無料のオープンソースツール「Ventoy」でUSBドライブの可能性を最大限に引き出す方法
公開日:2025年9月22日(米国東部時間 午前9時)
筆者について
Tashreefがテクノロジーに魅了されたきっかけは、学校の図書室で偶然手にした技術雑誌「CHIP」でした。これがきっかけとなり、コンピュータサイエンスの学位取得へと進みます。2012年以降、プロのライターとして1,000本以上のハウツー記事を執筆し、Windows ReportやHow-To Geekなどに寄稿してきました。現在はMakeUseOfにてMicrosoft Windows関連のコンテンツを中心に執筆しており、同サイト自体も2007年からの愛用者です。
ウェブサイトや技術ブログの構築経験を持つ彼は、実践的な開発者の視点を記事に反映させています。作品ポートフォリオはitashreef.comで公開中です。また、複雑なトピックをわかりやすく解説する短いハウツー動画も制作しています。執筆以外では、動画制作、ゲーム、アニメ鑑賞を楽しんでいます。
リカバリー用USBの悩みを解決する「Ventoy」とは
Windowsのトラブルシューティング用にWinPEで起動したり、最悪の場合はOSを完全に再インストールしたりできるよう、リカバリーメディアとなるUSBドライブを常に準備しておくことは重要です。しかし、256GBのSanDisk USBドライブ全体を、わずか5GBのWindows ISOファイル1つだけのために占有するのはもったいない話です。さらに困ったことに、別の起動メディアが必要になるたびにドライブを再フォーマットしなければならず、保存していたファイルがすべて消えてしまいます。
そこで見つけたのがオープンソースアプリ「Ventoy」です。このツールは一度インストールするだけで、その後はISO/WIM/IMG/VHD(x)/EFIなどのディスクイメージを好きなだけ追加でき、再フォーマットは一切不要になります。ポータブル診断アプリもまとめて入れられるうえ、USBを通常のストレージデバイスとして使い続けることも可能です。
1本のドライブからLinuxディストロとWindows ISOをすべて起動
Rufusのような一般的なディスクイメージングツールは、ドライブを単一のISOに紐づけてしまいます。一方、Ventoyはスマートブートローダーとして機能し、複数のISOファイルを認識して、起動時に整理されたメニューとして表示します。Ventoyの役割はそれだけ——USBをISO用のブートメニューに変えること。でも、正直なところ、それこそが必要な機能すべてなのです。
Ventoyで起動可能なメディアを作る手順はとても簡単です。
- Ventoyをダウンロードし、Zipファイルを展開してVentoy2Disk.exeを実行します。
- リストから対象のUSBドライブを選択し、Installをクリックします。
- ドライブは2つのパーティションでフォーマットされます。1つはVentoyのブートローダー用、もう1つはユーザーのファイル用です。
この操作でUSBドライブ内のデータは消去されるため、失いたくないデータは必ず事前にバックアップしてください。
起動メディアの準備ができたら、ISOファイルは普通のファイルと同じようにUSBドライブへコピーするだけでOK。再フォーマットはもう不要です。筆者はWindows 11、Windows 10、そしてオープンソースのWindowsクローンであるReactOSのISOを常備し、修復や再インストールに備えています。USBから起動すると、Ventoyが利用可能な選択肢をメニュー形式で表示してくれます。
Ventoyが優れているのは互換性の高さです。Linuxディストロ、Windowsインストーラー、ウイルス対策レスキューディスク、診断ツールなど、ほぼあらゆる起動可能なISOに対応しています。ドライブは異なるPCやUEFIシステム間でも起動可能ですが、古いレスキューツールによってはSecure Bootを無効化する必要がある場合があります。
ポータブルPC診断USBを作成する
PhoenixPE、Medicat、ポータブル診断ツールの導入
クレジット:Tashreef Shareef/MakeUseOf
さまざまなOSを起動できるだけでなく、Ventoyは総合的な診断ツールキットの構築にも長けています。筆者はPhoenixPEと組み合わせて、いわば持ち運べるパソコン修理・レスキューキットを作っています。
PhoenixPEは、RAM上で完全に動作する軽量なWindows環境を作成するツールです。余計なものを省いた、診断・修復ソフトウェアの実行に必要な最小限のコンポーネントだけを持つWindowsと考えてください。メインのWindowsが起動しなくなったときでも、PhoenixPEを起動すれば、パスワード回復ツール、ファイル復元ユーティリティ、ネットワークトラブルシューター、マルウェアスキャナーなどを利用できます。
VentoyとPhoenixPEの組み合わせは非常に強力です。Ventoyがマルチブートを担当し、PhoenixPEのほかにMemTest86やClonezillaなど、専用環境を必要とするツールとの切り替えを可能にします。Windowsベースの診断環境が必要なときは、PhoenixPEがそれを提供します。
VentoyとPhoenixPEでポータブル診断USBを構築するのは、やや手間のかかる作業です。PhoenixPEをダウンロードし、好みのツールを設定して、カスタムISOをビルドする必要があります。しかし一度完成してしまえば、パスワードリセットツール、ウイルススキャナー、ディスクバックアップソフト、ネットワークユーティリティすべてを、たった1本のドライブから利用できるようになります。

ただし、一部の診断ツールはネイティブ環境でないと動作しない点に注意が必要です。たとえばMemTest86はメモリテストのためにハードウェアへの直接アクセスが必要であり、Clonezillaもディスク操作のために独自のLinux環境を必要とします。
すべてをPhoenixPEに詰め込むのではなく、こうしたツールは同じVentoyドライブ上に個別のISOとして保管するのがおすすめです。起動時に、修理したい問題に応じて適切なツールを選択できます。
通常のUSBストレージとしても使う
空き容量を有効活用する

Ventoyは2つのパーティションを作成します。小さなブートローダーパーティションと、通常のUSBドライブとまったく同じように動作する大きなデータパーティションです。文書、写真、ポータブルアプリケーションなど、どんなファイルでもISOコレクションと並べて保存できます。
筆者は同じドライブに、7-Zip、Notepad++、システム監視ツールなどのポータブル版ソフトウェアも入れています。誰かのPCを修理するときには、診断用ISOと必要になりそうなポータブルアプリがすべて1箇所に揃っている状態です。
データパーティションはどのOSでも動作します。Windows、Mac、Linuxのどれを使っていても、ファイルに通常通りアクセスできます。ドライブから起動したときだけVentoyがISOメニューを表示し、それ以外のときはごく普通のUSBストレージドライブとして振る舞います。
ドライブが各種ファイルで散らかるのを避けるため、ISOはフォルダに整理して保管し、十分な空き容量を残しておきましょう。PhoenixPEのような大規模な診断環境は数GBのスペースを必要とするので、その点も考慮してください。最低でも32GBのドライブをおすすめしますが、複数のOSとツールを快適に収めるなら64GBあれば安心です。

ソフトウェア情報:Ventoy
対応OS:Windows、Linux
開発者:Hailong Sun
Ventoyは、起動可能なUSBドライブを作成するためのオープンソースユーティリティです。ISO、WIM、IMG、VHD(x)、EFIファイルをドライブに直接コピーするだけでよく、OSをインストールするたびに再フォーマットする必要がなくなります。
1本のUSBで、多彩な用途に
Ventoyは、リカバリーや診断用USBドライブを常備している人にとって、2つの厄介な問題を解決してくれます。第一に、異なるISOやリカバリー環境ごとに複数のUSBドライブを用意する必要がなくなります。第二に、5GBのISOのために250GBもの容量を無駄にするのではなく、ストレージの全容量を有効活用できるようになります。
Ventoyも完璧ではありません。古いISOや特殊なISOは起動しないことがあり、場合によってはSecure Bootを無効化する必要もあります。それでも、ポータブルなコンピューティングツールを管理する実用的な手段であることには変わりません。OSのインストールからハードウェアの診断、ファイルの転送まで、すべてを1本のUSBにまとめておけば、作業は格段に楽になります。
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