ1:デフォルトのBlueZをアンインストールする
新しいバージョンのBlueZをインストールする前に、まず現在入っているバージョンを削除しましょう。UbuntuのAPTパッケージマネージャーを使えば、簡単にアンインストールできます。以下のコマンドを実行してください。
sudo apt autoremove bluez
確認メッセージが表示されたら、「Y」を入力してEnterキーを押します。
ステップ2:最新版BlueZのソースファイルをダウンロードする
既存のBlueZをアンインストールしたら、次は最新版のソースファイルを入手します。
公式リポジトリには先ほど削除した古いバージョンしか含まれていないため、APTパッケージマネージャーは使えません。そこで、ソースコードを取得し、ビルドファイルを準備した上で、手動でBlueZをインストールすることになります。
最新版のソースファイルはBlueZの公式サイトからダウンロードできます。Webブラウザでサイトにアクセスしてもよいですし、Linuxらしくターミナルでwgetコマンドを使っても構いません。
wget https://www.kernel.org/pub/linux/bluetooth/bluez-5.66.tar.xz
上記コマンド内のバージョン番号は、必ず最新のBlueZバージョンに置き換えて実行してください。
ステップ3:必要な依存パッケージをインストールする
インストール作業に進む前に、BlueZのビルドに必要な依存パッケージをいくつかインストールしておきましょう。これらが不足しているとビルドに失敗し、BlueZをインストールできません。
以下のコマンドで、APTを使って必要な依存パッケージをまとめてインストールできます。
sudo apt install build-essential libreadline-dev libical-dev libdbus-1-dev libudev-dev libglib2.0-dev python3-docutils
ステップ4:ソースをビルドしてBlueZをインストールする

ダウンロードしたTARアーカイブをtarコマンドで展開し、cdコマンドで作成されたディレクトリへ移動します。
tar -xzvf bluez-* && cd bluez*
ディレクトリに移動したら、configureスクリプトを実行してビルドファイルを準備し、続けてmakeとmake installでBlueZをインストールします。
./configure
make
sudo make install
以上で、Ubuntuに最新版のBlueZをビルド・インストールするために必要な作業は完了です。
ステップ5:BlueZサービスを設定して有効化する
最新版のBlueZがインストールできたら、正しく動作するように最終設定を行いましょう。
まず、実験的な機能を有効にするため、bluetooth.serviceのsystemdサービスファイルを編集します。お好みのテキストエディタでファイルを開き、ExecStartに「--experimental」を追加してください。
sudo nano /lib/systemd/system/bluetooth.service
ExecStartの行を以下のように書き換えます。
ExecStart=/usr/local/libexec/bluetooth/bluetoothd --experimental
次に、systemctlコマンドでBluetoothサービスを有効化して起動します。
sudo systemctl daemon-reload
sudo systemctl unmask bluetooth.service
sudo systemctl restart bluetooth
systemctl statusコマンドで、サービスが正常に動作しているか確認しましょう。
sudo systemctl status bluetooth
正常であれば「active (running)」といった出力が返されます。さらに、BlueZが正しく動作しているか確認するには、新しいターミナルを開いてbluetoothctlコマンドを入力し、Enterキーを押します。
sudo bluetoothctl
以上で、Ubuntuに最新版のBlueZをインストールしてセットアップする手順はすべて完了です。これで、公式リポジトリへの反映を待たずに、最新リリースの新機能を自由に試せるようになります。
まとめ:Ubuntuで最新版BlueZを活用しよう
今回は、オープンソースのBluetoothプロトコルスタックであるBlueZの最新版をUbuntuにインストールしました。このアップグレードにより、多数の新機能や改善点を利用できるようになり、Bluetooth技術を最大限に活かせます。
また、最新版のBluetoothソフトウェアを導入することは、LinuxでBluetooth接続の不具合をトラブルシューティングする方法の一つでもあります。
著者プロフィール
Debarshi Dasは独立系のセキュリティ研究者でありサイバーセキュリティトレーナーでもあり、サイバーセキュリティとLinuxに関する執筆活動に情熱を注いでいます。5年以上にわたりオンラインのテック・セキュリティジャーナリストとして活躍し、ニュースの取材のほか、誰にとっても技術を身近に感じられる解説記事やハウツーガイドの作成を得意としています。日中はプログラミングと執筆に取り組み、夜はセキュリティ研究に励んでいます。
-
PixelをポータブルLinuxワークステーションに変える方法:ステップバイステップガイド
スマホがそのままPCになる時代へスマホはすでに通話、メッセージ、インターネット閲覧など、日常のほぼすべてをこなしてくれる万能デバイスです。しかし近年のAndroidスマートフォンは、「スマホ」と「本格的なコンピュータ」の境界線をどんどん曖昧にしています。「やりたいことに対してスマホの機能がちょっと物足りない」と感じたら、それを解決する手段があります。筆者はPixel 9aにフルのLinuxデスクトップ環境をインストールしてみました。結果は動作が極めて滑らかで、しかも相当実用的。Pixelを「ポケットワークステーション」に変えたところ、思っていた以上に高いポテンシャルを秘めたデバイスであることが
-
Raspberry PiをRaspbian Busterにアップグレードする方法【手順を解説】
Raspberry Pi 4Bは2019年6月末に発売され、それと同時にRaspberry Pi公式OSであるRaspbianの新バージョンもリリースされました。その直後、RaspbianのベースとなっているDebianも最新版「Debian 10 Buster」を公開しています。 Debianのフレームワークがすでに整備されているおかげで、Raspberry PiのOSアップグレードは非常に簡単です。さらに、既存のRaspbian環境を新しいRaspberry Pi 4で使いたい場合でも、Busterにアップグレードすればそのまま移行できます。 1. まずはRaspberry Piを最新状