LinuxでWeb会議ならBigBlueButton!導入手順と基本的な使い方を解説
オンラインが当たり前となった現代、Web会議は私たちの生活に欠かせない存在になっています。学校の授業、仕事、さらには友人との交流まで、Zoom、WebEx、Google Meetといったプラットフォームを通じて行われることが増えました。しかし、オープンソースの選択肢を探している方にとって、候補はそれほど多くありません。そこで注目したいのが「BigBlueButton」です。これは自分で構築できるオープンソースのWeb会議・eラーニングプラットフォームです。本記事では、Linux上でBigBlueButtonを使ってWeb会議を行う方法を解説します。
BigBlueButtonをインストールする前に
公式ドキュメントをそのまま引用することは避けますが、LinuxにBigBlueButtonをインストールする際に知っておくべきポイントがいくつかあります。
まず、本番環境で運用する予定がある場合は、検証環境よりも高いスペックが必要です。公式のインストールドキュメントによると、実際のサーバーを運用するには以下の要件を満たす必要があります。
- Ubuntu 16.04 64ビットOS(Linuxカーネル4.x)
- スワップ有効化済みの16GBメモリ
- シングルスレッド性能の高い8CPUコア
- 録画用に500GB以上の空きディスク容量(セッション録画を無効化する場合は50GB)
- TCPポート80および443へのアクセス
- UDPポート16384~32768へのアクセス
- 250Mbps以上の対称帯域幅
- TCPポート80と443が他のWebアプリケーションやリバースプロキシで使用されていないこと
- SSL証明書設定用のホスト名(例:bbb.example.com)
- IPv4およびIPv6アドレス
- 専用(ベアメタル)ハードウェア
音声パケット処理プログラムの特性や録画時の時刻同期の問題から、本番環境でのVM(仮想マシン)運用は推奨されていません。実践的には、リース落ちのエンタープライズ向け1Uサーバーなどを調達するのがおすすめです。そうすれば、ボンディング構成のNIC複数枚、物理CPUコア8~16個、大容量RAMなど、要件を余裕をもって満たせる環境を構築できます。
ただし、今回は動作確認を目的としてVM上で実行します。その場合の要件は以下の通りです。
- CPU 4コア/メモリ8GB
- ローカルVMまたはLXCコンテナへのインストール
- ディスク容量50GB
- IPv4アドレスのみ
BigBlueButtonのインストール手順
インストール方法は大きく分けて2つあります。内部構造までは深く学べない代わりに手軽な「簡単な方法」と、仕組みを熟知できる一方で手間のかかる「難しい方法」です。どちらを選ぶかは自由ですが、ここではインストールも管理もシンプルな「簡単な方法」を採用します。より踏み込んだ手順を知りたい方は、公式ドキュメントのステップバイステップガイドを参照してください。
簡単な方法では、公式サイトで提供されているスクリプトかAnsibleロールを使ってインストールを自動化します。まず試してみたいという方にはスクリプトがおすすめです。
スクリプトを利用するには、まずGitHubからクローンします。
git clone git://github.com/bigbluebutton/bbb-install
続いて、以下のコマンドでスクリプトを実行します。
sudo ./bbb-install.sh -w -a -v bionic-23 -s HOSTNAME -e EMAIL
なお、上記コマンドのHOSTNAMEにはサーバーのホスト名を、EMAILにはSSL証明書の設定に使用するメールアドレスを指定します。この指定は必須です。スクリプトの実行には30分ほどかかるため、コーヒーのおかわりを淹れたり、少し休憩したりするのにちょうど良い時間です。
戻ってきた頃にはセットアップが完了しているはずです。あとはドメイン名(テスト用の仮想サーバーならIPアドレス)を入力してデモを開始できます。また、同じスクリプトを再実行することで、サーバー上のパッケージをアップグレードすることも可能です。
BigBlueButtonの使い方
スクリプトでインストールすると、BigBlueButtonのデモパッケージも同時に導入されます。これにより、本格的な運用にコミットする前に、プラットフォームの挙動を気軽に学べます。なお、デモの利用には有効なSSL証明書が必要で、そのためには登録済みドメイン名が求められます。筆者はドメインを用意していなかったため、BigBlueButtonの公開デモサーバーを使用しています。
モデレーターとしてルームを作成し、「Start」をクリックしましょう。生成された会議リンクを他の参加者に送信すれば、招待が完了します。
参加時には、マイクで音声に参加するか、聞き取り専用にするかを選択する画面が表示されます。選択後はそのまま会議に参加できます。
チャット欄には、YouTube上のチュートリアル動画へのリンクが表示されています。プラットフォームを深く理解したいときに役立つので、後で目を通しておくとよいでしょう。
チャットを閉じると、BigBlueButtonを優れたオンライン学習プラットフォームたらしめている多彩なツール群が目に入ります。手のアイコンをクリックすると、利用可能な各種ツールが一覧表示されます。鉛筆ツールを使えばプレゼンテーション資料に直接描き込みができ、レーザーポインター機能を使えば、指し示している箇所を参加者全員にリアルタイムで伝えられます。
すべてのスライドがホワイトボードとして機能し、デモサーバーには専用のホワイトボードスライドも用意されています。必要な内容を自由に描き込めます。今回の例ではネットワーク図の記号をいくつか描いてみましたが、イメージはつかめたはずです。さらにマルチユーザーホワイトボード機能も備えており、学生がそれぞれの作業内容を共有・発表する場面で特に威力を発揮します。
「共有ノート(Shared Notes)」セクションも見逃せない機能です。メモを入力したり、チャットに寄せられた質問をピックアップして回答をまとめたりできます。講義ノートをコピー&ペーストして掲載し、参加者に参照させながら進めることも可能です。
まとめ:BigBlueButtonの魅力
リモートで働く教員にとって、優れた新しいツールとの出会いほど心躍るものはありません。BigBlueButtonには、eラーニングプラットフォームとして活用できる魅力的な機能が数多く搭載されています。その他のビデオ会議関連のコンテンツにも興味があれば、Zoomのキーボードショートカット早見表、在宅勤務中のWeb会議を快適にするコツ、Raspberry Piをビデオ会議ステーションに変えるガイドなどもぜひチェックしてみてください。
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