Windows 10でオフラインファイルを有効にして設定する完全ガイド
Windows 10のオフラインファイル(Offline Files)機能を使うと、共有ネットワークフォルダ内の特定のファイルやフォルダを、社内ネットワークに接続していなくてもオフラインで利用できるようになります。本記事では、Windows 10およびWindows Server 2019環境において、オフラインファイルを手動で有効化する方法と、グループポリシー(GPO)を使って一括設定する方法を詳しく解説します。
目次
- Windows 10でオフラインファイルを有効にする方法
- Windows Server側の共有フォルダ設定
- グループポリシーを使ったオフラインファイルの構成
- トラブルシューティングとキャッシュのクリア方法
オフラインファイルとは
オフラインファイルはWindowsに古くから搭載されている機能です。ユーザーはクライアントPCでオフラインファイルを有効にし、共有フォルダ内の目的のファイルやフォルダに対して「常時オフラインで利用可能にする」を指定するだけで使えます。指定されたファイルはディスク上のローカルキャッシュに保存され、バックグラウンドで定期的に更新されます。
既定の同期間隔は2時間ですが、GPOの「バックグラウンド同期の構成」ポリシーを使えば、同期の頻度を自由に変更できます。
なお、社外からファイルリソースに安全にアクセスする手段としては、Windows Server 2016以降で利用できる「ワークフォルダー(Work Folders)」というより新しい機能もあります。セキュリティ要件が高い場合は、こちらの採用も検討するとよいでしょう。
Windows 10でオフラインファイルを有効にする方法
Windows 10では、従来の「コントロールパネル」からオフラインファイルを有効にできます。手順は以下の通りです。
- 「同期センター」を開きます。
- 左側のメニューから「オフライン ファイルの管理」を選択します。
- 「オフライン ファイルを有効にする」をクリックします。
- コンピューターを再起動します。
再起動後、ユーザーは共有ネットワークフォルダ内のファイルやフォルダを右クリックし、「常時オフラインで利用可能にする」を選択するだけで準備完了です。
選択すると、Windowsが指定されたファイルをオフラインファイルのローカルキャッシュへのコピーを開始します。Windowsにおけるオフラインファイルのキャッシュサイズの既定値は、ディスク全体の25%です(Windowsのバージョンにより異なる場合があります)。
その後、元のファイルサーバーに接続できない場合や、ネットワーク速度がしきい値を下回った場合には、同期センター経由でファイルにオフラインでアクセスできるようになります。
オフラインファイルに対して行った変更は、次にコンピューターがネットワークに接続した際にサーバーへ自動的に同期されます。
なお、オフラインファイルの実体はクライアントPCの C:\Windows\CSC フォルダに保存されており、エクスプローラーから直接参照することはできません。
Windows Server側の共有フォルダ設定
ユーザーがファイルをオフラインで利用できるようにするには、サーバー側の共有フォルダ設定でキャッシュが許可されている必要があります。
Windows Server 2019の場合、「サーバーマネージャー」を開き、対象の共有フォルダの設定で「共有のキャッシュを許可する」オプションにチェックを入れてください。
PowerShellを使って手動キャッシュモードを有効にすることもできます。このモードでは、ユーザーがオフラインで利用するファイルやフォルダを自分で選択できます。
Set-SMBShare -Name Docs -CachingMode Manual
共有フォルダがデスクトップ版Windowsが稼働するPC上にある場合は、共有フォルダのプロパティで「キャッシュ」→「ユーザーが指定したファイルとプログラムのみオフラインで使用可能」を選択してください。
グループポリシーを使ったオフラインファイルの構成
Active Directoryドメイン内のすべてのコンピューターでオフラインファイルを有効にしたい場合は、GPOを使って以下のレジストリ設定を展開します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\CSC— Start = 1(DWORD型)HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\CscService— Start = 2(DWORD型)HKLM\Software\Policies\Microsoft\Windows\NetCache— Enabled = 1(DWORD型)
あるいは、GPOの「コンピューターの構成」→「ポリシー」→「管理用テンプレート」→「ネットワーク」→「オフライン ファイル」にある「オフライン ファイルの使用を許可または禁止する」ポリシーを使用してもかまいません。このセクションでは、以下のような各種オプションも構成できます。
- バックグラウンド同期の構成 — バックグラウンド同期を有効にし、同期間隔を設定します。
- オフライン ファイルで使用するディスク領域を制限する/既定のキャッシュサイズ — ディスク上のオフラインファイルキャッシュの上限サイズを指定します。
- 管理者によって割り当てられたオフライン ファイルを指定する — ユーザーのコンピューター上で常に同期され、オフラインで利用可能にする共有フォルダの一覧を定義します。UNCパスで任意のネットワーク共有や、個人用フォルダ(例:
\\hostname1\Users$\%username%)を指定できます。
トラブルシューティング:イベントログとキャッシュのクリア
Windowsでオフラインファイルの問題を調査する際は、イベントログで同期イベントを確認すると有効です。まず、次のコマンドでオフラインファイルの同期ログを有効にします。
wevtutil sl Microsoft-Windows-OfflineFiles/SyncLog /e:true /q
その後、以下のPowerShellコマンドを実行すると、直近24時間以内に正常に同期されたファイルの一覧を取得できます。
get-winevent -oldest -filterhashtable @{ logname = "Microsoft-Windows-OfflineFiles/SyncLog"; starttime = (get-date).adddays(-1); id = 2005 } | select-object TimeCreated, @{ name = "Path"; expression = { ([xml]$_.toxml()).Event.UserData.SyncSuccessInfo.Path } }
オフラインファイルのキャッシュをクリアする方法
キャッシュに不整合が発生した場合は、FormatDatabaseレジストリ値を設定してコンピューターを再起動することで、キャッシュを初期化できます。
reg add HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Csc\Parameters /v FormatDatabase /t REG_DWORD /d 1 /f
shutdown –f –r –t 0
再起動後、キャッシュは自動的に再構築され、再度同期が行われます。これにより、同期エラーや古いデータが残るといった問題を解消できます。
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