LinuxでWindowsアプリを動かす方法:Wineのインストールから使い方まで徹底解説
Linuxへ移行したあと、頼りにしていたWindowsアプリケーションが使えなくなることを心配する方は少なくありません。そんなときに役立つのがWineという互換レイヤーツールです。Wineを利用すれば、Microsoft Windows向けに開発されたプログラムをLinux上で実行できます。すべてのWindowsアプリが動作するわけではありませんが、実際には多くのアプリが問題なく動きます。
Wineはどのように動作するのか?
Wineは、複数のライブラリが連携することで、Windowsアプリケーションのインストールと実行を可能にする仕組みです。Wineには大きく分けて2つの側面があります。1つはWindowsアプリケーションから見える部分で、これはWindows API(Application Programming Interface)として機能します。もう1つはLinux側から見える部分で、こちらはLinuxおよびX11(Linuxのグラフィック表示サーバー)のAPIの組み合わせとして動作します。
さらにWineには、専用のWindowsプログラムローダーも含まれています。このローダーによって、.exeファイル(Windowsの実行可能ファイル)を認識し、必要なWindows関連ファイルとともに読み込み、全体をつなぎ合わせて実行できるのです。内部構造はやや複雑ですが、ユーザーから見ればシームレスに動作します。
ヒント: どのWindowsアプリケーションがWine経由でLinux上で動作するかを確認したい場合は、公式の「Wine Application Database(AppDB)」をチェックしてみてください。対応状況や動作報告が掲載されています。
ここでは、Ubuntu Desktop 19.04にWineをインストールし、定番テキストエディター「Notepad++」を導入するまでの手順を紹介します。
Wineをインストールする
まずはWineのインストールから始めましょう。作業自体は難しくありません。以下の手順で、Ubuntu Desktop 19.04にWineをインストールできます。
GNOME Dashからターミナル(端末)アプリケーションを開きます。
以下のコマンドを実行してWineをインストールします。
sudo apt install wine -y
ヒント: 「Package 'wine' has no installation candidate(パッケージ 'wine' にはインストール候補がありません)」といったメッセージが表示された場合は、代わりに sudo apt-get install wine-stable -y コマンドを試してください。
最新版のWineをインストールしたい場合は、次のコマンドを実行します。
sudo apt install wine-development -y
パスワードを求められたら、自分のユーザーパスワードを入力します。
インストールが完了するまで待ちます。Wineには依存パッケージがかなり多いため、少し時間がかかることがあります。
以上で完了です。Wineがインストールされ、使用準備が整いました。
winecfgでWine環境をセットアップする
次に、適切なWine環境を構築します。Wineは、インストーラーがアプリを標準的なWindowsディレクトリ(Cドライブなど)にインストールしていると思い込めるよう、事前に設定されたディレクトリ構造を必要とします。設定手順は以下の通りです。
ターミナルウィンドウから winecfg コマンドを実行します。
ヒント: 環境によっては、Wineのインストール前に「依存関係」と呼ばれる追加ソフトウェアの導入が必要になる場合があります。画面の指示に従って進めてください。
Wine設定ツールが開いたら、「Drives」タブをクリックし、「C:」が存在すること、そのターゲットフォルダが ../drive_c になっていることを確認します。通常、これはデフォルトで作成されています。
Wine設定ツールは開いたままにしておきましょう。
Notepad++向けにWineを設定する
Windowsアプリのインストール自体はコマンドラインから素早く行えますが、その前に、Wineが必要な設定情報をすべて持っているかを確認しておきましょう。以下の手順に従います。
Webブラウザーを開き、Notepad++の.exeインストーラーをダウンロードして、「Downloads」ディレクトリに保存します。
「WINE Configuration」ウィンドウで「Applications」をクリックし、続けて「Add application」をクリックします。
「Look in」のドロップダウン矢印を選択し、自分のユーザー名を選んだあと「Downloads」を選択します。
「npp.7.7.1.Installer.exe」を選択し、「Open」をクリックします。
「Windows Version」のドロップダウン矢印を選択し、「Use global settings」を選びます。
「OK」をクリックして設定を確定します。
Notepad++をインストールする
これで準備が整ったので、アプリケーションをインストールしていきましょう。
ターミナルウィンドウで cd ~/Downloads コマンドを実行し、「Downloads」ディレクトリへ移動します。
次のコマンドでアプリをインストールします。
wine npp.7.7.1.Installer.exeヒント: 長いファイル名をすべて入力する必要はありません。「Downloads」ディレクトリに移動したら「wine npp」と入力し、キーボードの「Tab」キーを押してみてください。正しいディレクトリにファイルがあれば、自動的にフルファイル名が補完されます。あとは「Enter」キーを押すだけです。
アプリで使用したい言語を選択し、「OK」をクリックします。
「Next」を選択します。
「I Agree」を選択してライセンスに同意します。
「Next」を選択します。
必要な追加コンポーネントを選択し、「Next」をクリックします。
ヒント: これらのオプションは初期設定のまま「Next」をクリックしても問題ありません。
「Install」を選択してインストールを開始します。
インストールが完了したら、「Finish」をクリックします。
Notepad++が起動し、すぐに使用できる状態になります。互換レイヤーWineを使って、Linux上に初めてのWindowsアプリをインストールできました。
アプリケーションを実行する
Wine経由でアプリをインストールする際の注意点が1つあります。それは「アプリの起動方法」です。初回インストール時はアプリが自動的に起動しますが、再起動の手順がわからなかったり、デスクトップランチャーがうまく機能しなかったりすることがあります。そんなときは別のツールを使いましょう。
Wineには「Wine File Manager」というファイルマネージャーが同梱されています。このツールを使えば、インストール済みアプリのあるディレクトリへ移動して直接起動できます。手順は以下の通りです。
ターミナルウィンドウから winefile コマンドを実行します。
「C」→「Program Files (x86)」→「Notepad++」の順にフォルダを開き、「notepad++.exe」をダブルクリックします。
アプリケーションを使用します。
使用が終わったら、通常どおりアプリを閉じてください。次回必要になったときは、Wine File Managerを開いて同じ手順で起動できます。
すべてのWindowsアプリがサポートされているわけではなく、この方法が最も簡単というわけでもありません。それでも、安全性と信頼性に優れたプラットフォームであるLinux上でWindowsアプリを動かせるのは、両方の世界のメリットを享受できる大きな魅力といえるでしょう。
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はじめに筆者はOS関連の学習でWSL(Windows Subsystem for Linux)を長年利用しています。仮想マシンの構築やデュアルブートといった複雑な準備なしに、Windows上で直接Linuxコマンドを実行できる手軽さが大きな魅力です。この記事を読み終える頃には、WindowsからそのままLinuxコマンドを実行できるようになっているはずです。Windows上でLinuxコマンドを実行している様子前提条件WSLを快適に運用するには、Windows 11へのアップグレードをおすすめします。Windows 10でもWSLは利用できますが、筆者の経験上、Windows 11の方がはるか